('∀`)勇者30174のようです 三十五話
- 2 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:12:34 ID:eiS7lRGM0
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【前回までのあらすじ】
アイリス 旅立ち
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イギス 西の塔 攻略
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オスドニア大陸上陸
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ウラヌス王国 王様のイベントから逃亡
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エミジア廃鉱にて メタルスライムでレベルアップ
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オスカーテルミノ 魔法使いと出会う
↓
カールモンキー ギャンブルで大敗
占い師 貞子から助言をもらい東へ
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荒巻コピーと出会いギャリバン地方に到達
↓
妖精の森から妖精の国へ 氷の女王を撃破
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魔法少女渡辺さんと、ベビーパンサーに出会う
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キーリカ砂漠で遭難しかけるもクラウンへ到着
サンドワームを(母者が)撃破
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- 4 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:17:18 ID:eiS7lRGM0
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ケブ地方のコリカコルルカへ到着 勇者ギルド本部
サンドラ城のブラッディマリー撃破
↓
ジェルミア王国でアホ王子と出会う
ジェリーマンが大臣になりモンスターと共存する国へ
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荒巻コピー三体目に北へ行くと言われるがシカト
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カンダタたちに連れ去られる 魔族のドヤと謎の魔法使いに遭遇
悟りの書を入手する
↓
海賊の国スジャータ王国でハインと幽霊船退治 ( ゚д゚ )
↓
新大陸へ!……行けるかな?
一言:ちなみにハインさんは17歳でデレより年下
- 5 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:21:00 ID:eiS7lRGM0
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所持金 1301G
('A`) レベル29 勇者
HP192/192
MP0
ζ(゚ー゚*ζ レベル30 踊り子
HP150/150
MP0
オスドニア大陸を一直線で縦断し、新大陸へ向かうため、
一行はスジャータ王国から船で出発した。
从*゚∀从 幽霊以外なら何でもこいや!
まさしく大船に乗った気持ちでいろーい!
('A`) 大丈夫だな?信用するぞ?
海賊「俺たちは海のプロフェッショナルだぜ!任しときな!」
ζ(゚ー゚*ζ わぁー、風が気持ちいい
从 ゚∀从 この航海は、海賊になってから初の記念すべき船旅だ!
まるで海が俺を祝ってくれてるように感じるぜー!
- 6 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:23:12 ID:eiS7lRGM0
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そして、十時間後。
('A`) ζ(゚−゚*ζ
从;゚∀从 うおおおおおマストが折れた!?
海賊「キャプテン!浸水してきました!」
海賊「駄目だ!嵐が酷すぎて前が見えない!」
海賊「舵が利かない!うおおおお!」
从 ;∀从 わぁー、もう死ぬしかないんだわ!
あたしに海賊なんてやっぱり無理だったんだわー!
海賊「キャプテンお気を確かに!」
海賊「それでも俺たちはキャプテンについていきます!」
- 8 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:28:46 ID:eiS7lRGM0
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ドクオたちは集団自決しようとする海賊たちを必死になだめながら、
壊れゆく船の中でひたすら祈った。
祈りが通じたのか、翌日の朝になると海は穏やかになっていた。
海賊「キャプテン!小さな島が見えます!」
从;゚∀从 助かった!島まで全速力だ!
そして幸運にも、壊れかけの船は島までたどり着くことができた。
町は無いが、港や屋敷が見える。
どうやらここは誰かの私有地らしい。
从 ゚∀从 おい、島の持ち主に話をつけてきたぜ
船が直るまで港を使っていいそうだ
(;'A`) ふぅー。新大陸に着くどころか天国に逝きそうだったぜ
从 ゚∀从 船を直すまで時間がかかる。今島で面白そうな大会やってるから、
勇者たちは参加してきたらどうだ?
- 9 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:32:34 ID:eiS7lRGM0
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ζ(゚ー゚*ζ 大会?
('A`) 大会って……サッカーとか?
从;゚∀从 ちげーよ!
从 ゚∀从 武闘大会だ!
何でも、豪華な賞品が出るらしいぜ。港にたくさん船があったのは、
この大会があったからだろうな
ζ(゚ー゚*ζ へー、私はそういうの苦手だけど、勇者様は…
('A`) お前…ボッコボコにされる俺が見たいか?
ζ(゚ー゚;ζ 見たくない…
参加するかどうかは別にして、武闘大会が行われている
ホールの方へ向かった。
小さな島ではあるが、リゾート施設もあり、客のキャパシティ自体は大きいようだ。
ホールの中は武闘大会の参加者と客でごった返していた。
- 10 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:35:27 ID:eiS7lRGM0
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ザワザワ
('A`) うわ、意外に人が多いな
ζ(゚ー゚*ζ こんな場所で武闘大会やってるなんて、知らなかったよ
('A`) えーっと、あそこのボードに商品が書いてあるな…
一位の商品は…
(;゚A゚) オリハルコンの剣!?
ζ(゚ー゚;ζ それって、凄いの?
(;゚A゚) 全部純金で作った剣の十倍以上の価値があるぞ!
ζ(゚、゚;ζ ええ!?
(;゚A゚) ζ(゚、゚;ζ
金に目がくらみそうになる勇者ドクオ。
- 11 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:37:40 ID:eiS7lRGM0
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「うお!優勝賞品がオリハルコンの剣だぜ!」
「大きな声出さないで。恥ずかしいから」
「優勝できたらおいしいな…」
呆然としていた所に、妙に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
(;'A`) ……あっ
(;゚A゚) モララーさん!
( ・∀・) おお、ドクオ!
_
( ゚∀゚) うおー久しぶりだな!元気してたか
ζ(゚ー゚*ζ クーさん久しぶりです!
川 ゚ -゚) まさか、あなたたちもここに来てたなんて…
(;'∀`) 来たくて来た訳ではないんですけど…
- 12 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:40:22 ID:eiS7lRGM0
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ζ(゚ー゚*ζ モララーさんたちは、この大会に出るんですか?
( ・∀・) えっ…
_
( ゚∀゚) 俺は出るかな。航海の途中で偶然寄っただけだが、商品が商品だし
( ・∀・) あー、まあ俺も、一応…
川 ゚ -゚) 武闘大会は魔法禁止だし、私は応援だね
ζ(゚ー゚*ζ 私も応援します!
( ・∀・) あ…ああ。ありがとう
(;'A`) うっ…
(;'A`) お、俺も出ます!
( ・∀・) お前が?
('A`) あの…ほら、商品が欲しいから…
ζ(゚ー゚*ζ 頑張ってね勇者様!でも無理したら駄目だよ
('∀`) おー任せとけ!
- 13 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:43:31 ID:eiS7lRGM0
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( ・∀・) よし、じゃあどうせだし、俺が全員分の受付してきてやるよ
_
( ゚∀゚) おう、すまねえな
モララーは一人、受付カウンターの方へ向かっていった。
('A`) お二人のレベルは今どれくらいなんですか?
_
( ゚∀゚) 俺はこの前43レベルになったぜ
(;'A`) おおっ、凄い
川 ゚ -゚) 私は46レベルだけどね
ζ(゚ー゚;ζ 私たちとは次元が違う…
('∀`) そうかー、みんな凄いな
じゃあモララーさんとか、50レベルくらいになってたりして
_
( ゚∀゚) …………
川 ゚ -゚) …………
('∀`) ……?
- 14 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:49:23 ID:eiS7lRGM0
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( ゚∀゚) 大会は今夜と、明日の夜に行われる。今日は予選トーナメントだ
正直優勝する自信はねえが、棚ぼた狙いで頑張ろうぜ
(;'A`) は、はい…
ζ(゚ー゚;ζ ……?
二人は何かを避けるように、そそくさとモララーの方へ踵を返した。
ζ(゚ー゚*ζ と、とにかく。頑張ってね勇者様。私も応援頑張るよ
('A`) お、おう!任しとけ!ベスト32くらいには入る!
ζ(゚ー゚*ζ それ参加賞しか貰えないよ…
夕方ごろ、二人はハインたちと合流し、リゾート施設で夕飯をとった。
その後、軽く準備運動してから、ホールへと向かった。
(;'A`) うわー
ホールは既に熱気に包まれていた。
- 15 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:52:10 ID:eiS7lRGM0
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ζ(゚ー゚*ζ ファイトだよ!
(;'∀`) 期待しないで見ててね…
ホールの中心にあるリング上で闘うことになっている。
参加者たちは一度裏の待合室に行かなければならないので、
デレと別れて一人で待合室へ向かった。
_
( ゚∀゚)
( ・∀・)
(;'A`) ………
待合室には既に参加者全員が待機しており、ぴりぴりとしたムードが漂っていた。
モララーとジョルジュも見つけたが、二人はお互いが目を合わさないように
しており、声をかけない方がいいと思ったドクオは、待合室の隅の方で待機した。
- 16 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:53:53 ID:eiS7lRGM0
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待合室に集まった者たちを見ると、皆屈強そうな体つきをしていて、
武闘家が多いことがすぐにわかった。
特に目立ったのは、
( ゚∋゚)
一際大きな体を微動だにさせず、ベンチに腰掛けている男であった。
(;'A`)(あいつ、めちゃくちゃ強いな…)
明らかに存在感が違う。
周りの者も、彼には近寄らないようにしていた。
「レディースエーンドジェントルメン!」
(;'A`)(始まった!)
- 17 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:56:50 ID:eiS7lRGM0
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待合室にまで表の声が届く。
「わたくし、ルドマンが毎年開催しております、武闘大会へようこそ。
今宵も世界中から集まった屈強な男たちが、己の体のみで闘います!
皆さん、どうぞお楽しみ下さい!」
「それでは第一回戦、一組目の組み合わせを発表します!」
「エントリーナンバー42番!ドクオ!」
(;'A`) マ ジ カ ヨ
「お相手は…エントリーナンバー44番!モララー!」
(゚A゚) え…
- 18 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:59:04 ID:eiS7lRGM0
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( ;・∀・) …っ!
( ・∀・) …俺たちらしいな
(;'∀`) お、お手柔らかにお願いします
( ・∀・) 大会なんだから、全力でいくぞ
(;'A`)ヒィィィィィィィィィィィィィ!
ランダムに決められた組み合わせなので、文句は言えない。
しかし一回戦の相手がまさかモララーだとは、とドクオは頭を抱えた。
二人は待合室から闘技場のリングへと移動する。
ルドマン「何とこの二人、どちらも勇者らしいとのこと!
世界の命運を預かった男たちが、今宵激突する!」
ワーワー! ワー!
- 19 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 20:01:46 ID:eiS7lRGM0
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ルドマン「ルールは事前に確認した通り、魔法の使用禁止、装備の使用禁止。
特技の使用禁止と致します。小手先ではなく、己の肉体のみを使います」
ルドマン「それでは…レディ…
(;'A`) (・∀・ )
ゴー!」
( ・∀・) 行くぞ…!
(;'A`)ヒィィィィィィィィィィィィィ!
開始のゴングと同時に、モララーが勢いよく踏み込む。
まだ気持ちが落ち着いていなかったドクオは、躱すのが一瞬遅れてしまった。
モララーの 攻撃!
- 21 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 20:05:04 ID:eiS7lRGM0
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(;'A`) ぐっ…!……?
ドクオに 18のダメージ!
攻撃がヒットした瞬間、後ろに飛び退いて威力を消したのが幸いした。
しかし…
(;'A`)(攻撃が…軽い?踏み込みを誤ったのか)
( ;・∀・) クソ…!
再びモララーが攻撃を仕掛ける。
今度はフェイントを織り交ぜた動きを見せた。
(;'A`)(見える…遅い!何か狙ってるのか…!?)
( ・∀・) そら!
モララーの 攻撃!
ドクオは ひらりとかわした!
- 23 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 20:07:23 ID:eiS7lRGM0
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( ;・∀・) しまっ…!
攻撃をかわされたことで、モララーに大きな隙が生まれる。
('A`)(隙あり!でぇーい、罠かもしれんが、一発いったれ!)
ドクオの 攻撃!
( ;・∀・) ぐっ…あ!!
モララーに 43のダメージ!
(;'A`) 当たった…?
( ;・∀・) ゲホッ…!ぐっ……
「いいぞードクオ!」 「そのままたたみ込め!」
ルドマン「ドクオの攻撃がクリーンヒット!これはモララーもきつそうだ!」
- 25 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 20:10:03 ID:eiS7lRGM0
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(;'A`)(何だ?これ…)
「棒立ちしてんじゃねー!」
「今だ!攻めろ!」
ルドマン「おーっとドクオ選手、何を狙っているのか!
続けて攻め込まずにいったん距離を取ったぞ!」
(;'A`) ……………
( ;・∀・) …へへ、……どうした、ドクオ?
(;'A`) モララーさん!本気出して下さいよ!
俺、こんなんで勝っても嬉しく…
( ・∀・) ドクオ……
(;'A`) ……?
- 26 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 20:13:13 ID:eiS7lRGM0
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( ・∀・) …強くなったな
(;'A`) …っ!
( ・∀・) ルドマン!俺は棄権する。すまん
ルドマン「なっ…!」
ζ(゚ー゚;ζ えっ!?今なんて…
モララーの突然の棄権により、会場は大きなブーイングに包まれた。
投げ込まれてきた物が、モララーめがけて飛んでくる。
( ;・∀・) うっ…
モララーは顔を手で覆って防ごうとした。
(;゚A゚) やめろ!
ドクオは間に割って入り、投げられたものを地面にたたき落とした。
- 27 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 20:15:35 ID:eiS7lRGM0
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( ・∀・) …………ドクオ
(;゚A゚) モララーさん、一体何が…
( ・∀・) 単純な話だ。俺は弱い
(;゚A゚) そんな馬鹿な!
( ・∀・) お前が何レベルか知らないが…
( ・∀・) …俺はまだ、24レベルなんだ
(;゚A゚) …っ
( ・∀・) じゃあな…
ルドマン「おーっと、モララー選手棄権してしまったー!
勇者とは勇気ある者という意味ではなかったのか!
何とも無様な姿をさらしてしまった彼に、会場は大ブーイング!
私にものを投げないで下さいお客様!」
- 28 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 20:17:41 ID:eiS7lRGM0
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(;゚A゚) ……モララーさん
モララーは一人、ドクオに殴られた腹を抱えて、控え室へ戻っていった。
会場のブーイングはいつまでも止まない。
どうしようもない感情がわき上がり、ドクオはいつまでもそこに立ち尽くしていた。
所持金 1301G
('A`) レベル29 勇者
HP174/192
MP0
ζ(゚ー゚*ζ レベル30 踊り子
HP150/150
MP0
続く
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