('∀`)勇者��30174のようです　十話

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134 ：名も無きAAのようです：2012/09/18(火) 23:12:24 ID:E6OmmvpU0

自然と生きる水の都、オスカーテルミノは、多数の魔法使いを
輩出していることでも有名だ。

豊かな恵みを育む大地の中で、今日も魔法使い見習いたちが、
一人前の魔法使いを目指して勉強していた。

また住人たちは植物性の衣服を纏い、
湖の上に立てられた住居で暮らしている。
まさしく、自然と共に生きているのである。



l从･∀･ﾉ!ﾘ人　メラ！メラー！

l从･∀･；!ﾘ人　むむむむむむ…出ないのじゃ

（　´∀｀）　お腹の下辺りに力をこめるんだモナ

l从･∀･ﾉ!ﾘ人　むぅ〜〜〜〜〜〜！

（　´∀｀）　集中して

l从･∀･ﾉ!ﾘ人　メラ！

136 ：名も無きAAのようです：2012/09/18(火) 23:14:22 ID:E6OmmvpU0

（　´∀｀）　惜しい！もう少し！

l从･∀･ﾉ!ﾘ人　メラー！

（　´∀｀）　やった！成功だモナ！




('A`)　ふぅ〜、やっと着いたぜ〜

ζ(ﾟーﾟ*ζ　早くシャワー浴びたいな



（ ；´∀｀）　ゲェー！危ないモナー！


('A`)　あん？


　　　　　　ｺｫｫｫｫｫｫｫ
(；ﾟAﾟ)　　　　○三=-



(；ﾟAﾟ)　な、何が何だかわからんが…8レベルになった俺に死角はない！とう！

138 ：名も無きAAのようです：2012/09/18(火) 23:17:01 ID:E6OmmvpU0

　ﾄﾞｸｵは　攻撃をよけようとした！

　しかし石に蹴躓いた！

　ﾄﾞｸｵに　18のダメージ！



(ﾟAﾟ)（アカン）

ζ(ﾟーﾟ；ζ　勇者様ーーーー！！！



（ ；´∀｀）　まずい！ベホイミ！

*+.*;+*
+(ﾟAﾟ)*　あ…あ…


('A`)　……お？火傷が治った

（ ；´∀｀）　大丈夫モナ！？

ζ(ﾟーﾟ；ζ　勇者様傷は！？

(；'A`)　ああ、完治したみたいだ。凄いな。今のは魔法か？

139 ：名も無きAAのようです：2012/09/18(火) 23:21:50 ID:E6OmmvpU0

（　´∀｀）　魔法モナ。いやあ、ごめんモナ。うちの生徒がやらかしたモナ


l从･∀･ﾉ!ﾘ人　すまぬ。妹者の天賦の才が人を殺してしまう所だったのじゃ

ζ(ﾟーﾟ；ζ　あなたが放ったの？凄い！こんなに幼いのに魔法を使えるなんて…

l从･∀･#!ﾘ人　妹者はそろそろ12歳になるのじゃ！もうレディーなのじゃ！

ζ(ﾟーﾟ；ζ　そ、そう。ごめんね


('A`)　死ぬかと思ったぜ…

（　´∀｀）　お詫びといったら何だけど、うちに泊まっていかないかい？
　　　　　　見たところ、君は勇者だろう。もしも時間があればだけど…

('∀`)　仕方ねえ！それで手を打とう！

ζ(ﾟーﾟ*ζ　満面の笑みだね



l从･∀･ﾉ!ﾘ人　せんせー！今日の修行は？

（　´∀｀）　今日はもう終わりモナ
　　　　　　マジックマリモを食べて、明日の修行のためにMPを回復するんだモナ

l从･∀･ﾉ!ﾘ人　わかったのじゃ！

141 ：名も無きAAのようです：2012/09/18(火) 23:28:21 ID:E6OmmvpU0

男はモナーと名乗った。


（　´∀｀）　あの子は妹者。お兄さんが二人とも勇者で、パーティメンバーになるために
　　　　　　オスカーテルミノに修行に来ているんだモナ

ζ(ﾟーﾟ*ζ　家族でパーティを組めるっていいわねえ

('A`)　俺は一人っ子だし、ﾄｰﾁｬﾝは農業で忙しいし、ｶｰﾁｬﾝは戦闘なんて出来るわけない…

ζ(ﾟーﾟ*ζ　私は……うん、家族っていいね！魔法って、修行すれば誰でも使えるの？


（　´∀｀）　そうでもないモナ。使えるのは素質がある人だけモナ
　　　　　　　大体、五人に一人が魔法の素質を持ってるモナ
　　　　　　　さらにその中で百人に一人が魔法使いになれて、
　　　　　　　さらにその中の一万人に一人が天才と呼ばれるモナ


ζ(ﾟーﾟ*ζ　私に魔法の素質ってありまふか？

（　´∀｀）


（　´∀｀）　今日はマジックマリモの唐揚げモナ〜楽しみモナ〜

ζ(ﾟーﾟ；ζ（はぐらかされた！）

142 ：名も無きAAのようです：2012/09/18(火) 23:32:20 ID:E6OmmvpU0

モナーの家も湖の上に建てられていた。

丸い緑色の屋根が特徴的で、これはこの地方にしかいないマジックマリモという
植物を象って建てられているらしい。


（　´∀｀）　どうぞどうぞ

('A`)　こんちゃーす

ζ(ﾟーﾟ*ζ　お邪魔します


ζ(ﾟーﾟ*ζ　わぁー内装が可愛い！

(；'A`)　そうか？そこら中に文字みたいなのがあって、若干不気味なんだが…

（　´∀｀）　壁に書かれている紋様は全て魔法の呪文モナ
　　　　　　厄除けみたいなものモナ。ていうか人んちを不気味って君…


ζ(ﾟーﾟ*ζ　この花とか、可愛いよ

('A`)　色は毒々しいな…

（　´∀｀）　それは…花瓶はモナのだけど、花はもらい物モナ

144 ：名も無きAAのようです：2012/09/18(火) 23:41:03 ID:E6OmmvpU0

ζ(ﾟーﾟ*ζ　もしかして、女性からのプレゼント？

（　´∀｀）　さあ……時々、誰かが家の前に置いていってくれるんだモナ

ζ(ﾟーﾟ*ζ　素敵！愛され系魔法使いだね

（　´∀｀）　どうなんだろうね。ただ、その花の花言葉は、「孤高」
　　　　　　本来はプレゼントにするような花ではないモナ

('A`)　やっぱり。色が毒々しいからな

ζ(ﾟ−ﾟ*ζ　可愛いと思うんだけどなあ。綺麗だし


（　´∀｀）　モナも、綺麗だと思うモナ



シャワーを浴びて、服を着替えると、さっぱりした気分になった。

その後、二人はモナーに、オスカーテルミノを案内してもらうことになった。

ζ(ﾟーﾟ*ζ　その花も、持っていくんですか？

（　´∀｀）　うん。本当は、この花の送り主も、モナにあげたいんじゃないと思うんだモナ

ζ(ﾟーﾟ*ζ　……？そうなんですか…

145 ：名も無きAAのようです：2012/09/18(火) 23:45:57 ID:E6OmmvpU0

オスカーテルミノは何処に行っても花が咲いている、美しい町だった。

道を歩けば、人になれている野生動物が、ちらちらと木陰から姿を現す。



（　´∀｀）　ここには宿屋も武器屋も勇者ギルドも無いモナ
　　　　　　だから案内できる場所は少ないモナ

('A`)　マジか。モナーさんがいてくれて助かったよ

（　´∀｀）　でもみんな旅人には優しいモナ。きっと何処にでも泊まれたモナ

ζ(ﾟーﾟ*ζ　素敵な町。優しい人ばかりなのね

（　´∀｀）　いや………それは、相手によるかな
　　　　　　そうそう、あれは図書館モナ


モナーの指さした先に、樹齢何千年もありそうな巨木の上に建てられた、
木製の城のような建物が見えた。


（　´∀｀）　この辺りの詳しい地図もあるし、歴史書もあるモナ
　　　　　　勇者渋澤の直筆サイン入り色紙も飾ってあるモナ！

ζ(ﾟーﾟ*ζ　それは別に…

（ ；´∀｀）　渋澤の直筆サイン入り色紙モナ！？勇者パーティなら必見だモナ！

146 ：名も無きAAのようです：2012/09/18(火) 23:49:56 ID:E6OmmvpU0

（　´∀｀）　それはそうと、向こうが役所みたいな建物。それであそこが、魔法使いの学校モナ
　　　　　　世界中の魔法使い見習いがいるモナ

ζ(ﾟ、ﾟ*ζ　私も魔法が使いたいな…

（　´∀｀）　うーん、一朝一夕で習得できるものではないけど…
　　　　　　使うだけなら、いいものがあるモナ。あとであげるモナ

ζ(ﾟーﾟ*ζ　わぁい！ありがとう！



('A`)　あれは何のオブジェ？

（　´∀｀）　慰霊碑モナ

('A`)　へー、誰の？

（　´∀｀）　伝説の魔法使い、レモナだモナ
　　　　　　数々の魔法を生み出した魔法科学者でもあり、使い手としても一流だった魔法使い


（　´∀｀）　んでモナのお母さん

('A`)　へー


(ﾟAﾟ)　ーーーえぇぇぇ！？マジで！？

148 ：名も無きAAのようです：2012/09/18(火) 23:55:33 ID:E6OmmvpU0

ζ(ﾟーﾟ*ζ　凄い！ということはモナーさんも一流の魔法使い！

（　´∀｀）　…って思うやろぉ〜？

('A`)　何だ、違うのか。ﾁｯ

ζ(ﾟ、ﾟ*ζ　ﾁｯ

（ ；´∀｀）　露骨過ぎモナ！じょ、上級魔法は使えないけど、補助系なら定評あるんよ！一応！


モナーは慰霊碑に近寄ると、手に持っていたあの毒々しい花を、
慰霊碑の前にそっと置いた。


('A`)　………？いいの、その花をそえちゃって。もらい物っしょ

（　´∀｀）　昔…といっても、そんなに昔ではないけど
　　　　　　この町を魔族が襲ったモナ

(；'A`)　うわっ、大丈夫だったのか？

（　´∀｀）　町を救ったのは、天才と呼ばれた二人の魔法使い
　　　　　　一人は慰霊碑を建てられ、皆にあがめられている
　　　　　　もう一人は町を追われ、二度と戻ってはこなかった

ζ(ﾟ、ﾟ*ζ　えー、町を救ったのに…

149 ：名も無きAAのようです：2012/09/19(水) 00:02:04 ID:iIFLWPAc0

('A`)　どうして追い出したりしたんだよ

（　´∀｀）　その魔法使いが「異端」だったんだモナ
　　　　　　彼女は…魔族だった

(；'A`)　はい？

（　´∀｀）　正確には、魔族と人間のハーフだったんだモナ


（　´∀｀）　ゼロ歳から魔法が使えたとされ、母さんと並ぶ唯一の魔法使いとされていたけれど、
　　　　　　彼女は何故か歳を取るのがもの凄く遅かった
　　　　　　出生も謎。片親だったけど、母親は若い内に亡くなっていたらしいモナ


（　´∀｀）　魔族襲撃のさい、彼女に魔族の血が流れていることがばれちゃったらしいモナ
　　　　　　彼女は町を救った英雄にも関わらず、魔族として忌み嫌われた
　　　　　　以来、彼女はもうこの町には戻ってはこなかった


（　´∀｀）　モナは小さい頃、その人に会ったことがあるモナ
　　　　　　優しい人だったと思う。もう何十年も彼女には会ってないけど…
　　　　　　時々、花が届くんだモナ。モナはそれで十分だモナ


('A`)　………台詞が長い

（ ；´∀｀）　最初の感想がそれ！？

150 ：名も無きAAのようです：2012/09/19(水) 00:07:31 ID:iIFLWPAc0

ζ(ﾟ−ﾟ*ζ　何か悲しい…

（　´∀｀）　仕方ないモナ。人はそれぞれ、何かを抱えて生きているもんだモナ


（　´∀｀）　さあ、そろそろ家に帰るモナ。美味しいご飯を用意するモナ

('∀`)　おりゃあ美味いもんさえ食えればそれでいいぜ

（ ；´∀｀）　君に関しては何も抱えてなさそうね…


三人は赤みを帯び始めた太陽に背を向け、帰路につく。

一度だけ、モナーが慰霊碑を振り返った。
すぐに顔を戻し、また歩き始めた。




（　´∀｀）　ていうか何でヘルメット被ってん

(；ﾟAﾟ)　突っ込むのおせぇー！

ζ(ﾟーﾟ；ζ　これが私たちの最高の装備なんです

（ ；´∀｀）　……うちの倉庫にあるもので、使えそうなものがあればあげるモナ

151 ：名も無きAAのようです：2012/09/19(水) 00:17:18 ID:iIFLWPAc0

その日の夕食で食べたマジックマリモの唐揚げは、
廃鉱のキノコの数倍美味しかった。

元々MPは0なので回復はしないが、心なしか体に力がみなぎった。


(-A-)ﾝｺﾞｰ

ζ(-、-*ζ zz


疲れた体をベッドで癒し、明日からの冒険にそなえる。

この日二人は、夢すら見られないほどの、深い眠りへとついた。


所持金　40G

　('A`)　レベル8　勇者
　HP60／60
　MP0

　ζ(ﾟーﾟ*ζ　レベル9　踊り子
　HP47／47
　MP0

続く

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