/ ,' 3 「皆さんが静かになるまで5分かかりました」のようです 四時間目 その3
1 名前: ◆TR2vneJwo2 :2009/05/21(木) 00:32:47.78 ID:1yZLOtBN0
    






 時間は少し巻き戻り、1年塔

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 00:42:25.85 ID:1yZLOtBN0


/ V 3「グォオオオオ!!!」

 
 弟者の隙を、見るや否や
 四足である利点を最大限にいかす、跳躍からの体当たりを放つ荒巻。
 

(;´_ゝ`)「弟者!!」

 弟を心配しながら、咆哮。
 同時に荒巻に向けて拳銃を発砲するも、
 魔人と化した荒巻に対し、ソレは最早何の意味を成さない。


/ V 3「グォ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!」

 人間大の竜巻とも形容できそうな、破壊エネルギーの塊が迸る。

(´<_`;)「チッ!」

 荒巻に恐れをなし初動が遅れたのが致命的だった。
 最早避ける事かなわず。

 かといって目前にせまる攻撃に対し、防御などは何の意もなさぬであろう。

(´<_`;)「クソ!」

 弟者は、静かに目を閉じ、体の力を抜いた。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 00:48:03.37 ID:1yZLOtBN0


( <_ ;)(ガッ――!?)




 ――――――― ドッコォオオオンッッ!!!!




 唯の体当たりであるにも関らず、
 魔人の体格、筋力で行えば、それは立派な必殺技と化す。

 最速で、最強で、最大―――


(;´_ゝ`)「クソ!」


(;゚∀゚)「……」


 衝突は一瞬。

 極限の運動エネルギーをもろにぶつけられた弟者は
 そのまま壁に激突し、なおもしばらく、
 ギャリギャリとドリルのように壁を穿ってから、ようやく瓦礫の中で静止した。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 00:54:46.68 ID:1yZLOtBN0
     

 常人ならば、五体が崩壊してもおかしくない程の一撃。
 しかし魔人は一人、首をかしげた。


/ V 3「ウガ?」

 手ごたえは確かにあった。
 ただそこに死を感ぜられないのである。


 弟者と壁の衝突によって生じた煙幕
 モクモク、モクモクと教室中を多い尽くす。



/ V 3「あ゛ァ?」

 不思議に思い、弟者が衝突した壁へ足を運ぶ荒巻。
 そろりと、顔をのぞく。

 その背後に


 ―――――――(´<_`#)


 半裸の弟者がいた。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 01:00:36.57 ID:1yZLOtBN0
    
 ―――トォン...


/ V 3「!?」

 不意をつき、現れた弟者は、攻撃をするでなく。
 ただ静かに、掌を荒巻の背に置いた。やさしさすら、感じられる所作である。


(‐<_‐#)「ハァ―――――」

 深い呼吸、腰を落とし、そして。


 ‘―――虚領頂勁’‘氣?丹田’

  ‘不偏不倚’   ‘――怱隱怱現’    ‘左重則左虚――’

    ‘――右重則右杳’    ‘仰之則彌高’

 頭に巡らす、人体の理を、そして


(゚<_゚#)「    発   頸  !!! 」

/ V 3「――!?」

 すさまじい爆音と共に、身が爆ぜる。
 今度は荒巻が弟者の突っ込んだ壁へ、身を沈める事となった。 

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 01:07:50.68 ID:1yZLOtBN0
       


 ――――――― ド ッ コ ォ オ オ オ ン ッ ッ ! ! ! !





 先刻起きた以上の轟音がい響く。



/ V 3「―――――――ッッ!?」



 荒巻は、訳がわからぬまま、、
 身でコンクリートを削り、壁を突きぬけ隣のクラスまで吹き飛ばされる。



 それを視認して


(´<_`;)「チィ...かなりもってかれたな」


 弟者は足元にへたりとその場に座り込み、右手を苦しそうに押さえた。

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 01:11:52.66 ID:1yZLOtBN0
        

(*´_ゝ`)「ヒャッホー!弟者!おれはお前がやるときはやる男って信じてたぞー」


 はしゃぎながら、弟者に走り寄る兄者。


(;゚∀゚)「うそつけ、一番心配してたくせに」


('A`)「今のはカメハメ波だな、おれにはワカる」


(*´_ゝ`)「ほれ、濡れタオルだ」

(´<_`;)「すまない、兄者」

 タオルを受け取り、右手を冷やす弟者。



( ´_ゝ`)「……大分つらそうだな」


(´<_`;)「ああ、半分ほどもっていかれた」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 01:21:38.45 ID:1yZLOtBN0
  

 ‘頸’


 頸とは、洗練された力の意。
 単純な力を鉄鉱石とすると、それらを加工最適化させ刃と化す。


『力は骨より発し、勁は筋より発する』

 そのような技術。



 八卦掌を元に自ら開発した弟者拳法を操る弟者は
 その極意として三種の頸を習得するに至っている。





 一つ、化頸

 限り無く体を脱力させ体軸を操り
 相手と同化することで、受ける攻撃の威を半減させる頸。

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 01:22:55.47 ID:1yZLOtBN0


 一つ、浸透勁
 
 先に弟者が荒巻に放ったのが、この一撃である。
 人体を攻撃すると、相手の筋肉の収縮によりその威力が軽減される。

 だが、相手の筋肉に攻撃を悟られなければ、
 100パーセント攻撃が通るのが道理である。


 ━━━━━━━━━━━

 ―――トォン...

 ━━━━━━━━━━━


 故に、弟者は相手の筋肉に感づかれないように、まず掌を優しくおいた。
 そして、筋肉の虚をつき、一撃。
 
 虚を突けば、筋肉の多寡など、関係ない。

 理に叶った、一撃である。

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 01:27:30.09 ID:1yZLOtBN0
       

 だが、勿論デメリットもある。

 相手の筋肉に悟られない一撃は、
 こちらの筋肉にも悟られないのと同意味であり。


 故に


(´<_`;)「くぅ......」


 弟者の右手にも、深刻なダメージ。

 放つ方にも、放たれる方にもダメージが障害を物ともせず浸透する。



 それが、浸透勁。

 もろばのつるぎ.である。

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 01:33:37.58 ID:1yZLOtBN0
   

(‘_L’)(背の竜のイレズミ......)


 フィレンクトだけが、場の状況を冷静に分析していた。
 弟者が、その背に背負う龍のイレズミの意味。

 

(;´_ゝ`)「あああぁあ。大分キツそうだな!でも、もう大丈夫だろ!」

( ´_ゝ`)「弟者の浸透勁をモロに受けたんだ!頸ならば、あの筋肉は関係ない!
     さあ、さっさと失神してる荒巻とっちめて、かえってパジャマパーティしようぜ」


(´<_`;)「いや、残念なお知らせだ」


(´<_`;)「失神などしていない……どころかもう奴は」


 弟者の視線の先、そこには


/ V 3 

(´<_`;)「もう復活してやがる……」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 01:38:34.37 ID:1yZLOtBN0
     


/ V 3 「……」

 首をコキコキならし、なんとも無かったかのように
 壁にあいた穴から身を乗り出し、こちらのクラスに移動する荒巻。



(;゚∀゚)「バケモノか……」

 旋律、あれほどの一撃を喰らい。
 ジョルジュは先刻闘った荒巻とは、次元が異なる荒巻だと実感す。



(;´_ゝ`)「なんでだよ!頸に筋肉の過多は関係ねぇんじゃなかったのかよ!」


(´<_` )「たしかにそう、筋肉に悟られなければ、抵抗されない、関係ない」

(´<_`;)「がっ、筋肉として機能しなくても、あの肉の厚さ
     体内にダメージを浸透させたところで、内臓まで届かなかったんだろう」

(´<_`;)「無痛症の荒巻相手では肉へのダメージは意を成さない
     内腑へダメージをあたえなければ…」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 01:44:53.43 ID:1yZLOtBN0
      
   
(;゚∀゚)「んじゃど――」


(´<_` )「だから」


 言いながら、立ち上がる、そして

(´<_` )「だから、今度は肉の薄い箇所に」

⊂(´<_` )「渾身の頸を放り込む......!」


(´<_` )「兄者、いこう」

(;´_ゝ`)「ちっ、ハードな依頼だな、本当に」

 兄者はベレッタを捨て、新たに特注のマグナムを手に取った。

( ´_ゝ`)「こいつを使うと、あまりの反動に肩がはずれる事があるから
     使いたくなったんだがそうもいってられないな」

(´<_` )(今度は最初から、全力で行く――)

(´<_` )「さあ、はじめるぞ兄者」


 ――――――魔人狩りを

82 名前:ていせい:2009/05/21(木) 01:48:10.65 ID:1yZLOtBN0
    

 ――――キーンコォーンカンコォーン


 チャイムが鳴り響く。



(;゚∀゚)(……闘いにのまれてしまっているが……それでいいのか、おれ?
     ギコの仇をとるんじゃなかったのか?なあ?)

 様々な者の想いを乗せて


(‘_L’)(彼の背を彩る龍のイレズミ、もしや―)


 チャイムが響く、四時間目の就業を示す。


('A`)(トイレ掃除してえ...)

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 01:49:18.66 ID:1yZLOtBN0
     



     








 ハラペコどもが集う
 ここ一年塔でも、また給食の時間が開始されようとしていた―――

227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 17:14:47.36 ID:1yZLOtBN0


(;゚∀゚)(おれは此処になにをしにきた……観戦でもしにきたのか!?)


 辺りを包む土埃 ジョルジュは自己に問いかけながら
 真っ直ぐと、人外の者たちを見据えていた。



 視線を気にするでもなく、対峙するのは


/ V 3 「……」


( ´_ゝ`)「援護はまかせろ」

(´<_` )「おうよ」


 人外の者たち。

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 17:23:15.03 ID:1yZLOtBN0
      

(;゚∀゚)(おれは......ギコの仇をとるんじゃなかったのかッ!?
     あいつの代わりにテッペンとるんじゃなかったのか?)


 頭が重い、ドロリとした焦燥が意識を犯す。
 答えの出ぬ、問いかけ。目を見開くのすら辛い。

 ギコの為最強を証明しに、荒巻の前に立ったにも関らず

 目の前に繰り広げられているのは、
 自分のような斯様な者など入り込む隙間のない人外達の闘い 。


(;‐∀‐)(クソ――ッ)


 息を吐く、頭が痛む、手を強く握る、血が滲む。
 絶対的な実力不足。

 ジョルジュには身体的実力差を補って余りある覚悟が己にあると自信を持っていた。
 しかし目の前で繰り広げられている、闘いを見て悟った。

 この考えが自身の驕りであると。


(;‐∀‐)(仇をとる為なら死んでもいい、
     そこまで、そこまで思ってたんじゃないのかおれは――)

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 17:32:09.66 ID:1yZLOtBN0
     
/ V 3 ニイィ...


 嗤う、魔人。

 荒巻は顔を嗤いの形に歪めたままで、
 目の前の兄弟に戦闘を促すようにニ、三度 目配せした。


 突然変異。
 マイオスタチン関連筋肉肥大と無痛病という、DNAに密接に関係する
 修羅の因子、二種をその体内に持つ荒巻は。

 内に持つ狂気と修羅の因子を融合させ、己を人外の域まで押し上げた。

 
 人外レベルである夥多な肉体。

 異形な姿へと変貌を遂げた荒巻は、明らかに闘争本能のみで生きていた。



( ´_ゝ`)「.........」(´<_` )


 対峙する、両陣の距離は3M。

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 17:37:31.63 ID:1yZLOtBN0
         


(´<_` )「...........」


 機を見張る。

 弟者はごく自然に、かつ無意識に
 己が知る最強の人物、母、母者と、目の前の異形とを重ねみていた。


(´<_` )(どうみても、凌いでいるな)


(´<_` )(なるほどな、母者が負けるワケだ)

 
 弟者は知っていた、自分の母、母者がかつて荒巻と闘い
 そして、敗北していることを


(‐<_‐ )(て、事はだ)


(´<_` )「それを、越えりゃいいってわけだ!!」


 気を巡らせ、決める覚悟。
 そこまで思考したところで、弟者は地面を蹴った。

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 17:45:02.38 ID:1yZLOtBN0
             


(´<_` )「疾ッッ!!」


/ V 3 「!!」


 弟者が一疾。
 一瞬で互いの間は一撃で致命傷を与えられる距離まで縮む。


(´<_` )「そして、破ッッ!!」


 先ほどまでの弟者の掌底ではない。
 筋肉という鎧で覆われている荒巻にも致命の一撃を与えうる、頸を用いての一撃。


/ V 3 「ゲガァアア!!!」


 その味を覚えている荒巻
 後の先をとる、拳撃を放つ。


 人間の反射神経では、避け得ない最速の拳。

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 17:50:53.14 ID:1yZLOtBN0
  
 しかし――


/ V 3 「!!」


 その拳は、空を打っていた。
 突き出された拳。

 人の身で、反応できる速度の突きではないのに。
 荒巻の脳内を走る疑問、しかし程なくして疑問は溶ける。


( ´_ゝ`)「いくらお前さんでも、一箇所にこいつの銃撃を2つくらえばタダじゃすまないだろう」


 シュュ―――――

 兄者が両手に持つ拳銃が、煙を吐いている。

 拳に向け、兄者が2丁の銃を一点に放ったのだ。
 ダメージを与える事はなくとも、動きを止めるには十分だ。


(´<_` )「――――いくぞッッ!!」

 兄者によって、与えられた隙。
 その隙を待っていたかのように、弟者。

245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 17:58:38.01 ID:1yZLOtBN0
    

(´<_` )「掌底ッッ!!!」


/ V 3 「ッ!?」


 荒巻の腹に打ち込まれてた一撃。

 弟者が続いて、足を大きく振りかぶり、鞭のようになぎ払う。
 その蹴りが視認し届く前に、素早く攻撃範囲内から脱出する。荒巻。

 が。

 ――ドンドォン!

/ V 3 「ぐツ?」
 
 脱出しようとした方向に向いた足を射抜く、兄者の2連銃撃。


( ´_ゝ`)(―――)
 

(‘_L’)(完璧に弟者と荒巻の動きを把握した上で、対応する完璧な援護……
    判断基準能力、それと二丁拳銃どちらも同時に一箇所へ打ち込む銃撃センス)

 フィレンクトは、弟者の体術センスもさることながら、
 兄者の完璧としかいいようのないサポートにも、驚かされる。

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/21(木) 18:03:40.68 ID:1yZLOtBN0
       

(‘_L’)(いくら弟者が頸を使えようと、あの荒巻相手では5分ももたないであろう)

(‘_L’)(だが、兄者の完璧なサポートにより、互角に、いや―――)

(‘_L’)「流石の優勢、か」


 ――――シュッ


/ V 3 「ウォオオ!!!」

 その兄者のサポートを見透かしていたかのような弟者の顎に向けた蹴り。
 

(´<_` )「まだまだ終わらんッッ!!」

 ――突き、突き。
 掌底を二発繰り出す、正確に急所を狙ったその攻撃。

 反撃の蹴りを決めようと荒巻は体軸を移動するが。


/ V 3 「ウォオオ!!!」

 それをまた、兄者に邪魔される。
 思わず上げる、怒りの咆哮。

130 名前:前話ラスト3レスちょい手直し:2009/05/22(金) 20:01:15.93 ID:kx7uuC4C0
     


( ´_ゝ`)「どかーん!ばっこーん!」

 
 敵の行動が手に取るようにわかる兄者の力。
 それは読みなどという、レベルの話ではない。

 闘っているのが、弟者だから、見えるのだ、敵の次の行動が。
 双子故の力、ならばどれだけ敵の行動が早かろうと、こちらはそれにあわせてサポートすればいい。



(´<_` )(しかし、これだけ頸を打ち込んでも尚倒れる気配がないな……)

 掌を、足を打ち込みながら弟者は思案する。


/ V 3 「ウォオオ!!!」

 思うように身動きとれぬ荒巻は、怒りを見せている。

 
(´<_` )(理性を失っている、これなら)

(´<_` )「兄者!パターンガンガンいこうぜ!」

( ´_ゝ`)「!」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 20:02:38.50 ID:kx7uuC4C0

( ´_ゝ`)「いいのか弟者!死んじゃわないか?」

(´<_` )「大丈夫だ、兄者‘化頸’を使うさ」

( ´_ゝ`)「わかった!じゃあ頑張れよ!」

/ V 3 「?」


(´<_` )「?って顔してるな、荒巻よ」


 打ち込みながら、会話。


(´<_` )「いい事教えてやるぜ、荒巻」

(´<_` )「これまでのおれらの流石な連携はパターン‘命をだいじに’」

(´<_` )「命だいじにってのは、ようするにお前の攻撃、回避に対する動作を
     今のように、兄者が銃撃で封じるパターン」


(´<_` )「だが、これからは違う」

(´<_` )「パターン、ガンガンいこうぜ」

(´<_` )「この作戦はな、ガンガンいこうぜの‘ガンガン’がキモだ」

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 20:08:36.40 ID:kx7uuC4C0
     


/ V 3「??」


(´<_` )「また?って顔してやがるな、教えてやろう」


 ザッザッ......言いながら荒巻に近づく弟物。
 
 そして、足を止める。
 あの荒巻相手に口付けさえも、出来そうな程の距離。


 ツバを飛ばし、目を見開き、弟者は言い放つ。


(´<_` )「おれらはよ、母者っていう鬼の武闘派母がいたからよ
     小さい時でも、ゲームなんて軟弱なもの触らせてもらえなかった」


(´<_` )「周りの友達はプレステやらウィーやらDSやらやってるのにだぜ?
     おれは嘆いたね、己の境遇に、そして思ったゲームしてぇと!」


 遠くで、うんうんと兄者も相槌を打つ。

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 20:15:17.86 ID:kx7uuC4C0
     




(´<_` )「そこでだよ、神のような友達が現れたのは」


 ―――ファミコンでいいなら、貸してやるけど?



(´<_` )「ゲーム慣れしてる奴にとってはだファミコン(笑)って感じなんだろうが、
     おれら兄弟にとっては未知の文明に触れる宇宙飛行士の如く嬉しかった」


( ´_ゝ`)「文字通り、飛び跳ねて喜んだよな」


(´<_` )「うむ、気分はスーパーマリオだった」


(´<_` )「それで……まあ、ファミコンを借りることに成功したおれたちは
     母者に見つからないよう、母者が仕事の時間を選び、TVに接続した」

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 20:21:02.65 ID:kx7uuC4C0
      

(´<_` )「3つの色の線やら電源やら、よくわかんなかったが気合で接続し
     ついにゲーム起動画面まで進むことに成功した」

(´<_` )「いっしょに借りたソフトはDQ4、おれはオトジャと主人公に名付け
     ファンタジーの世界へ旅立った」

(´<_` )「初めてするゲームは、例えファミコンでも楽しかった」

(´<_` )「のめりこんだ」

      く       だ
(´<_` )「食うことも、小便すことも忘れ、おれは夢中でゲームを進めた」


(´<_` )「すると、各章ごとの主人公が集い、パーティを組むところまで進んだわけだ」

(´<_` )「そこで、おれはまた歓喜した」


(´<_` )「個性豊かな仲間に囲まれ、一気にアップする戦術性
     これだ!おれが待ち望んでいたものはこれなんだ!と」

(´<_` )「おれは、取り敢えず主人公以外をお気に入りのアリーナ、ミネア、マーニャで固め
     フィールドへ降り立った、全員揃っての初戦闘 疑問が沸いたのはその時だった」

157 名前:>>152 ですね、受験生の:2009/05/22(金) 20:28:24.34 ID:kx7uuC4C0
       

(´<_` )「初めて戦闘メニューで現れた、仲間えの指示」


(´<_` )「何種か作戦があり、それを各仲間へ命令できるようだった」


(´<_` )「おれは、初めて触れたそのシステムに興奮しつつ
     作戦メニューのウィンドウを開いた」

(´<_` )「めいれいさせろ、みんながんばれ、いのちだいじに
     じゅもんせつやく、じゅもんつかうな、いろいろやろうぜ」


(´<_` )「わかりやすく、且つ個性豊かな作戦たち」

(´<_` )「だが、そんな中異様な雰囲気を醸し出し、おれの目を惹くやつがいた、そう」


(´<_` )「 ガ ン ガ ン い こ う ぜ 」

(´<_` )「当時、3年生だったおれには、この作戦名がどうにも腑に落ちなかった」

(´<_` )「ガンガン.......?ニュアンス的に攻撃するってことか?
     なら作戦名 こうげきしようぜ でいいはずだし...ガンガン?
     クリフトの長帽子がマーニャのマーニャにガンガン!ってことか?」


(´<_` )「いや......おそらく違うだろう...なんだ、なんだこのガンガンっていうのは...」

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 20:32:13.30 ID:kx7uuC4C0
    
    
(´<_` )「おれは、アリーナ、ミネア、マーニャに
     危ない水着を装備させると共に、この悩みに耽っていった」




(´<_` )「ガンガン......?何故だ何故こんな名前なんだ 
     他の作戦名はわかりやすく簡潔なのに、何故...と」




(´<_` )「丁度三日三晩悩んだと思う、その時ふと気がついた」



(´<_` )「我が背に、母者がいることに」

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 20:37:12.72 ID:kx7uuC4C0
      


(´<_` )「仕事中、こなしておくように、と与えられた鍛錬メニューを一切こなさず
     ゲームのキャラに危ない水着なんて装備させハァハァしながら作戦名について真剣に悩む息子の姿を見て」


(´<_` )「‘戦神’の異名を持つ母者はブチ切れ、
     殺す勢いでおれに殴りかかってきた」

(´<_` )「いくら天賦の才を持つといっても、当時おれは小学三年生のガキ
     世界最強の掃除屋と謳われる母者の暴力に、成す術がなかった」


(´<_` )「圧倒的な暴力
     血を散らし、歯が欠け、意識を失いつつおれは母者の姿を見た」


(´<_` )「その時、おれはすべて理解したんだ」

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 20:38:37.88 ID:kx7uuC4C0
       

 純然たる暴力。

 抗えない力。


 ああ、成程―――




\\
\\\  @@@
 (⌒\@# _、_@
  \丶 (  ノ`)
   (mJ ^ ⌒\     
   ノ ∩  / /  こ れ が ガ ン ガ ン い く と い う 事 か
   ( ||∧_∧
`/\丿 |(   )
(__へ_ノ丶__ノ

182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 20:45:06.31 ID:kx7uuC4C0
 
(´<_` )「ワカるか荒巻……これからおれらが起こす攻撃形式はそれと同じだ
     ‘こうげきしようぜ’なんて甘っちょろいもんじゃねえ」

 荒巻の鼻先30センチ。


(´<_` )「‘ガンガンいこうぜ’その名に相応しい」

 目を見開き、つばを飛ばし


(゚<_゚ )「攻撃をするっていってんだよッッ1!!!」

 弟者が咆哮!


(;゚∀゚)「バカか!いくらある程度攻撃が受け流せるとは言え
    そこまで荒巻の近くにいくなんて!」



/ V 3 「………」


/ V 3 ニィィ

 それを聞いて荒巻がニィと顔を崩す。

(´<_` )「言葉を解せぬ魔人と化しても、意は通じるらしいな」

186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 20:49:58.68 ID:kx7uuC4C0
        

(;゚∀゚)「おい!聞いてるのか!その位置だとお前逃げる事が――」


(´<_` )「必要ない、何故ならもう攻撃を避ける事はないからだ」


(;゚∀゚)「へ?」

('A`)「なるほど、あれをするつもりかあいつ、フッ」

(‘_L’)(絶対ドクオさんワカってないでしょうね…)



(´<_` )「‘ガンガン’いくとは、つまりそういう事だ」


(´<_` )「足を止め、防御をすて、未来も捨て、命を捨て――」

(´<_` )「攻めに転じ、骨を削り、殴り合い、血を飛ばし、殺しあう」


(´<_` )「お前の、大好きな殺し合いの事だ!うれしいだろう!なあ荒巻!?」

187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 20:52:15.79 ID:kx7uuC4C0
     


(´<_` )「いくぞ!!兄者!」


( ´_ゝ`)「応ッッ!!」



 先ほどとは比べ物にならないほどの密度。
 荒巻と数センチの距離にいる、弟者が吼える。

 極大の緊迫感、呼応するように空気が、震えた。
 張り詰めて狂気にそまった空間の中、そこに





  「「‘ガンガンいこうぜ’!!」 」



 兄弟の、声が重なった。

194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 20:59:39.85 ID:kx7uuC4C0
             

(´<_` )(化頸である程度いなせるといっても
     おれの体でこいつとまともに打ち合えるのは一分が限界――
     一分だ、一分で決める...!!」
 

 足を止める。
 防御を捨てる、回避も捨てる。

 弟者が狙うは、相手に対す攻のみ、荒巻も狙うのは攻のみ。


(;゚∀゚)(あの荒巻と足と止めて正面から打ち合うだと…正気か!?)



 口付けさえも、出来そうな距離で。


/ V 3 ニィィ... (´<_` )


 弟者は荒巻を睨む、嗤う

 荒巻も弟者を睨む、嗤う。

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 21:02:35.79 ID:kx7uuC4C0
      
    
 その時、先刻の荒巻の体当たりによって、
 破壊されていたスピーカーがピーガーと音をたて、何かを発す。
 
『___∧,、____ ピガ.。sれl〜は、聞いちゃっrくださ...い!
 おねーさんかrきみt...ちに送るラストナンバー! the sd〜〜and apart で‘ STEP UP ’―』

 
 それを両者、契機とみたか―――


/ V 3「「オラァアアア!!!!」」 (´<_`#)

 ほぼ同時、足を止めたまま、畏れもせず
 ただ、腕を振り上げ、相手を見据え、そして


 殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う
  殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う


(´<_`#)「ウォオオオオオオオオオオ!!!!!」


/ V 3 「グアアアアァァアアァアアウ!!!!!」


 殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う
  殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う殴り合う

205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 21:11:12.06 ID:kx7uuC4C0
      

 互いの攻撃を真から受けて、血が、歯が、肉片が、飛び交う。
 だが、そんな事は両者気にも留めず


 荒巻は拳を、弟者は頸の込めた掌を、ただただ打つ。
 相手が先に倒れなければ死。


(;゚∀゚)「な、なんつー……」

 言葉を失うジョルジュ。



 スピーカからはスラップのきかせたベース音が途切れ途切れ流れている。
 ラジオスターつーが最期に流した曲 the band apart のSTEP UP。
 両者の激突のキッカケにもなった、曲。

 その曲の長さは奇くも、ジャスト一分。


(´<_`#)「破ァァァッッッ1!!!」


 弟者が、荒巻と対峙できるタイムリミットと、同じ長さ。

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 21:29:39.72 ID:kx7uuC4C0
         

 ――――ドォンドォンガァン!



 戦いの激しさで半ば廃墟と化した一年塔で殴り合いの音が、響く。
 互いに打ち合う度、その勢いで足場が崩れ、飛び散る。


 ――――ドォンドォンガァン!


 リズム良く血を巻き散らし、
 拳脚を奏でるそれは、死を思わせる戦闘曲。


(´<_`#)「うらぁあああ!!!」

 
 頸を込めた掌底を打ち込みつつ、
 弟者は荒巻の拳を蹴りを、避けぬまでも化頸で殺す。

 対する荒巻も、ただただ攻に専念す。
 

(´<_`#)(く……20秒経過!化頸である程度勢いが殺せると言っても
      体の芯まで響くような一撃……あと40秒持つか!?まだかよ兄者!)

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 21:38:05.64 ID:kx7uuC4C0
      

/ V 3 「ウガァァアア!!!」


 対する魔人。

 その身を厚い筋肉で覆いつつも、
 喰らっているのは唯の一撃でない頸の一撃。

 筋肉の鎧の間を縫って
 直接内臓にダメージをねじ込まれているにも関らず。


 倒れない。


(´<_`#)(く......効いてないのか!?そんなはずは......!)


 だが


/ V 3 「ぐるぁああああああ!!!」


 倒れない。
 魔人たる所以――
 

238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 21:51:05.31 ID:kx7uuC4C0
  

/ V 3 「ウォオオオオオ!!!」

 荒巻が突然打ち合ってた手を、止め
 メキメキと、左腕に力を溜め始める。


(´<_`;)(な、なんじゃあらあ…!)

 
 荒巻の呻き声と共に、膨れ上がる荒巻の巨大な拳。


(;'A`)「あ、あれはおれの筋肉操作!?」


(´<_`;)「みただけでパクりやがったのか!こいつ!」


 ガッガッ!
 拳の膨らみを止めるべく、 更に掌底を浴びせる弟者。

 だが、止まらない、それでも魔人は止まらない。

(´<_`;)(30秒経過......それにこの状況、ふざけるなただの一撃ですら4身がくだけそうだってのに
      あんな一撃くらったら、いくら化頸をつかっても…)

(´<_`;)「おい!!兄者まだか!!」

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 21:54:56.82 ID:kx7uuC4C0
ごめん、ちょっと疲れた。
休憩します。

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 22:01:31.64 ID:kx7uuC4C0
ながらです、のせいで遅くて誤字脱字多いです、すみません。


>>190
またお前かwww
マッチョな母者に惚れた。
光速で保存した。

>>216
なんというクオリティの高さ...
兄弟かっけー!荒巻もサクラっぽくてかっけー!ドクオがうんこ!
同じく光速で保存した。


レスや絵は、ほんと励みになります、ながらなので特に
すみません、じゃあちょいお風呂いってきます

261 名前: ◆TR2vneJwo2 :2009/05/22(金) 22:27:40.83 ID:kx7uuC4C0
よし、いきます。

271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 22:44:27.46 ID:kx7uuC4C0
   

/ V 3 「ウォオオオオオ!!!」

 荒巻の持つ修羅の因子と、ドクオの持つ異能の力が混ざりあい。
 更なる、進化を果たす。

 大きさもさることながら、特筆すべきは

 その威圧感。


(´<_`;)(ざけんなよ…・・・)
 

 感ぜられるのは、唯、死の予感のみ。


 悠久連綿と受け継がれてきた人の手により、創られてきた武の歴史。
 その度重なる歴史、修錬の果てをもってしても。到達できぬと言いきれる程。


 荒巻の左腕は―――強ッッ!!!


/ V 3 「……ウシュウウ...」


 であり、同時に凶ッッ!!!

278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 22:52:54.43 ID:kx7uuC4C0

(´<_`;)ゾクゥ

 幾多の死線を乗り越えた弟者の心に、
 嘗て体験したことのない異質な感覚が襲う。


/ V 3 ユラァ......

 ゆっくりとした動作で、弟者に標準を合わせる。
 最早、打ち合いや化頸といったレベルではない。


(´<_`;)(喰らえば死ぬ....抗えぬ死...)

 だが、避ける事も叶わないだろう。
 打ち合う為に間合いを無くしているのだから。

 残り10秒。
 スピーカーから流れる曲も終わりが近づく。
 

/ V 3 「………」

 どこか、竣功した藝術のような、煌美さすら漂わせている動作。
 その動作を持って、荒巻の左腕が、動いた。

281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 22:58:04.10 ID:kx7uuC4C0
   

(‐<_‐;)


 虚空を睨み、息を整える。
 目前に迫る死。

 それに対し、弟者は、逃げも避けもせず。


(゚<_゚ )「破ッッ!!!」


 臆せず、掌底を放った―――


 頸を纏っているとは言え、
 荒巻の左腕から繰り出される一撃と比べれば小虫のような反抗。
 勝っているのは、辛うじて速度のみ。


 弟者は死を前に、ヤケになったのであろうか、
 いや、違う

 弟者は信じたのだ、自分の兄を。

290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 23:08:18.08 ID:kx7uuC4C0
   

(゚<_゚ )「破ッッ!!!」


 荒巻の攻撃より、辛うじて弟者の掌底が届く。 
 届く...がダメージを与えながらも、荒巻を崩すには至らなかった一撃。

 しかし、今度は崩れる。


/ V 3 「ッッ1!?」


 ―――ドォンドン

           ・ ・
 掌底にあわせ、同時に荒巻の身体を射抜く、銃弾。


( ´_ゝ`)「待たせた」


(´<_` )「――――間に合ったか」
 

 先ほどまでいなかった、兄者が、そこいるからである。

295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 23:15:41.40 ID:kx7uuC4C0
   
( ´_ゝ`)「いやあ、タイミングがどうにも難しくてな、でも、もう見抜いたぜ

 弟者が相手の筋肉に頸を伝え、無効化し
 掌底を放つ刹那、同じ場所、まったく同じタイミングに放たれる二発の銃弾。


 筋肉無効化+掌底+2丁拳銃―――


(;‘_L’)(莫迦なッ!?死闘を行う両者の動きを完全に見極め、且つ動作を予告し
     弟者が攻撃を放つ箇所、タイミングにまったくあわせ銃弾を浴びせるだと!?)

(;‘_L’)(先の完全封鎖も凄かったが...此れは、その比ではないッッ!!)


 それを受け荒巻は体勢を崩し、拳が逸れる。
 渾身の力をこめた一撃、体勢を崩されると、それだけ隙が出来る。



( _ゝ ) これを機と見た二人。( <_ )

/ V 3 「ぬぅぅ」
 
 後退する荒巻を、猛然とつっかける。


 残り時間、5秒―――

300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 23:24:38.24 ID:kx7uuC4C0
   
(´<_`#)「オラァ!!」
 

 ふらつく荒巻の顔面に弟者の追撃。
 大気をつんざくような右掌底。

 勿論

 ――――ドォンドォン。


 兄者の追撃付きで。
 
 閃光のような掌底と銃弾が、倒れ往く荒巻にHIT。

 同時に、荒巻を上空に蹴り上げる弟者の渾身の頸を込めた檄蹴。
 跳ね上がってきた荒巻に対し――

(#´_ゝ`)「オラァアアア!!!!」(´<_`#)
 

/ V 3 「ギャァアアア!!!」


 ――完璧な、同時攻撃、二乗される。

 血飛沫が、散った。

308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 23:30:15.73 ID:kx7uuC4C0
    
 荒巻の巨体が、大きく後退した。
 弟者が矮躯が、静かに着地する。
 荒巻の右頬が、深く裂け、血が帯状に流れ出ている。


(´<_`#)(イケる――)


 様子を見、判断す。
 兄者と同時に同箇所で攻撃する事で、攻撃力は何倍にも成る。
 これならば、通用する。



 荒巻の動きが止まる。
 再び此方に走り寄ってくる。

 それを、足払い。
 ダメージが残っているからこそ、可能。
 荒巻が再度宙に浮く。
 
 その機見て弟者攻撃をすでもなく―――


(´<_`#)

 退く。
 余りに意外な行動。何故か

312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 23:36:54.20 ID:kx7uuC4C0
      

 知っていたから。
 この最高のタイミングで兄者が


(#´_ゝ`)「おらァッ!」


 閃光手榴弾を、投げる事を――


(;゚∀゚)(合図もせず、視線も合わせず、何故こんな行動が出来る...ッ!?)


(;゚∀゚)(こいつら、居場所は離れてはいるが

     いっしょに闘っていやがる―――ッ!!)



    ――――――シュッ――――――


/ V 3 「!」


 1本の手榴弾が戦闘の中心点に舞い込み、
 次の瞬間、轟音と共に炸裂する。視界を遮る爆光と耳を劈く、轟音。

321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 23:42:15.31 ID:kx7uuC4C0
    


/ V 3 「―――――?」



 視力が無くとも、聴力はある。
 余りに大きな音を人間耳にした時、どうしても一瞬身体が止まってしまうもの。


 この間0.2秒―――


 瞬きすら、できぬ間。
 だがしかし、その間があれば、十分だった。


 弟者には。


(´<_`#)(此処で決めるッッ!!)


(´<_`#)「ハァァ!!!!!」

329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/22(金) 23:50:24.22 ID:kx7uuC4C0
          

(´<_`#)「ハァァ!!!!!」



 しっかしと、地に足をつけ
 腹から呼吸をし、目を瞑る。


 フゥゥ―――……

 極限まで練られた頸、ゆっくりと背骨に沿って
 背中のイレズミ、龍に集う。


 二つの頭を持つ、龍。
 これは、兄者とこの戦法を作り上げた時に彫ったイレズミ。
 これから兄者とすべてを共にするという覚悟を示した刺青。

 おれたちは龍だ。2人で1人。2人で1匹の龍。
 だから強い、だれにも負けない


 示す、龍の力を―――

337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 00:00:36.63 ID:WtzAluLy0
      

(#´_ゝ`)「グガァアアアア!!!」


 虚空を睨み、魂の咆哮。
 
 両足を肩幅程に開いき、地を蹴るッッ!

 練られた龍の力を持つ頸。
 それが背にて左右二つに分れ、さらに進化する。


 右手に集うは、先に使っていた‘浸透頸’

 左手に集うは、弟者が極めし3つの頸の最期が1つ‘螺旋勁’
 すべてを統べる螺旋の力。


(#´_ゝ`)「力は滞り、勁は暢やかである
     力は遅く、勁は速い
     力は散じ、勁は集まる 
     力は浮き、勁は沈む
     力は鈍く、勁は鋭い、見よ龍の力――ッッ!!」


 地を踏み砕き、空間が震撼し沈黙する荒巻に放たれる
 ‘浸透頸’‘螺旋勁’異なる二種の力が、混ざり合う一撃――

339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 00:01:13.62 ID:WtzAluLy0
        







   ―――――― 双 龍 砲 ッ ッ ! ! ! 








            





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