('∀`)勇者30174のようです 五十八話
932 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:09:58 ID:5Jdk7Smo0

 ( ・∀・) レベル102 勇者
 最大HP: 825
 最大MP: 231
  _、_
 ( ,_ノ` )y━・~レベル102 戦士
 最大HP: 853
 最大MP: 169

 ( ゚∋゚) レベル97 武闘家
 最大HP: 1401
 最大MP: 0

 ミ,,゚Д゚彡 レベル82 キラーパンサー
 最大HP: 694
 最大MP: 0

 ('A`) レベル88 モンスターマスター
 最大HP: 484
 最大MP: 0

 (´・ω・`) レベル99 僧侶
 最大HP: 586
 最大MP: 278

 ('、`*川 レベル167 魔法使い
 最大HP: 650
 最大MP: 8491




936 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:12:33 ID:5Jdk7Smo0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル93 賢者
 最大HP: 342
 最大MP: 308

 爪'ー`)y‐ レベル74 盗賊
 最大HP: 203
 最大MP: 0


中庭での戦いは長引いていた。
 _、_
( ,_ノ` )y━・~ むん!

('・ι_,・`) ふんっ!


互いに一撃が重く、攻防の度に大きな剣鳴りが響き、火花が散る。


('・ι_,・`) 強くなったじゃない。レベルは変わってなさそうなのにね
 _、_
( ,_ノ` )y━・~ 変わったさ。数値じゃ表せんものだがね


ドヤは強かった。
剣士らしい堂々とした戦い方で、渋澤の剣技を軽くいなしている。




937 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:17:28 ID:5Jdk7Smo0

ドヤが振るう剣はダークダマスカスと呼ばれる魔界の鉱石で出来ている。

黒光りする太刀は不気味な剣閃を作り、
捉えようの無い技に渋澤は苦戦していた。


 _、_
(;,_ノ` )y━・~ っ!!


幾度となく剣が交わり、力がぶつかり合う。

戦いに変化が起こったのは、渋澤の剣に変調が起きたからだ。



('・ι_,・`) おや、ちょっとまずいことになったんじゃないの?


決して折れないはずのオリハルコンの剣に、ヒビが入った。

 _、_
( ,_ノ` )y━・~ …折れんさ


それでも渋澤は手を止めない。

一度でも心が退けば、絶対に勝てないことはわかっていた。




939 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:19:39 ID:5Jdk7Smo0


だが現実は非情である。

オリハルコンの剣のヒビは徐々に大きくなり、やがて……


 _、_
(;,_ノ` )y━・~ 何…!


根本から剣が折れ、剣身が宙を舞い地面に突き刺さった。


('・ι_,・`) はっ!あのときと変わらんではないか?
 _、_
( ,_ノ` )y━・~ ………


('・ι_,・`) 所詮お前はその程度なのだ。身の程を知った方がいいんだよ
 _、_
( ,_ノ` )y━・~ 俺は…

('・ι_,・`) 降参してももう遅いが
 _、_
( ,_ノ` )y━・~ 俺はまだ、折れていない…!




940 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:22:43 ID:5Jdk7Smo0

僅かに残った剣身を振るい、ドヤに特攻をしかける。

しかしドヤの一撃を受け止められる訳もなく、
斬撃が渋澤の体を直撃した。


 _、_
(;,_ノ` )y━・~ がぁ…!!!

('・ι_,・`) 君さあ…諦めないことが美徳とか、そう思ってないかね?
 _、_
(;,_ノ` )y━・~ ……………


('・ι_,・`) 最後まで頑張ろうとか、命を捨ててまで闘い続けるとか…
      そういうの、私は理解できないんだ
      ただの悪あがきじゃないか。無駄な行為だよ。スマートではないねえ
 _、_
( ,_ノ` )y━・~ ………そうだな

('・ι_,・`) ねえ?もう戦いは終わりだ。痛みもなく殺してあげよう

 _、_
( ,_ノ` )y━・~ いや、まだだ

('・ι_,・`) ……あのねえ、君…




943 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:26:17 ID:5Jdk7Smo0

 _、_
( ,_ノ` )y━・~ 言っただろう…


渋澤の剣が光り輝く。

 _、_
( ,_ノ` )y━・~ まだ、俺の剣は折れていない


(・ι_,・`;) ……何だ、それ


折れた刀身の代わりに、光が新しい剣を作った!


(・ι_,・`;) まさか…魔法剣……


(・ι_,・`;) 貴様、パラディンか!?そんな馬鹿な!貴様にそんな魔力がある訳…
 _、_
( ,_ノ` )y━・~ いや……ただの剣士だよ


自分の身に起こっていることに対して、渋澤は極めて冷静だった。

こうなることがわかっていた訳ではない。




945 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:30:09 ID:5Jdk7Smo0
 _、_
( ,_ノ` )y━・~ これはたぶん…俺の魔力では無い


自分の体に漲る魔力の質に、覚えがある。
今はもういない、最高の僧侶の力が、渋澤に宿った。


 _、_
( ,_ノ` )y━・~ 受け取れ…ドヤ!

(・ι_,・`;) ふざけるな…雑魚の分際で!



渋澤は最後の攻撃を仕掛けた。

体力も魔力も、全てをつぎ込むつもりで。



二人が交錯し、閃光が辺りを包む。




 _、_
( ,_ノ` )y━・~                   ('・ι_,・`)




949 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:34:04 ID:5Jdk7Smo0
 _、_
(;,_ノ` )y━・~ ……ぐっ


光の剣は消え、渋澤は地面に片膝をついた。


('・ι_,・`) ……なるほど。スマートじゃないか


ドヤのダマスカスソードは砕け散った。


('・ι_,・`) 見事だ……


地面に突っ伏したドヤの体が、瞬く間に砂となって溶け、
風に散って消えていった。


 _、_
(;,_ノ` )y━・~ ………トソン

力尽きた渋澤は、仰向けで地面に転がる。

 _、_
( ,_ノ` )y━・~ 仇は……討ったぜ――――!


間もなく、渋澤の意識は無くなり、中庭は静寂に包まれた。




950 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:36:24 ID:5Jdk7Smo0




一方、闘技場ではモンスターたちの歓声が響き渡っていた。




(メメ゚∋゚) ぐっ……


 「強いぞネーノ選手!」


( `ー´) てんで大したことねえな。お前


 「ノーガードでの壮絶な殴り合いにも関わらず、ネーノ選手は無傷!
  対して相手のクックル選手は既に瀕死のように見えるぞ!」


( `ー´) もっと違う技を見せてくれよ


(メメ゚∋゚) ……やかましい、ハゲ頭め!

 クックルの正拳突き!




951 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:38:20 ID:5Jdk7Smo0


 ネーノに 23のダメージ!


( `ー´) だから効かねえんだよ!


(メメ゚∋゚) ぐっ…!


反撃の一撃によって、クックルは金網まで吹き飛ばされ、床に転がった。


( `ー´) つまんねえな

(メメ゚∋゚) ……それでも俺には、これしかないんだ


 クックルの正拳突き!


( `ー´) うざってえ!


再度の正拳突きはあっさりとかわされ、カウンターの蹴りを入れられた。




953 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:41:50 ID:5Jdk7Smo0

(メメ゚∋゚) ………っ!


( `ー´) そろそろ死ぬか?

(メメ゚∋゚) ……まだだ

( `ー´) へっ。根性だけは認めてやる



(メメ゚∋゚)(……思い出せ。修行のことを)

武闘家の師匠に修行をつけてもらった日々を思い返す。


数十キロの荷物を抱えながら一日百キロの走り込み。
素手で岩石を割る特訓。
指立て伏せ一万回、生身で標高数千メートルの崖を登る特訓。



(メメ゚∋゚) オェ…

思い出して吐きそうになった。

(メメ゚∋゚) 出来れば忘れたい…




955 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:44:21 ID:5Jdk7Smo0

( `ー´) 流石に飽きたぜ。そろそろくたばれ!

(メメ゚∋゚) くっ!


ネーノの攻撃をガードしようとしたが、
今のままではガードをこじ開けられてしまう。

せめて威力を軽減させようと、迎撃の姿勢を取った。


( `ー´) おら!


瞬間、師匠の顔とネーノが重なる。



(メメ゚∋゚) ……!


正拳突きの構えに、何か違和感が生じた。


二人の拳が交差する。




959 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:47:00 ID:5Jdk7Smo0


 ネーノの攻撃!
 クックルに232のダメージ!

 クックルの攻撃!
 ネーノに112のダメージ!



( ;`ー´) ぐっ!

(メメ゚∋゚) がはっ…!



 「おーっと、両者の攻撃が弾き合う!ネーノ選手、意外そうな表情を見せているぞ!」


(メメ゚∋゚) !…今、拳が……


( ;`ー´)(光った?何をしようとしてやがるんだ)



(メメ-∋-) 師匠……力を貸してくれ…
     次に修行をつけてもらうときは、途中で逃げ出したりはしないから…

クックルは目を瞑り、精神を集中させた。




962 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:49:51 ID:5Jdk7Smo0


( `ー´) もう面倒だ…そろそろ死ね!



(メメ゚∋゚) ……来い!

( ;`ー´) 結局またソレかよ!芸が無いな!


クックルは正拳突きの構えを取る。


( ;`ー´) …っ!


しかし今までの正拳突きとは空気が違っていた。
握った拳から光が溢れる。


(メメ゚∋゚) お前より…師匠の拳の方が、痛かったぞ

( ;`ー´) 何だ…それ!



(メメ゚∋゚) 聖拳…突き!!




964 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:54:18 ID:5Jdk7Smo0


拳がネーノの体に到達したとき、光が溢れ、閃光が走った。

体を突き抜ける閃光は、ネーノの背中から光線となってほとばしり、
反対側のフェンスを突き破って観客席まで届いた。



 クックルの 聖拳突き!



( `ー´) …のっ…トリ頭が…



(メメ゚∋゚) これはな…モヒカンっていうんだ。覚えとけハゲ

( `ー´) クソが……


 モンスターを 倒した!


(メメ゚∋゚) ………はぁ…


 「何という大判狂わせ!チャンピオンのネーノ選手を破って、新王者が誕生したー!」




966 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:57:15 ID:5Jdk7Smo0

(メメ゚∋゚) やっぱり…修行はちゃんとやっておくべきだったな…


ネーノに向かって呟いた言葉だったが、彼はもう、返事はできなかった。


 ( ・∀・) レベル102 勇者
 最大HP: 825
 最大MP: 231
  _、_
 ( ,_ノ` )y━・~レベル102 戦士
 最大HP: 853
 最大MP: 169

 ( ゚∋゚) レベル97 武闘家
 最大HP: 1401
 最大MP: 0

 ミ,,゚Д゚彡 レベル82 キラーパンサー
 最大HP: 694
 最大MP: 0

 ('A`) レベル88 モンスターマスター
 最大HP: 484
 最大MP: 0

 (´・ω・`) レベル99 僧侶
 最大HP: 586
 最大MP: 278




967 :名も無きAAのようです:2012/10/08(月) 18:58:47 ID:5Jdk7Smo0

 ('、`*川 レベル167 魔法使い
 最大HP: 650
 最大MP: 8491

 ζ(゚ー゚*ζ レベル93 賢者
 最大HP: 342
 最大MP: 308

 爪'ー`)y‐ レベル74 盗賊
 最大HP: 203
 最大MP: 0

続く


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