('∀`)勇者30174のようです 四十一話
244 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:15:27 ID:pNVPlpIg0

所持金 5408G

 ('A`) レベル35 勇者
 HP96/219
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル36 踊り子
 HP73/171
 MP0



(-A-) う……ん…?


(;'A`) …ここは?


体を起こし、辺りを見回す。
今までいたテルミン廃鉱とは雰囲気からして違う。

大理石の床と、氷の壁に挟まれているような場所だった。

近くでデレが倒れていたので体を揺する。


ζ(゚ー゚;ζ ん……あ、勇者様っ!




247 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:19:29 ID:pNVPlpIg0

(;'A`) デレ、大丈夫か?

ζ(゚ー゚*ζ うん…ヘリカルちゃんは?

('A`) そういえば…


近くにはいないようだ。


よく見ると、周りにトロッコの破片が散らばっているのが見える。
氷の壁に突っ込んだ衝撃で気絶していたらしい。


二人は氷で囲まれた道を進んだ。


ζ(゚ー゚*ζ あっ…


間もなく、氷に包まれた白く輝く城を見つけた。

正面のドアが開いている。




249 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:22:01 ID:pNVPlpIg0

ζ(゚ー゚*ζ 勇者様…!

('A`) 行こう!


二人は城の奥へ足を踏み入れた。

特殊な建築法がされていて、地上では見たことの無い造りになっていた。
淡く輝いている材質で作られていて、地上の金属とは違う輝きを放っている。


ドクオたちは階段を上がり、城の最深部を目指す。


とそのとき、

(;'A`) うっ…!

ζ(゚ー゚;ζ キャッ


城が大きく揺れ始めた。


(;'A`) 浮上してる!天空の城が浮かび始めた!




250 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:23:50 ID:pNVPlpIg0

揺れは長時間続いた。


その間二人は立っていることができず、床に手をついて揺れに耐えた。



('A`) …収まったか…?

ζ(゚ー゚*ζ 勇者様…奥に

('A`) ああ…


揺れが収まってから、さらに階段を上っていく。



そして、


 「……ようこそ、天空の城へ」


(;゚A゚)  ζ(゚ー゚;ζ


壁の無い王室に、たどり着いた。




251 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:26:58 ID:pNVPlpIg0


マスタードラゴン「二人には世話になった。改めて、礼を言わせてもらおう」



キングヒドラが小さく思えるほどの巨大な竜。

しかし神々しく、美しさを感じられるその出で立ちは、
マスタードラゴンの名に相応しい迫力を放っていた。


(;゚A゚) お前があの、ヘリカルなのか!?

マスタードラゴン「ありがとうお兄ちゃん!人間にもいい奴いるんだね!」

ζ(゚ー゚;ζ ヘリカルちゃんだ!


マスタードラゴン「冗談はさておき、これから町の者たちを拾っていく。
      またしばらく揺れるから、我の尻尾に掴まっているとよい」


二人は言われた通り、マスタードラゴンの尻尾に掴まった。


マスタードラゴン「では、動かすぞ」




252 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:30:09 ID:pNVPlpIg0

(;'A`) おお!

ζ(゚ー゚*ζ わー!凄い!


壁が無いので、外の景色が遠くまで見える。

城が動く度に景色が変わり、海の向こうのオスドニア大陸まで見渡せた。



城は一度地上に降り立ち、町の者たち全員が乗り込んだ後、
再び浮上した。

巨大な城をいともたやすく動かせるマスタードラゴンの力に、
二人は圧倒されるばかりであった。



(;'A`) お前本当は強いんじゃ…

マスタードラゴン「私の力は聖なる力。魔物には通用せんのだ。
     奴らに対抗できるのは魔力か…勇気の力だ」




253 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:34:10 ID:pNVPlpIg0


ζ(゚ー゚*ζ 見て勇者様!ダディ神殿も見えるよ!

('A`) 何処だ?…あー、あれか!



マスタードラゴン「………」

二人はマスタードラゴンそっちのけで景色を楽しんでいる。


ζ(゚ー゚*ζ こんなに綺麗な景色なのに、堕天しちゃう天空人もいたんだね…

マスタードラゴン「奴は特別だ。退屈を何よりも嫌う、天性の遊び人気質。
     遊びの為なら命すら惜しまないという変人だった」

('A`) 何処の世界にも変人はいるんだなあ どくを


ζ(゚ー゚*ζ 綺麗……旅に出て、本当によかった…

('A`)(い、言うべきか…?お前の方が綺麗だよ…的なことを!)

マスタードラゴン「やめとけ」

(;'A`) さらっと心を読むな!




254 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:38:19 ID:pNVPlpIg0

マスタードラゴン「ところで、お兄ちゃんたちはこれから何処に行くの?」

('A`) 昔のキャラが混じってんぞ

ζ(゚ー゚*ζ 私たちは修行の里っていう場所に行くの


マスタードラゴン「あそこか…よし、お主たちには大きな借りがある。
     景色だけではもの足りんであろう。そこまで送っていこう」

('∀`) ほ、本当か!

マスタードラゴン「おやすいご用だ」



マスタードラゴン「それと…もう一つ、頼まれてくれないか」

('A`) 何だ?

マスタードラゴン「かつて堕天した天空人のことだ。奴はおそらく魔界にいる。
     奴に出会ったら、天空の城が浮上したことを伝えてほしい」

('A`) そいつに戻って欲しいのか?

マスタードラゴン「戻れと言っても聞かん奴だ。だが奴の性格を考えれば、
     天空の城が落ちたことに責任を感じておるだろう」




255 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:42:03 ID:pNVPlpIg0

マスタードラゴン「それと…万が一戻りたければ、戻ってもよいということも…」

('A`) あ、ああ。わかった


ζ(゚ー゚*ζ あー、もしかしてマスタードラゴンが好きだった人とか!?

('A`) 伝説のマスタードラゴンだぞ?そんな俗っぽい理由じゃないだろ


マスタードラゴン「ば、馬鹿言わないでよ!誰があんな奴のことなんか…!」

(;'A`) キャラ固定すれば!?



ζ(゚ー゚*ζ 了解でふ!ちなみに、その人はなんて言う名前なんですか?

マスタードラゴン「名前を捨てている可能性もあるが、天空人だった頃の名前は、
     ルワン・エステシャリード・ポルカプサン―――




256 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:44:11 ID:pNVPlpIg0



  ――――オサムだ」




湖の傍で、空を見上げている魔族がいた。


【+  】ゞ゚) うん…やはり天空の城は、天空にあるべきだね


満足そうに頷いたあと、彼はふわりとその場から消えた。



彼の遊びは、まだ続く。




257 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:47:22 ID:pNVPlpIg0



('A`) 次はいよいよ…

ζ(゚ー゚*ζ 修行だね!


('∀`) 天空の城イエーーーーー! ζ(゚ー゚*ζ



二人は今まで、同じ道を歩み、同じ景色を見て旅をしていた。

これから離ればなれにならなければならないとは、
予想もしていなかっただろう。

所持金 5408G

 ('A`) レベル35 勇者
 HP96/219
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル36 踊り子
 HP73/171
 MP0

続く


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