('∀`)勇者30174のようです 十八話
398 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 23:40:38 ID:jNe14aXM0

所持金 810G

 ('A`) レベル16 勇者
 HP110/110
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル18 踊り子
 HP85/85
 MP0



ξ゚ー゚)ξ ありがとう!これで妖精の国は救われました!

(^A^* ) ホンマありがとな!酷いこと言ってすまんかった。許してえな


妖精の世界から雪が消えた。

訪れた春の息吹を待ち焦がれていたかのように、
そこかしこで花が咲き乱れ、桜の花びらが舞っていた。


ξ゚听)ξ あの強敵を一体どのようにして倒したのですか?

(;'∀`) いやーそれはね?まああの、紙一重の攻防があった訳でして…

399 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 23:43:37 ID:jNe14aXM0

( ∵) うんち

( ∴) おしっこ

(;'A`) おおぃ!?


ξ゚听)ξ こら。私たちを救ってくれた勇者の前で、汚いこと言うんじゃありません

( ∵) ごめんちょ

( ∴) 許してちょ


(゚A゚* ) せや、約束のもん、もう作ってるで

ζ(゚ー゚*ζ 本当!?

 ドクオたちは 妖精の剣 妖精のナイフ を手に入れた!


('∀`) やったぜー!新装備キタコレ!

(゚A゚* ) オリハルコンがあれば、もっといいの作ってやったんやけどな
     まー、もしも現世で手に入ったら、わいんとこに持ってき

ζ(゚ー゚*ζ うん!本当にありがとう

401 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 23:47:04 ID:jNe14aXM0

(゚A゚* ) 約束を守っただけや!わいは人間と馴れ合いとうない

ζ(゚−゚*ζ そう…

(゚A゚* ) まあでも…ここに来るときは、またわいの家に泊まり
    剣だけやなくて料理も自信あるんやで

ζ(^ー^*ζ わぁーんちょっと尖ってるのーちゃんも可愛いよぉー!

(゚A゚; ) ぶおっ!あぶっ、溺れる…っ!



ξ゚听)ξ 私の方からも、渡したいものがあります

 ドクオたちは 春風のマラカス(貴重品) を手に入れた!


ξ゚听)ξ これを振れば、いつでも私たちの国に来られます

('A`) フルートとかじゃないのか…

ξ゚听)ξ マラカスの方が陽気で楽しいでしょ?

402 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 23:50:04 ID:jNe14aXM0

ξ゚听)ξ さあ、元の場所に帰られるよう、案内しなさい

( ∵) 任されよ


( ∴) ドクオ

('A`) 何だ?

( ∴) 楽しかった。人間もいいね

( ∵) また遊ぼうね

(;'A`) 遊んでいた訳ではないんだが…


('∀`) まあいいや。またおまえらと冒険すんのも楽しそうだな

( ∵) またFカップの姉ちゃんを連れてこいよ

( ∴) むしろドクオ抜きでもいいよ

(;'A`) 可愛くない!


彼らのやりとりを、微笑ましい表情で妖精の女王は眺めていた。

403 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 23:54:38 ID:jNe14aXM0



ドクオたちが妖精の国にお別れを告げた頃――――



地の底、奥の奥の奥の奥、地獄よりも深い場所で、
また一つの運命が動き出そうとしていた。


魔界―――――


魔王城の地下、牢獄に繋がれた男の前に、
一人の魔族がやってくる。


【+  】ゞ゚) 三月くん。魔王様が出ていいってさ



(メ._凵j


【+  】ゞ゚) 今から鎖を外すけど、妙なことはしないでね

閉ざされた鉄格子が開かれ、男に繋がれていた鎖が床に落ちた。

404 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 23:59:09 ID:jNe14aXM0

(メ._凵j いまさら私に何の用だ

【+  】ゞ゚) さあ。それをこれから聞きにいくのさ

(メ._凵j 私はここで朽ちていく定めのはず

【+  】ゞ゚) まあ、そう固くなさらずに


鎖で繋がれていた男もまた、魔族であった。

氷の女王、ギコアイスを遙かに凌ぐ魔力を持つ二人の男が、
魔王城の最上階へ向かっていく。



魔王の間に到着すると、布で覆われた玉座の前に、別の魔族が二人いた。


('・ι_,・`) 遅いよぉーオサムちゃん。私も魔王様も待ちくたびれちゃってるよ

【+  】ゞ゚) すみません。何せ牢獄が最下層にあるものですから

( `ー´) 新入りのくせに言い訳すんじゃねえ


【+  】ゞ^) これは失敬。ネーノ殿、どうかお許しを

( `ー´) ………チッ

405 :名も無きAAのようです:2012/09/24(月) 00:02:11 ID:K5D2NybI0


 「三月」



(メ._凵j ………


玉座から声が届く。


 「長い懲役、ご苦労だった。もう自由にしていいんだ」


(メ._凵j 私の懲役は五万年ほどあったはずだが

('・ι_,・`) 君ぃ、魔王様に対してため口って…これだからゆとり世代は


 「構わん。ドヤよ、少し黙れ」


('・ι_,・`) はーい


 「率直に言おう。お前の力を借りたい」

(メ._凵j 断る

406 :名も無きAAのようです:2012/09/24(月) 00:06:54 ID:K5D2NybI0

 「どうしてもか?」

(メ._凵j 私は伏して死を待つだけの存在だ

 「こんなに頼んでるのにか?」

(メ._凵j 言うほど頼んでないだろう


( `ー´) うるせーな!「大罪」を犯したお前が今の今まで生きていられるのは
      魔王様の恩赦があったからなんだぞ!

(メ._凵j 殺したいなら殺せ。私は一向に構わん


 「こら。喧嘩はやめろ。笑顔が溢れる職場だと宣伝しているんだぞ」

( ;`ー´)(…………どこに募集かけてんだよ)



(メ._凵j 私は牢獄に戻る。じゃあな

 「最近、面白い話を聞いた。お前もきっと興味が沸くだろう」


帰ろうとする魔族を、魔王の声が引き留める。

408 :名も無きAAのようです:2012/09/24(月) 00:10:58 ID:K5D2NybI0

 「地上世界で、絶大な魔力を有した魔法使いがいるらしい」


(メ._凵j だから?


 「噂によると、その者は魔族と人間が交配して生まれた者らしい」




(メ._凵j ――――――――――………




 「興味が沸いたか?」

(メ._凵j ……下らん。私に関係ない


三月と呼ばれた魔族は、赤く充血した片目を隠しながら、魔王の間をあとにした。


【+  】ゞ゚) 追いましょうか?

 「いらん」

409 :名も無きAAのようです:2012/09/24(月) 00:14:29 ID:K5D2NybI0

( `ー´) 魔王様、あんな奴の力なんて借りなくても…

('・ι_,・`) そうですよ!私たちがいれば、どんな勇者パーティだろうが
      相手じゃありません。全員始末して差し上げます


('・ι_,・`) ……あの「渋澤」のように


 「では聞くが、三月ウサギと闘って、勝てる自信があるか?」


('・ι_,・`) ………………

( `ー´) ………………


 「用心にこしたことはない。お前たちは、お前たちの仕事をしろ」


('・ι_,・`) ……はーい

( `ー´) …了解っす


二人は不満そうな表情を隠さないまま、部屋を出て行く。

410 :名も無きAAのようです:2012/09/24(月) 00:18:03 ID:K5D2NybI0

【+  】ゞ゚) 魔王様。それでは、僕も仕事に戻ります

 「棺桶死オサムよ」

【+  】ゞ゚) 何でしょう

 「お前、何か隠しておるな?」

【+  】ゞ゚) さあ…何のことだか


【+  】ゞ^) 隠し事が多すぎて、わかりかねます


 「……ふふふ。面白い奴だ。下がれ」



オサムは魔王の間を出るまで、にやつきそうになる顔を手で隠していた。

【+  】ゞ゚)(あの楽しそうな勇者パーティのことは、当分秘密にしておきますか…)


にわかに動きを見せる魔王軍のことを知る者は、

今は誰もいなかった。

411 :名も無きAAのようです:2012/09/24(月) 00:19:59 ID:K5D2NybI0



('A`) よし!じゃあ妖精の森を出たら、さらに東へ進むぞ

ζ(゚ー゚*ζ ところで勇者様。まずどうやってこの森を出るの?

('A`)



(>;'A`)>




所持金 810G

 ('A`) レベル16 勇者
 HP110/110
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル18 踊り子
 HP85/85
 MP0


続く


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