('∀`)勇者30174のようです 二十八話
- 775 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:01:07 ID:8nwVc5eo0
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【前回までのあらすじ】
アイリス 旅立ち
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イギス 西の塔 攻略
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オスドニア大陸上陸
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ウラヌス王国 王様のイベントから逃亡
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エミジア廃鉱にて メタルスライムでレベルアップ
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オスカーテルミノ 魔法使いと出会う
↓
カールモンキー ギャンブルで大敗
占い師 貞子から助言をもらい東へ
↓
荒巻コピーと出会いギャリバン地方に到達
↓
妖精の森から妖精の国へ 氷の女王を撃破
↓
魔法少女渡辺さんと、ベビーパンサーに出会う
↓
キーリカ砂漠で遭難しかけるもクラウンへ到着
サンドワームを(母者が)撃破
↓
ケブ地方のコリカコルルカへ到着 勇者ギルド本部
サンドラ城のブラッディマリー撃破
↓
ジェルミア王国へ
一言:装備を調えたいところ
- 777 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:05:42 ID:8nwVc5eo0
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所持金 1854G
('A`) レベル27 勇者
HP112/180
MP0
ζ(゚ー゚*ζ レベル28 踊り子
HP123/141
MP0
大くちばし「ひぃ、助けてくれえ!妻と娘が俺の帰りを待ってるんだぁ!」
('A`) もう人間襲わないなら見逃してやんよ
大くちばし「本当か!ありがとう!」
大くちばしは何度も頭を下げながら、二本足をぴょこぴょこと跳ねさせて
帰っていった。
ζ(゚ー゚*ζ 最近、よく見逃してあげるね
('A`) 経験値自体は入るからな…あと命乞いされるとトドメ刺しづらいし
ζ(^ー^*ζ 勇者様やさしぃー
- 778 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:08:31 ID:8nwVc5eo0
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('A`) お…見えてきたぞ
ζ(゚ー゚*ζ あれが…ジェルミア王国だね!
山間部の小国であるが、資源が豊富で潤沢な資金力を持つジェルミア王国は、
周りを高い城壁で囲っている国である。
流石にウラヌス王国より広い訳ではないものの、
そこそこ都会といえた。
門番に勇者バッヂを見せて通してもらう。
('A`) おお、祭りでもやってんのかな
ζ(゚ー゚*ζ 向こうに人だかりがあるよ
('A`) 行ってみるか(また変な勇者がいるんじゃないだろうな…)
噴水のある広場に、大勢の人間が集まっているのが見える。
- 780 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:12:54 ID:8nwVc5eo0
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中心の台座に立って、演説を行っている青年がいた。
彼の話を聞くために皆が集まっているようだ。
(’e’) 皆さん、今ジェルミア王国は危機に瀕していると言えます!
('A`) あれは誰だろう…
町人「む、君は旅人かね」
('A`) 一応勇者っす
町人「そうかそうか。あの人はわがジェルミア王国の王子様、セントジョーンズ様じゃ」
ζ(゚ー゚*ζ へー!そう言われてみると、何だか凛々しい気がする
(’e’) 潤沢な資源のうえにあぐらをかいているだけではいけません!
我々は将来、子供たちがすこやかな生活を送れるよう、
様々な面で努力していかなければならないのです!
町人「昔はやんちゃ坊主だったんだが、しっかりと政治を考えてくれるようになってなあ。
これでジェルミア王国の将来も安泰じゃ」
- 781 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:17:30 ID:8nwVc5eo0
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(’e’) 大事なのは意識するということ!
全ては有限です。私たちの命のように。その限られたものを使い、
最大限の結果を出していく。それが、私たちの使命なのでしょう!
(’e’) ジェルミア王国は今変わらなければならない!
昨日までの自分を捨て、新しい一歩を踏み出しましょう!
ワー!!! パチパチパチパチパチパチパチ
(’e’) それでは、具体的な政策について述べていきたいと思います
まず、他所からの輸入品についてなのですが…
('A`) 賢そうな奴だな
ζ(゚ー゚*ζ やっぱり王家の一族って、品があるのねえ
町人「むふふ、そうじゃろそうじゃろ」
「ケッ、何だよきれい事ばかり言いやがってよお」
('A`) ?
- 782 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:20:00 ID:8nwVc5eo0
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近くからボソボソと聞こえた声に顔を向ける。
フードを目深に被った男が、演説に対していちいち愚痴を言っているようだ。
「も、もう我慢できんぞ…!」
その男は、演説が盛り上がれば盛り上がるほど、
拳を硬くして怒りに震えていた。
男がフードを取り、大声を上げる。
(;'A`) えっ……!?
(#’e’) おいテメー!さっきから言いたい放題言いやがって!
政治ってのはそんな簡単なもんじゃねえんだぞ!
ζ(゚ー゚;ζ え…同じ顔…双子!?
- 783 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:22:25 ID:8nwVc5eo0
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王子と全く同じ顔をした男が、壇上へずかずかと上がっていった。
(#’e’) (’e’ )
見比べると、本当にうり二つである。
(’e’) 私は必ず実現してみせる!偽王子は黙っててもらおうか!
「そうだぞ偽物野郎!」
「引っ込んでろ!」
「帰れー!」
(;’e’) いてっ!何だテメーら!邪魔すんじゃねえ!
「お前が邪魔すんな!」
(;’e’) 何なんだよ!おかしいだろこんなの!
- 784 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:26:07 ID:8nwVc5eo0
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(;'A`) 何だ…?
ζ(゚ー゚;ζ 偽王子…って言ってたね
(;’e’) お前ら…ちょっと一ヶ月前まで俺にへーこらへーこらしてたのに!
こいつが来たら急に態度変えやがって!
(’e’) こいつ呼ばわりはあまりいい気がしないね
(;’e’) じゃあクソ偽物野郎って呼んでやるよ!
今まで俺ずっとこのキャラだったろ!どうしてどっちが偽物かわからないんだよ!
「うるせえ偽物野郎!」
「いいからさっさと帰れー!」
(;’e’) 何だ、洗脳か!?洗脳されたのか!?いてぇ!
おい誰ださっきから石投げてんのは!顔覚えて処刑してやる!
- 786 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:29:55 ID:8nwVc5eo0
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「やれるもんならやってみろー!」
(;’e’) いでえ!クソがー!
偽王子と呼ばれた男は、悔しそうな顔をしながら壇上から去っていった。
(;'A`) あれは…偽物、なのか?
町人「ん……んー…どうだろう」
町人「まあ、今のセントジョーンズ様の方が王子らしいし」
町人「もう本物かどうかってあんまり気にしないわよねー」
(;'A`)(よほど嫌われてたんだな…)
演説はその後、大いに盛り上がりを見せ、
王子は盛大な拍手に見送られながら、さっそうと城の方へ戻っていった。
ドクオたちはその後、宿屋の方へ向かった。
- 787 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:32:06 ID:8nwVc5eo0
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宿屋「12Gだよ」
('A`) はいよ
「うぅぅぅぅぅぅぅぅ…」
(;'A`) あ…
ζ(゚ー゚;ζ 偽王子…
(;e;) 何でみんなわかってくれないんだ…
どう考えてもあっちが偽もんだろうがよぉ…
カウンター横のソファーで、頭を抱えている男の姿があった。
(;e;) 俺が何したっていうんだよ…完全無欠のイケメン王子の俺がよぉ…
……ん?
(;'A`) あ
ζ(゚ー゚;ζ あ
- 788 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:34:15 ID:8nwVc5eo0
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目があった。
(;e;) ……勇者バッヂ…勇者か!
(;'A`) 一応…
(*’e’) いいところに来てくれたなーおい!
(;'A`) はぁ…
(*’e’) 勇者なら困ってる人は助けてくれるよな!?な!?
ζ(゚ー゚;ζ 私たち、さっき来たばかりで何の事情も知らないんだけど…
(’e’) はっ!
ζ(゚ー゚*ζ ?
(’e’)+ 美しい…お嬢さん、名前は?
ζ(゚ー゚;ζ え…あの、デレですけど…
- 789 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:37:12 ID:8nwVc5eo0
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(’e’) デレさん!
ζ(゚、゚;ζ キャァ!
男はデレの腕を取り、自分の胸に抱き寄せた。
(’e’)+ 運命というものを今実感しました…
さあ、私とベッドの上で新しい政策について議論しましょう!
ζ(゚、゚;ζ ちょ、ちょっと離して…!
(#'A`) ハイパードクオパンチ!
(;゚e゚) ぶごぉ!
('A`) さあ、飯でも食いに行こう
ζ(゚ー゚;ζ そ、そうね
(;’e’) 待ってよー!悪かったよ!冷静に話し合おう!
- 790 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:44:02 ID:8nwVc5eo0
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あまりにもしつこく泣きついてくるため、食事しながら話を聞くことに。
(’e’) 奴は一ヶ月前、突然現れたんだ
最初はみんな警戒してたんだけど、俺の親父…つまり国王だ
あいつのことを気にいっちまってよぉ
(#’e’) おかげで俺の方が偽物呼ばわりだ…許せん!
何としてもあいつの正体を暴いて、城に戻って酒池肉林の生活に戻るんだ!
(;'A`) 悪いが…全く協力する気になれん
ζ(゚ー゚;ζ いっそ偽王子として暮らしたら?国民もそれを望んでそうな…
(;’e’) つれないこと言うなよー!頼むよぉー!
いまさら一般庶民の暮らしなんてできねえよぉー!
(’e’) よし、だったら親父の所に一緒に行こう!
俺だけだと取り合ってもらえないが、勇者が一緒ならきっと大丈夫だ!
(;'A`) えぇーお前と一緒に行動してたら、俺まで石投げられそうじゃん
(;’e’) 偽王子の汚名を晴らしてくれれば、絶対お礼するから!な!
- 791 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:48:30 ID:8nwVc5eo0
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('A`) 行きましょう王子
ζ(゚−゚*ζ わたくしたちにお任せ下さい
(’e’) まさかお前らも偽勇者じゃねえだろうな…
ジェルミア王国の城は、割と最近建てられた城で、
外装、内装ともにまだ新築の雰囲気がした。
カーペットや置物に惜しみなく金を使っている辺り、国王の性格が伺える。
(’e’) 親父!今日も来たぜ
国王「またきおったか偽王子め!」
(;’e’) 偽物じゃねえよ!偽物なのはそこにいるそいつだ!
(’e’) お父様、とりあえず話だけでも聞きませんか?
国王「不本意じゃが、お前がそう言うなら…」
(;’e’) おいおいおい、露骨に態度違うなチクショウ!
- 794 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:52:16 ID:8nwVc5eo0
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国王「で、何じゃ話ってのは」
(’e’) 俺が偽物かどうか、この方たちが証明してくれるんだ!
('A`) こんちゃーす、勇者のドクオっす
ζ(゚ー゚*ζ 踊り子のデレっす
国王「ほう、勇者パーティの方々か!よくぞおいでになった」
(’e’) やいやい偽王子め!年貢の納め時だぜ!
こっちには勇者様がいるんだ!俺の方が本物なのは確定的に明らか!
('A`) 国王も、本当はわかってるんじゃないのか?
国王「む…そんなことはない。本物はこっちのキリッっとした王子じゃ!」
(’e’)+キリッ
国王「そっちのダラァ〜っとした王子じゃない!」
ii(’e’)iiダラァ〜
- 795 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:55:03 ID:8nwVc5eo0
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(;’e’) 親父ぃぃぃ!今までずっと俺と一緒にいたのに、わからねえはずねえだろ!
国王「勇者殿…」
('A`) ん?
国王「こっちのキリッっとした方が、王子でいいよな?」
(;'A`) いや、でも…
国王「礼は弾むぞ……」
('A`) 王子!こやつは怪しい者ですぞ!今すぐ追い出します!
(’e’) そうしてくれると、助かるねえ
(;’e’) おいいいいいいいいいい!?テメー裏切りやがったなあああああああ!
国王「引っ捕らえろ!」
(;’e’) ま、待て!じゃあこうしよう!
- 796 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 15:58:18 ID:8nwVc5eo0
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国王「まだ言い逃れをしようと言うのか!」
(;’e’) あ、明日!明日みんなの前で、どちらが偽物か確かめようじゃないか!
国王「ほう…その方法は」
(;’e’) そ、それは…
(’e’) どちらが王子に相応しいか、競技形式で競い合うというのは?
国王「ふむ、なるほどな」
(;’e’) い、いいぜぇー!?じゃあそれでやってやろうじゃんか!
('A`) お前勝てる要素あんのか?
(;’e’) うるっせー!テメーも絶対来いよ!全員に赤っ恥かかしてやっからよぉ!
(暫定偽)王子は鼻を鳴らしながら、息巻いて城から出て行った。
- 797 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 16:00:47 ID:8nwVc5eo0
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(’e’) やれやれ、赤っ恥をかくのはどっちのことだか
('A`) ――――…!
(;'A`)(こいつ……)
国王「勇者殿、礼金じゃ…」
ドクオは 1000G手に入れた!
('∀`) 有り難き幸せ!
ζ(゚ー゚;ζ いいのかなあ
ドクオたちは城から出て、宿屋へ戻った。
ζ(゚ー゚*ζ うーん…大丈夫かな…(アホ)王子…
('A`) …………
- 798 :名も無きAAのようです:2012/09/29(土) 16:02:50 ID:8nwVc5eo0
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('A`)=3 はぁ…仕方ねえ。ちょっと手伝ってやるか
ζ(゚ー゚*ζ 勇者様…!
('A`) それに…もしかしたら、あのキリッとした方の王子…
('A`) モンスターかもしれない
ζ(゚ー゚;ζ ………え?
所持金 2842G
('A`) レベル27 勇者
HP112/180
MP0
ζ(゚ー゚*ζ レベル28 踊り子
HP123/141
MP0
続く
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