/ ,' 3 「皆さんが静かになるまで5分かかりました」のようです 五時間目 その5
- 1 名前: ◆TR2vneJwo2 :2009/05/30(土) 19:03:52.16 ID:3pM5Uhmk0
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〔第20話:残り10分A〕
まとめ:
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(http://runxz.blog4.fc2.com/)
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 19:26:43.18 ID:3pM5Uhmk0
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(‘_L’)
子供のころから、夕方の空が好きだった。
透き通るような清々しい朝の青い空でも、星が煌く夜の空でもなく、
世界を紅く染め上げながら、自身を混沌へと身を沈めゆく太陽。
あんなに美しかった青空。
それに魔を宿した朱が溶け込んでいく
青に朱が混ざり、光度を落とし、なんとも言えない色合いを作り出す。
その曖昧具合が、なんだか
優柔不断な自分を見ているようで少し愉快だった。
目に、柔らかな橙色の光が入った。
ジョルジュを追いながら、ふと窓の外を見てみる。
夕日が海に溶け込んでいくのが、見えた。
この一年の教室は二階にあるとは言え、
それなりに高い場所にある、見晴らしはいい方だ。
夕日がその身を、海に埋めようとしていた。
とても、美しかった。
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 19:35:55.71 ID:3pM5Uhmk0
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夕日が、海に沈み往く。
その瞬間。
正に、この瞬間世界は一番の輝きを見せるのだ。
最後の輝きのように、最期の耀きのように、
真紅に、深紅に煌き瞬いて、世界を染め上げる。
情熱迸る、生々しい生命そのものの色。
危険、不吉、そして死を暗示し それが一体となっている。
そんな赤に、世界が染まり往く。
いつもより世界を朱色に感じた。
ジョルジュに、追いつく。
魔人と対峙する、ドクオの背中が見える。
唇の端に、太い笑みを浮かべる魔人が、目の前にいる。
人外 対 人の戦いが、始まろうとしていた。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 19:51:48.54 ID:3pM5Uhmk0
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( ∀ ) ユラァ......
フィレンクトがその場に着いた瞬間。
瞬間、フィレンクトの視界からジョルジュの姿が消えていた。
そして次の瞬間。
―――ドゴォン
/ V 3 「......!」
荒巻の横面に拳が埋まり、弾け飛んでいた。
(‘_L’)(矢張り、強くなっている......)
ジョルジュが先程見せた開花の予感。
それは、ついに花開く事叶い、以前より遥かに強いジョルジュを体現させた。
覚悟する事、その事で、自らの壁を破ったジョルジュは
未だ発展途上にい、更にその強さを加速させていく予感すら感じさせた。
だが
(‘_L’)(それでも、会長、いや、単体の弟者より劣っている
荒巻が本気で闘うとなれば、何秒持つか...)
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 20:01:33.38 ID:3pM5Uhmk0
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/ V 3 ニイィ......
(‘_L’)(それを証拠にあの荒巻の挑発するような笑み
明らかに油断し、遊んでいる
ここに来て未だ成長続ける自身の力に自惚れているのか?……いい傾向だ)
(‘_L’)(“おや?思った以上にやるじゃないか小虫たち、ワカった、遊んでやろう”......
そんな感じなんでしょうね、今のあいつにとって私たちは)
(‐_L‐)(確かにそう、それは否定できない
荒巻が闘ってきた人外たちに比べ、私たちは余りに弱い)
(‐_L‐)(侮るのも、無理はない 油断するのも無理はない
ゾーマを倒した後に、バラモスが出てきても、拍子抜けるだけでしょう
せいぜい玩具と侮ってなさい、)
(‘_L’)「そこに付入る隙が生じるのだから―――」
“荒巻の油断”新たに生まれた大きなカード、これを使いどう相手を崩し往くか
フィレンクトは思考を続ける。
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 20:12:09.23 ID:3pM5Uhmk0
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(#゚∀゚)「まだまだいくぞッっ!!!!!」
受け継いだモノ。
(#゚∀゚)(ギコから貰った空手!流石兄弟に学んだ覚悟!
生徒会長に嫉妬した貪欲さ!そしてうんこの揺れない想い)
(#゚∀゚)「そして、おれッッ!!」
“ギコのように強くなりたい” “ギコの仇をとりたい”
誰かのように、誰かの為に戦っていた、かつての、彼。
(#゚∀゚)「オラアアアア!!!」
だが、今は違っていた。
受け継いだ物、それをそのまま受け継ぐのではなく。
己。
己の物として、昇華し“己”として闘う事の気持ちよさ。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 20:17:16.89 ID:3pM5Uhmk0
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(#゚∀゚)(――闘いとは闘いとは、こんなに楽しい物だったのか……)
目覚め。
己を知り、目の前の強敵から武の本質を学んだ彼は。
ここに来て、急速な成長を見せた。
(# ∀ )「ウォォオオ―――!!!」
拳。
脚。
脚。
脚。
拳。
(# ∀ )(己の拳足が、相手の身を削るこの快感――
素晴らしい、楽しい、おれは弱いなら、強くなればいい)
(#゚∀゚)「そうだろ!?荒巻ぃぃい!!!」
/ V 3 「......」
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 20:28:47.30 ID:3pM5Uhmk0
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その才覚、開花に至る。
その覚悟、開花に至る。
悠久と高められた“武”それが、彼の身を駆け巡る。
それは2人の人外の闘いを目にした事が起因する。
触発。
息をさせる暇も与えない、連打。
かつてない程、武に身を埋め、進化の最中に居る彼は――
一歩一歩、“嫉妬”する対象でしかなかった
人外の域へ、進みつつあった。
(#゚∀゚)「オラァアアア!!!」
進化の中も、途絶えない連打。
/ V 3 「......」 荒巻が、目の前にいる玩具の評価を改めようとしたその時。
光速の連打の途中、一瞬体を強張らせ
怒気を放ち、双眸を鋭く研ぎ澄ませ。
(#゚∀゚)「 虎 砲 ッッ!!」
左手を用いての本日2度目の虎砲を、荒巻に向けて放っていた。
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 20:37:24.59 ID:3pM5Uhmk0
-
(;゚∀゚)「チィ、これで左手もおしゃかだ」
ジョルジュ、左手の崩壊を感じながら、そのままだらりと構えを解く
二度目の虎砲は確かに当たっていた。
結果、荒巻は前のように壁に衝突し、瓦礫の中に身を埋めている。
荒い息で、自らの生じさせた土煙の向こうを見やる。
(#'A`)「あのやろう!俺が先に向かっていったってのによ!」
その光景を見た、ドクオが一言。
(#'A`)「チッ、決まっちまったか!?」
(‐_L‐)「いえ――全然、でしょうね」
(‐_L‐)(あの程度で倒れてくれるのなら、苦労はしない
むしろ、今のハンパな攻撃で荒巻が少しでもやる気をだしてしまったらマズイですね......
早めに策を講じないと、今ある状況から“鍵”を作る必要がある)
(#'A`)「なら次はおれが……」
(‐_L‐)「お待ちください」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 20:40:50.75 ID:3pM5Uhmk0
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(‘_L’)「ドクオさん、筋肉操作の方は?」
“鍵”が欲しかった。
いや、この際“鍵”だなんて贅沢は言わない。
今の相手は油断という大きな弱点がある。
そこを狙い打てるような、武器が少しでも。
(‘_L’)(ドクオ......精神面は強くても、戦力としては微妙だろうな
あの頃の荒巻には辛うじて対抗しつつあったが、今の荒巻では...)
思いながらも、藁をも掴む思いで、質問を重ねる。
(‘_L’)「回復、しましたか?」
(#'A`)「嗚呼、回復した
さっきのような四足特化強化なら1分持つ」
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 20:45:38.94 ID:3pM5Uhmk0
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(‘_L’)(一分.........)
余りにも、短い時間。
しかも、その絶望的な間で出来る事は
“あの頃”の荒巻の筋力程度の再現である。
(‘_L’)(しかも、四足限定
胴体を狙われれば、一撃で死ぬ、か――)
(;‘_L’)(どうする、駒としては余りに微妙
覚醒しつつあると言っても、ジョルジュも今、左手を砕いていたぞ
あれで少しでも、荒巻にダメージがあればいいのだが…)
(#'A`)「そして」
フィレンクトの思考を遮る、一言。
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 20:51:20.53 ID:3pM5Uhmk0
-
(#'A`)x"⌒''ヽ、
(| ...:: Y-.、 「この状態なら10秒だ」
| イ、 ! :ヽ
U U `ー=i;;::.. .:ト、
ゝ;;::ヽ :`i
>゙::. .,)
/:::. /;ノ
ゞヽ、ゝヽ、_/:: /
`ヾミ :: :. ゙ _/
`ー--‐''゙~
(;‘_L’)「!?」
メキメキメキィ......
枯葉を踏みしめる如く音を発しながら、異常に発達する、ドクオの左腕。
一点集中、左腕のみに、筋力操作を行う。そして、瞬時に、元に戻る。
(#'A`)「いたたたた......これやると、慣れてないせいかめっちゃ痛いわ
あ、今見本で2秒やったから、残り8秒な」
(;‘_L’)(ならやるなよ!)
心の中で突っ込みながら、算段する。
今見せたドクオの筋力操作によって、生まれた左腕の考察を始める。
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 20:58:33.03 ID:3pM5Uhmk0
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(‘_L’)(少しの間しか見れなかったのと
驚きでまともに値踏みできなかったが、あの威圧感......おそらくホンモノ)
(‘_L’)(左腕に、前筋力を集めたとするなら
かつて、荒巻戦で見せた力の四倍――いや、そこまで単純ではないだろう
だがしかし、もしかするとあの筋力からの攻撃は――)
('A`)「通る可能性は、十分にある、だろ?」
(‘_L’)「!! ええ...」
思考をうんこに読まれた事により、若干驚くフィレンクト。
('A`)「たしかにそう、あの状態からの攻撃ならあいつにも通じるかもしれない
だが、一点に力を集める余り他が余りにも脆弱になる
あの状態になるのにも、時間はかかるし、あの状態になってから攻撃を放つのにも時間はかかる
しかも、攻撃なんて受けたらひとたまりもねェ」
('A`)「策を講じてるんだろう?乗ってやるよ
あの状態になり、攻撃を放つまで“4秒”稼げるか?稼げるなら、かましてやるぜ」
(‘_L’)「魔人を相手に“4秒”……」
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:04:37.27 ID:3pM5Uhmk0
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(‐_L‐)(簡単に言ってくれますね......
その“4秒”が、どれだけ長い事か......)
言いながら目を瞑る。
だが、微かに光明が見えた。
(‐_L‐)(荒巻に通じるかもしれない攻撃――
そして、人外になりつつある、ジョルジュの進化)
(‐_L‐)(なんとか、揃った駒
立てる事が出来た策......策とには、呼ぶには
余りにお粗末、高く見積もっても勝率は1%あるかどうか...)
(‐_L‐)(でも、光は見えた――)
(‘_L’)「なら、いきましょう」
フィレンクトの覚悟。
同時、に、ガララと瓦礫を払いのける音が部屋に響いた。
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:10:32.39 ID:3pM5Uhmk0
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/ V 3 「ホホホホホ...やりおるのう」
煙の中現れた荒巻の左胸には、
拳大ほどに陥没したような痕がくっきりと刻まれていた。
.........が、その痕も躍動する荒巻の超筋肉が覆い尽し、その姿を瞬く間に消した。
(;゚∀゚)(ナ...っめんなよ...)
打った瞬間に、打拳の感触で、
まだ立ち上がってくるであろう事は予想がついていた。
(;゚∀゚)「まだ、ここまで差があるのかよ......」
目覚めつつある、己の左手を捧げた一撃、それをまともに喰らったはず、である。
それなのに、荒巻は倒れるどころか、片膝を付くことすらなく猛然と立ち尽くしていた。
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:15:13.93 ID:3pM5Uhmk0
-
(;‐∀‐)(落ち着け、?まれるな、左手を失っても
未だ足がある、頭がある、口がある)
(;‐∀‐)(差があって当然、心を揺らすな)
(;‐∀‐)「そうだ」
( ゚∀゚)「差があるなら、埋めりゃいい」
( ゚∀゚)「倒れなければ、倒れるまで打ち込めばいいッッ!!」
自信。
荒巻の強さ、そして自分との差を認めつつも。
尚、それを上回る成長を、この闘いでしているという自信。
( ∀ )「いくぞ―――」
ジョルジュの目が、窓から伸びる夕焼けを映し
深く、紅く染まっていった。
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:23:45.78 ID:3pM5Uhmk0
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( ゚∀゚)「ふッッ!!!」
筋肉が爆ぜ、白い骨が顔を見せる。
もう拳とはいえぬ拳を握り、再度光速連打を浴びせようと
限界を超えた歪みに悲鳴をあげる肉体に鞭打ち、
ジョルジュはゆっくりと、荒巻に立ち向かっていく。
( ゚∀゚)(さっきのような、反撃をする間も与えない光速連打なら――)
/ V 3 ニィ...
絶望する事なく、立ち向かい来るジョルジュを見て、
荒巻は一人静かに笑みをたたえた。
/ V 3 「若さとはいいな、可能性だ」
(#゚∀゚)「言ってろ!!」(連打の序――鉤突き!!)
荒巻の言葉を縫い、
ジョルジュは攻撃を仕掛ける。
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:28:15.93 ID:3pM5Uhmk0
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/ V 3 「爆発的に強くなってるのう......こうして話をしてる間にも
君の肉体は成熟を向かえ、精神にはさらに明瞭さが宿り
STEP UP、進化を続けている、素晴らしい、素晴らしい事じゃ」
(# ∀ )「言ってろや――!オラァア!!」
/ V 3「じゃが」
/ V 3「じゃが、それだけじゃ」
ピ タ ッ
(;゚∀゚)「!?」
鉤突きを今まさに放とうとしていた、ジョルジュの眼前に現れた拳。
(;゚∀゚)(寸止め……?何時の間に繰り出しやがった、ナメやがって!)
ジョルジュはあわてて眼の前にあった
太い拳を払いのけて、反撃の右のストレートを打つ。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:32:20.86 ID:3pM5Uhmk0
-
/ V 3「......フン」
(;゚∀゚)「なっ――」
それもあっさりかわされる。
次いで、力の抜けた動作で放たれた荒巻の蹴りが
ジョルジュの股間に当たる直前で、寸止めされていた。
―――ピタリ.......
(;゚∀゚)(動作がみえねェ…!?)
ジョルジュの背を、ぞくり、と戦慄の感覚が疾り抜ける。
驚愕の色を隠せないジョルジュをからかうように、荒巻がすかさず追撃する。
アゴの先にすくい上げるような掌底。
―――ピタリ
(;゚∀゚)「…………」
これまた肌と肌が、擦れ合うような寸止め。
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:35:45.03 ID:3pM5Uhmk0
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/ V 3「つまらんな......」
掌底を下げながら、荒巻が呟く。
/ V 3「君から感じた進化の予感、それは確かに的中し
爆発的な成長を君は見せた」
/ V 3「ワシはその生じた芽――
君と言う余りにか細く、弱い可能性を摘まぬよう
やさしく、君の成長を促すため攻撃を受けていたのじゃが......」
/ V 3「まッッたくだめではないかッッ!!!」
(;゚∀゚)「〜〜〜〜〜ッッ!?」
ビリビリと、大気を伝い
荒巻の怒気が空間を支配する。
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:39:09.97 ID:3pM5Uhmk0
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/ V 3「なんじゃその突きは、なんじゃその蹴りは」
/ V 3「なんじゃ、拳を犠牲にしてまで放ったあの一撃は!」
/ V 3「ワシを殺す気だったのか?阿呆か、毛ほども効かんわ
ふざけてくれるなよ?その程度か?」
(;゚∀゚)(………)
/ V 3「さァ、こいよ、成長中なんじゃろ?
覚醒したんじゃろ?わしを倒すんじゃろ?」
(;゚∀゚)「くっ......」
/ V 3「......ふん、少し本気を出すとこれだ
つまらんな、強くなりすぎたか」
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:43:10.31 ID:3pM5Uhmk0
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/ V 3 (先ほどの女子でもそうじゃった
強いはず、相手も人外のはずであるのに......なんだこの虚無感は)
/ V 3 (あの女子はわしと対峙できてうれしそうじゃったが、わしはまったくワクワクせんかった
後にも先にも、闘いに真に興奮したのは――)
/ V 3 「まあよい、ここでする事ももう何も無かろう」
/ V 3 「“期待はずれ”そろそろ死んでもらおうかのう?」
(;゚∀゚)(チッ)
(;゚∀゚)(勝てるイメージはあるッ!
おれはまだ終わっていない、止まっていないッッ!
この場を.........打開できれば...)
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:45:23.56 ID:3pM5Uhmk0
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「辛そうですね、変わりましょうか」
(;゚∀゚)「!」
悩むジョルジュに声をかけたのは
(‘_L’) ザッ...
フィレンクト。
(;゚∀゚)「な、何を...」
/ V 3 (……)
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:49:20.36 ID:3pM5Uhmk0
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凍りつく、その場を溶かしながら
フィレンクトは、ジョルジュに近寄る。
(‘_L’)(四秒、四秒時間を稼ぎます、
その間にドクオさんが攻撃するはずです
それに合わせて、ジョルジュさんも攻撃を浴びせてください)
(;゚∀゚)(何をする気だ......)
(‘_L’)(なぁに、簡単ですよ、唯の足掻きです)
(‘_L’) ――ザッ
それだけ言うと、フィレンクトはジョルジュに大しての耳打ちを止め
静かに、荒巻へと歩を進めていった。
(;゚∀゚)「唯の...足掻きだぁ…!?」
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:53:04.90 ID:3pM5Uhmk0
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(;゚∀゚)「四秒も稼げる訳......」
四秒、それだけの時間を稼げるはずが...
対峙したジョルジュには痛いほどワカる。
(;゚∀゚)「だが、しかし逆に4秒稼げたら...」
(;゚∀゚)(試したかった“アレ”ができるかもしれねェ)
脳内でのイメージは済んでいるが
四秒あっても、成功するかどうか、わからぬ“アレ”
( ゚∀゚)(だが、決まれば荒巻にも通じると断言できる
ドクオの攻撃が何かワカんねぇが......もし4秒稼げれば、面白い)
( ゚∀゚)「もし、稼げたら――だが......」
ギュッと砕けた右手を握りながら。
荒巻に近寄りつつある、フィレンクトの背を見た。
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/30(土) 21:57:56.75 ID:3pM5Uhmk0
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/ V 3 「……なんのつもりかのう…?」
(‘_L’)「怪しむ必要は」ありませんよ、常人による、唯の足掻きです」
対峙するフィレンクトを
今まさに沈もうとする、夕日が照らす。
夕日照らされ、朱に染まる彼はどこか、
燃え尽きる前の蝋燭のようにも見えて。
(‘_L’)(油断、怒り、予期せぬ行動による動揺が貌に映っている……
この調子なら、大丈夫かもしれない悟られる前に――)
そして、誰にも悟られる間なく勝率1%の策が発動された。
〔第20話:残り10分A終〕
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