/ ,' 3 「皆さんが静かになるまで5分かかりました」のようです 給食の時間 その3
656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 16:53:32.31 ID:WtzAluLy0
     












      “ずっと、いっしょだった―――――”














           

660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 17:01:29.14 ID:WtzAluLy0
             

 最強の掃除屋“戦神”母者の子と、して生を受けた二人。
 生まれた時から、期待されていた。

 “あの母者の子なのだから、鬼神の如く、強いのだろう”、と

 双子だから、その期待は二倍。
  


@@@
@#_、_@      
 (  ノメ) 「次ィィ!!」





( ´_ゝ`) 「「ハイッッ!!」」(´<_` )


 幼き頃から、母者直々に武を仕込まれてきた。
 雨の日も、風の日も、誕生日も、クリスマスも。


 期待に、応えるが為。

663 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 17:07:43.28 ID:WtzAluLy0
          

 だが、周りの評判は芳しくなかった。



         “悪くはないけど、母者の子としてみたら―――”


  “なんだ、あの母者の肉質を
     受け継いでいないじゃないか、期待はずれだな”



   “双子で生まれてきたから、
            受け継ぐ力も二分しちゃったのかねえ”



 嫌でも、聞こえてきた。
 周りの声が。

 事実、自分たちの身は、母者にくらべ余りに脆弱だ。
 資質を受け継いでないといわれても、仕方ないかもしれない。

 補う為に、兄弟は中国拳法に師事した。
 弟者は、浸透頸を、兄者は螺旋勁を極めた。
 
 しかし、それでも尚、埋まらぬ母者との差、
 技術、努力では、到底及ばない“才”の壁。

666 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 17:15:34.05 ID:WtzAluLy0
             

( ´_ゝ`)「なあ、弟者、おれらデキソコナイらしいな」


(´<_` )「.........兄者、自虐する間があったら少しでも鍛錬すればどうだ?」


( ´_ゝ`)「いや、そうじゃない、聞けよ弟者」


( ´_ゝ`)「確かに、そうだ、おれら兄弟を個としてみれば母者なんかに、かないっこねえ
      “双子で生まれてきたから、受け継ぐ力も二分しちゃったのかねえ”」

( ´_ゝ`)「云われても、仕方ないよな?」


(´<_` )「……じゃあ、何か受け継ぐ力を二分して生まれたおれらデキソコナイは
     どうあがいても個々じゃ、評価されないっていいたいのか?」

 問いを受け、怒りを見せる弟者。

    
(´<_`#)「鍛錬しても無駄だって言いたいのか!?
     俺ら個人個人はデキソコナイだからフュージョンでもすりゃいいのか?ふざけんなよ!!
     双子だからデキソコナイって言いたいのかよ?双子じゃ、いけないと言いたいのかよ!?」

670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 17:22:02.24 ID:WtzAluLy0
     

( ´_ゝ`)「其れは、違う」



( ´_ゝ`)「双子だからデキソコナイ、なんておれは思っちゃいない
      “双子で生まれてきたから、受け継ぐ力も二分しちゃったのかねえ”
      簡単な計算だ、弟者、力が二分されているなら、合わせればいい」

( ´_ゝ`)「10を5と5で分け合ったのなら
      おれらがそれを足せば10になる、かければ10を凌ぐ25にもなる」


(´<_` )「.....何が言いたいんだ?」


( ´_ゝ`)「弟者、母者がなんて呼ばれてるか、知ってるよな?」


(´<_` )「勿論、“戦神”だろ」


( ´_ゝ`)「そう、神だよ、神、人である身で神だ
      おれらがなれる訳ない、でもな」


( ´_ゝ`)「龍ならどうだ?個人個人でなれなくても
      頭が二つある龍もいる、おれらが合わされば、龍くらいになれるんじゃないのか?」

673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 17:25:59.48 ID:WtzAluLy0
         

(´<_` )「だから、何を......」


( ´_ゝ`)「簡単さ、おれらは、龍になるんだ」



( ´_ゝ`)っ(´<_` ) 「!」


 ポス。

 
っ(´<_`;) 「兄者!何を――」


 手を、弟者の肩にのせ、
 兄者はそれまで培ってきた技術を、弟者の体に頸として、流し込んだ。


っ(´<_`;) 「おい!一体なんのつもりだってんだよ!」



( ´_ゝ`)「―――おれは武を降りる、表舞台はお前に任せた」

( ´_ゝ`)「おれは、お前を活かせる道を選ぶ」
 

676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 17:30:18.78 ID:WtzAluLy0
         


(´<_`;) 「そ、そんな事言われても――」


( ´_ゝ`)「信じろ」

( ´_ゝ`)「おれは、お前を信じている」

( ´_ゝ`)「だから、おれが信じるお前を、お前自身信じろ」



(´<_` ) 「兄者……――」




 この日から、弟者は急激に強くなる。
 兄者から受け継いだ新たな頸と、覚悟。

 受け継いだ証として彫ったのが、
 背の龍。二つの頭を持つ、珍しい龍のイレズミ。

 それに、武の道を退き、変わりに近代兵器術を学んだ兄者のサポートがつく。

 瞬く間に、兄弟はその名を挙げる事と成る。

 “双龍の流石兄弟”として。

679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 17:32:46.55 ID:WtzAluLy0
        


 故に、


 故に、兄者は信じている。

     


( ´_ゝ`)(俺たちが、最強であると)


 個々に、母者の資質を分け合った身。
 だが、半分ずつ分け合ったからこそ、出来る事もある。





( ´_ゝ`)「双子だから、デキソコナイって訳じゃない
     双子だから、最強なんだ―――」
 

684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 17:39:14.51 ID:WtzAluLy0
      
   
(´<_`#)「グオォオオオ!!喰らえッッ!!!」




(´<_`#)「―――――― 双 龍 砲 ッ ッ ! ! ! 」



 瞬間、空気が爆ぜた。
 
 大地に木霊する程の、頸の超蠕動。
 荒巻は、その攻撃に反応すらも取れず、打ち込まれる。

 右手に集うは、弟者が幼き頃から鍛錬し、習得した努力の結晶“浸透頸’

 左手に集うは、“あの日”兄者から受け継いだ‘螺旋勁’

 
 それが、同時に、弾け、混ざり合い。
 2つの頭を持つ、1匹の龍と化し、荒巻に襲い掛かったのだ。
 


 兄弟の想い、努力がすべて詰まった、究極の一撃。

687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 17:44:14.50 ID:WtzAluLy0
                    


( ´_ゝ`)「見たか魔人……おれたちは一人じゃ、魔人にも神にもなれやしねェ
      だがな、2人力を合わせれば、それを凌駕する龍となれるんだ―――」





( ´_ゝ`)「覚えてろ、最強ってのは、個がもつんじゃねえ
      想い、繋がりがある関係に宿るんだよ」




 弟者の双龍砲を見て、兄者は確信した。



 俺たちの勝利だと。



 荒巻に向けた言葉は、風に乗って、埃舞う空間に、溶けて消えていった。

691 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 17:47:47.97 ID:WtzAluLy0
                    



















@@@
@#_、_@       あいつら
 (  ノメ) 「――――流石兄弟じゃ、勝てねえよ」




     

697 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 17:50:48.49 ID:WtzAluLy0
〜流石家〜


∬´_ゝ`) 「え」l从・∀・ノ!リ人

 
 母者の言葉を聞き、驚きに身を固める姉妹。
 仕事帰りの、母者が風呂上りに、髪を乾かしながら、言葉を続けた。
 

∬´_ゝ`)「でも、あの子たち、うまくかみ合った時の実力は――」


@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「たしかに、あいつらがうまくかみ合った時は、恐ろしいまでの底力を発揮する
       全盛期のあたしですら、凌駕するかもしれん」


∬´_ゝ`) 「なら」


@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「でもよ――荒巻は、別なんだ」


@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「そういう、結束や、想いの力が通用しねえ域にいやがる」

706 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 17:54:56.85 ID:WtzAluLy0
      


 トントン、と母者が潰れた左目を指差した。




@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「この目のキズ、誰にやられたか、言った事あったよな?」




l从・∀・ノ!リ人「のじゃー、荒巻にヤラれたと以前母者は言ってたのじゃー」




@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「そうだ、よく覚えているじゃねぇか」


l从*>∀<ノ!リ人 ノジャー!


 妹者の頭を撫でながら、エフエフッと、母者は笑みを浮かべ、話を続ける

716 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:00:39.50 ID:WtzAluLy0
    

@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「そう、荒巻の野郎だ」



 一転。
 ギリッと歯を食い縛り、怒りの表情を浮かべる母者。




@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「依頼を受け、荒巻とヤッたときあたしは圧倒的優位にたっていた」




@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「五体を砕き、舌を切り取り、睾丸を潰し―――
      対す、あたしは無傷、その時点で勝ちの見えた死合のはずだった」



   

721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:03:08.56 ID:WtzAluLy0
        

@@@
@#_、_@       
 (  ノメ)「だが、そっからだ、あいつが意地を見せたのは
     結果、あたしは目を潰され、
      
     あろう事か、闘いに恐れを感じ――結果、逃走 

     ――生涯唯一の敗北」



@@@
@#_、_@       
 (  ノメ)「味合わされた、苦渋ッッ!!痛みッッ!!」

 グニャ〜
 母者の怒りに呼応し、空気が蜃気楼のように、歪む。

@@@
@#_、_@       
 (  ノメ)「ワカるかい?“闘神”とまで呼ばれたあたしが
     畏れて逃げを打ったんだ、五体、砕、睾丸が潰れている相手にだ」

     「あいつらで、勝てるはずねェよ――」

  

724 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:05:20.66 ID:WtzAluLy0
        

∬;´_ゝ`) 「なら、助けにいかないと――」


@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「しらねェよ」



@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「あたしは、あいつらに忠告した事がある」


@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「“荒巻には絶対手を出すな、出せば死あるのみだぞ”」「ってな」



@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「その忠告を聞いても尚、向かっていったんだから、自己責任以外の何者でもねェだろ」

733 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:09:29.92 ID:WtzAluLy0
         



l从;・∀・ノ!リ人「のじゃー、でもでも!」



l从;・∀・ノ!リ人「ちっさい兄者とおっきい兄者が、言ってたのじゃ!」



l从;・∀・ノ!リ人「母者が唯一敗れた荒巻!
        それをおれたちがいつか倒して、流石家に曇りなき最強の名をもってくるって!」


l从;・∀・ノ!リ人「もしかしたら、それでちっさい兄者とおっきい兄者は――」


∬;´_ゝ`) 「母さん…!」



@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「…………」

      

738 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:12:59.83 ID:WtzAluLy0
          

@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「………だとしても、関係ねェよ」


@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「ガキの歳とは、言え、あいつらは仮にもプロの掃除屋」


@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「家族愛、個人の思想、そんなもんで仕事を選んでいるのであれば、
      プロ失格じゃねェか、余計に助ける義理はねェな――」


@@@
@#_、_@       
 (  ノメ) 「――チッ、話てたら喉が渇いてきやがった」「ちょっとビールとってくるぜ」


 トットット...
 母者は、そういい残すと部屋の奥へ消えていった。


l从;‐∀‐ノ!リ人「ちっさい兄者とおっきい兄者、死んじゃダメなのじゃ――」

751 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:21:58.87 ID:WtzAluLy0
       

 妹者が、神に祈ったかどうかの刹那。

 一年塔。
 



(;゚∀゚)「き、決めやがった――」


(‘_L’)(素晴らしい……)


('A`)「フッ、流石我がライバルよ、やりおるわ」


 その完璧としか言いようの無い、一撃を目にした一同は
 例外なく、勝利を確信し、また歓喜していた。
 
 弛緩する、空気。


(*´_ゝ`)「やったなー弟者!これで名実ともに最強が流石家に――」


 両手をバンザーイし、弟者に走り寄る兄者。 

757 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:26:47.36 ID:WtzAluLy0
        

 誰もが信じた、勝利。
 蔓延する、勝利の空気。

 だが、そんな空気の中、一人勝利を疑う者が居た。


 疑問を感じたのは、他でもない。 
 双龍砲を放った、弟者自身。


(´<_`;)(双龍砲が、完全に決まったというのに、なんだこの胸を犯す不安は――)

 
 唯の直感。
 双龍砲が真に当たったのは事実である。

 だけど、その事実より、重く、粘りつく、直感。


(*´_ゝ`)「ヒューヒュー!このイケメン男!いいとこどり!」


(´<_`#)「寄るな、兄者!!」




(*´_ゝ`)「なーに言ってんだい!これからは勝利のパジャマパーティの時間だぜー!」

765 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:30:45.21 ID:WtzAluLy0
       


 ―――――― サ ァ ァ ァ ア ア 


       

 双龍砲によって、生じた煙幕が、はれた。
 なぜ急に晴れたのか、答えは簡単である。

 動き。
 空気を乱す者が居たからである。



(´<_`;)「――――なっ」

 


 そう、つまり


/ V 3 「ガァアアアアアアアアア!!!!」

 空気を動かし、煙幕を裂き、その先で咆哮する者。


 魔人、荒巻―――!

770 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:35:57.75 ID:WtzAluLy0
           

(;゚∀゚)(;‘_L’)「何ッッ!?」('A`;)

 3人の驚きの声が重なる。

 ムリもない。


 唯の直感だと、嫌な予感だと思いたかった。
 あの双龍砲をまともに受けて生きてるはずがない。

 だが、しかし、
 事実として荒巻はまだ生きている。
 動いている、吼えている、殺気を放っている、此方を見ている。

(´<_`;)(――――なっ、なぜ――)


 答えはすぐにでた。


/ V 3 「ガァアアアアアアアアア!!!!」

 吼える荒巻自身が、以前の姿から欠けているもの。

(´<_`;)(そうか......筋力操作にて肥大化させた筋肉を持つ左腕をとっさに攻撃でなく防御にまわし――)

 消し飛んだ魔人の左腕。
 左腕を代償に、魔人は此処に未だたっているのである。

776 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:39:58.21 ID:WtzAluLy0
         

(´<_`;)(生き永らえたと言っても、瀕死のはず――)

(´<_`;)「ならば、トドメの一撃を放つ為――くっ!?」


 だが、ガクリとヒザが笑い、
 思うように動かせない。


(´<_`;)(ああ、そうか “一分” ―――)

 己の活動限界を示す、時限。
 スピーカーからはつーのラストナンバーは、もう流れていなかった。


/ V 3 「ウボォ゛オ゛オ゛オ゛!!」

 怒りに震える、魔人。
 その矛先は、弟者でなく―――



(*´_ゝ`)「え」



 ―――走り寄ってくる、兄者に向けられた。

782 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:45:33.61 ID:WtzAluLy0
    

(´<_`;)「やめろぉおおおおおお!!!!」


 己の為に、頸を託し。
 武を止め、己のサポートに人生を捧げた男。

 満身創痍であるが、魔人の一撃に耐えられるはずがない。


 兄者を庇おうと、
 武の構えを崩し、魔人と兄者の間に割り込もうとする、弟者。

 だが――



/ V 3 ニィ...

 魔人は武を崩した弟者を見て、醜く嗤う。
 そして、此方を向きなおす。

(;´_ゝ`)「弟者!!!」


/ V 3 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁあ!!」


 兄者に、一瞬足を向けたのは、弟者の動揺を引き出す為の、フェイク。

787 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:49:02.46 ID:WtzAluLy0
      

(´<_`;)「え」


 弟者の周りの空気が、凍る。



(´<_`;)(兄者へ一瞬殺気を放ったのはフェイク―――?

      ……嗚呼、そうか、冷静に考えれば、当たり前だ

      左腕を楯にされたが、双龍砲を喰らっているんだ
   
      此処から、兄者へ飛び掛る力は残っていないはず――
      すべて、おれの動揺を誘うワナだった、ってか)


 迫り来る、魔人の拳。


(´<_`;)(化頸―――
 
      ムリか、活動時間はこえているし、なにより、兄者を護ろうと
      武の構えをといちまったからな――

      構えていれば、まだなんとかなったかもしれんが……

      嗚呼、これ おれ 死 ん だ な ――)

789 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:53:02.60 ID:WtzAluLy0
      


 弟者の頭を巡るは、走馬灯。

 あの兄者の言葉が、再生される―――


“おれは、お前を信じている

 だから、お前も信じてくれ、完璧なサポートをこなす俺を”

    

(´<_`;)(……土壇場で、ワナにかかっちまったのは
      どこかで、兄者の強さを、しんじきれなかったかな...)


 迫る拳、加速する後悔。


(´<_`;)「―――でも、ま、いっか」


(´<_`;)「兄者じゃなくて、俺が死ぬんだから」


 その言葉を言い残した刹那。
 パァンと、割れた風船のように、弟者の頭は、砕け散った。
 

795 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:56:01.64 ID:WtzAluLy0
       


(#´_ゝ`)「弟者ぉおおおお!!!」


(;゚∀゚)「ばか!おめェ!」



 弾け飛ぶ、弟者の頭を目にし、逆上。



(#´_ゝ`)「てめぇぇえ!!ナメてんじゃねーぞ!!」


 脆弱な、己の事も忘れ
 荒巻に走り寄る兄者。


/ V 3 ニィィ

 それを見て、魔人は再度嗤う。

803 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 18:59:06.60 ID:WtzAluLy0
       


/ V 3 「想い、繋がり―――下らぬ
     そんなものを大事にしてるから、ほうら?こうして弱みを握られ、殺されるんじゃ」



/ V 3 「想い、繋がりが最強? 阿 呆 か 」


/ V 3 「強さとは、武とは孤独なもの
     そのような、斯様な甘きものに―――」



/ V 3 「宿るものではない!!!」


 放たれる、拳撃。


(#゚_ゝ゚) グフッ...!?


 腹を貫かれ、その場に伏せる、兄者。

815 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 19:04:10.33 ID:WtzAluLy0
          

/ V 3 「くか、くかかかかか...!死におった、あっさり死におった......!」


/ V 3 「弱い弱い弱い弱い、あまりに弱きぞ!!!!」



( _ゝ ) ( <_ )



 遂に、地に堕ちた2頭を持つ龍。

 それを目撃したのは、4人。


(;゚∀゚) ―――ジョルジュ、と。


(;‘_L’) ―――フィレンクト、と


(;'A`)  ―――うんこと、そして――

820 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 19:05:02.82 ID:WtzAluLy0
         






ノパ∀゚)「ひゃははははははは!!!素晴らしい!素晴らしいぞぉおお!!そこのお前!!!」 









   タイミングよく、部屋に入ってきた

            ――――覚醒したばかりの“闘”の結晶。

828 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 19:08:03.77 ID:WtzAluLy0
       



ノパ∀゚)「ひゃははははははは!!!」


 高笑いし、荒巻を見やる“武”の化身。




/ V 3 「.........」

 その化身を睨み、そして、口元にうっすらと笑みを浮かべた、魔人。



(;゚∀゚) (;‘_L’) (;'A`)  もはや、驚く事しかできぬ、唯の人である彼ら。



( _ゝ ) ( <_ )  最早、飛ぶことは無い、龍。

831 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 19:10:16.20 ID:WtzAluLy0
           

        ノパ∀゚)

                      (;゚∀゚)
    / V 3 

 
 (;‘_L’)       (;'A`) 



       ( _ゝ )    ( <_ )  



 キーンコォーンカンコォーン......

 複雑に絡み合う、各々の思惑を知ってか知らずか。
 給食の終りを告げる、鐘が鳴り響く。

 
 キーンコォーンカンコォーン......

 ただひたすらに、鳴り響く。 

834 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 19:11:27.82 ID:WtzAluLy0
          




   給食の時間を終えて



   最期の授業、「五時間目」がはじまろうとしていた―――










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