/ ,' 3 「皆さんが静かになるまで5分かかりました」のようです 五時間目 その2
- 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:43:13.94 ID:2oV6dNaR0
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――――――――/ V 3
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二つの人外が、衝突しつつあった―――
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ノパ听)―――――――
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〔第17話:残り時間35分〕
- 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:58:16.31 ID:2oV6dNaR0
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疾風。
愛しの彼に、一歩、また一歩近づく。
ノパ听)「魔人、荒巻ぃぃいいいい!!!!」
太刀を捨てながら、叫ぶ。
このような闘いに武器はいらない、無粋だ。
拳で、直で彼を感じたいからだ。
叫びに反応し
有るべきはずの目玉がそこに無い、
荒巻の眼壷が、ギロリと彼女を見遣った。
ノパ听)「生まれた時から、修羅に魅入られ
悪魔の病を、2種宿し、さらに狂気をもって進化、
人を越えし人外の者、限りなく最強に近い存在――――」
彼女の双眸も又、
眼前の化物を睨みつける。
ノパ听)「 魔 人 荒 巻 ッ ッ ! ! ! 」
- 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:11:39.23 ID:2oV6dNaR0
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ノパ听)「それでいいッッ!!!それがいいッッ!!
なら、あたしは今から
その限りなく最強に近い存在、魔人荒巻を倒す事で――」
ノパ听)「自身が“最強”と証明するんだからッッ!!」
化身もまた、残った右腕を振り上げた。
ノハ )(さあ―――
ワカり合おう― 殴り合おう― 削り合おう― 殺し合おう―
――ここまで積み上げた、互いの武―
――これほどまで鍛え上げられた、互いの肉体、精神―
―すべて ―朧ながら、絶対的である ―“最強”を目指し、成るが為
―――作りあげられた物)
ノパ听)「そして証明し合おうぞ!!
どちらの“最強”が“最強”なのかをッッ!!」
“最強”と“最強”。
二人の拳が、触れる。
- 216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:19:44.33 ID:2oV6dNaR0
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――轟音――
――衝撃――
拳 対 拳。
両者の拳が疾ったのは、ほぼ同時だった。
(;゚∀゚)(うおィ!?)
見守るジョルジュにも緊張が走る。
ノハ#゚听)「ああぁああああああああ!!!!!!」
凄まじい咆哮からの、一撃。
それは、魔人の拳撃にも、負けず衰えず、いや――
/ V 3「――ッ?」
手首から先が、不完全な分荒巻が不利か、
魔人が、今日始めて己より強大な力を受けて、その身を崩す。
“武”の化身。
これを見逃すわけが
ノハ# ) 「―――――」
――なかった
- 218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:23:06.08 ID:2oV6dNaR0
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ノハ# ) 「あああああァァ!!!」
―――シュッ
直後、彼女の右足から
筋肉の限界点を越える収支で、蹴りが放たれた。
しかし。
脚は僅差
コンマ.005秒程遅く。
/ V 3「ふんッッ!!」
ノパ听)「ちっ」
脇腹を、掠ったのみ。
- 226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:31:01.71 ID:2oV6dNaR0
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ノパ听)「チィ」
避けられた。
だがしかし、ヒートはこの攻防にて互いの力量を察知した。
ノパ听)(ほぼ互角―――
僅かに本当にの僅かに、あたしが攻撃力で勝る程度......)
間合いを計りながら、思考。
――ほぼ互角
ヒートにとってこれ以上無い、武の対象。
ノパ听)(互角―― ならば、あたしが荒巻を倒せば
それは己に勝ったと言い換える事もできる
更なる高みに昇る事ができるッッ!!!)
- 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:34:28.67 ID:2oV6dNaR0
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ノパ∀゚)「楽しいなぁ!楽しいなぁ!?荒巻!
お前もはじめてだろ?ここまで真剣に闘えるのは!
あたしは初めてだ!初めて全力を出し切れそうなんだ!それがとても嬉しい!
だから、それに応えてくれ!あたしを、もっと沸かせてくれッッ!!!」
思わず、舌舐めずり。
形容しがたい程の、歓喜。
ノパ听) シュ―――
その喜びを表すかのよう、放たれた拳撃。
チリチリと、大気を刺激する
摩擦で大気を燃焼させるほどの一撃。
- 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:41:47.70 ID:2oV6dNaR0
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/ V 3 「―――……」
荒巻、答えず。
代わりに
/ V 3 ―― ド ク ン
荒巻の体。
体を覆う表皮に、禍々しい血管が浮き上がっていく。
次いで、もりもりと筋肉が隆起し始めた。
(‘_L’)(あれは、あの時の――)
己の持つ、修羅の因子と狂気、
そこにドクオから学んだ筋肉操作を加え編み出した、人外の法。
/ V 3 (――――) 魔人の力。
全身に血管を浮き立たせ、躍動する荒巻を横目に、
畏れる事も無く、ヒートは拳を荒巻に放つ。
それを見て、荒巻の唇の片側がわずかに吊り上がり、
挑戦的な微笑を刻んだ。
- 237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:48:46.97 ID:2oV6dNaR0
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(;゚∀゚)(その意地はどこから湧く……)
冷汗を垂らしながら、ジョルジュは思う。
(;゚∀゚)(当たれば死ぬんだぞ?死の刃の間をぬい、勝ち得たとしても
得るのは“最強”と云う不確かなものだけだぞ!?)
ポタリ、右拳から地面に血が落ちる。
ジョルジュ、己の右拳を、見つめる。
虎砲によって、グチャグチャに肉が爆ぜ、白い骨が顔を見せている、その拳を。
(;‐∀‐)(おれには、これが限界だった―――
否、これ以上の覚悟はないと思っていた、思い込んでいた)
(;‐∀‐)(目の前にいる人外たち
おれの遥か上をいくのは、その実力だけでない
覚悟、想いですら、おれは負けている、圧倒的に)
(;‐∀‐)(ギコ、お前を殺されたと云うのに)
悔しさでギコはギュッと崩れている右拳を握った。
またポタリ、血の雫が垂れた。
- 242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:57:36.40 ID:2oV6dNaR0
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―――ポタリ。
ジョルジュの拳から、垂れた血の雫が地についたかどうかの刹那。
ノパ听)「?」
ヒートの心中を占めていたのは、疑問。
ノパ听)「あれ……なんで……?」
拳をたしかに、荒巻に放ったはずである。
なのに
/ V 3
ノパ听)「なんで、荒巻があんなに遠くにいるんだ?」
- 248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:06:37.90 ID:2oV6dNaR0
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/ V 3
ノパ听)「なんで、荒巻があんなに遠くにいるんだ?」
嗚呼、あんなに楽しかったのに。
/ V 3
ノパ听)「早くいかないと――」
きっと、彼も、待っている。
はやくいかないと、ごめんね、待たせちゃって。
足を、荒巻のいる方向へ、向ける。
ノパ听)(間合に入ったら、次はどうしよう)
拳をまた、打ち合うのもいい。
でも、蹴りやフェイントを織り交ぜた、戦いもいいな。
思いながら、足を進める。
- 253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:11:15.29 ID:2oV6dNaR0
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ノパ听)(彼に勝って、最強となった後、どうしよう――)
ワカり合える相手が、またいなくなってしまう。
訪れるであろう、孤独。
ノパ听)(ああ、そうだ―― 子供を作ろう、彼との間に)
ノパ听)(殺した後、彼の死体を切り裂いて、精巣を探り
まだ新鮮な精液を、口に含み、手にとり
あたしの、子宮に塗りたくって、子供を身に宿そう)
ノパ听)(死後硬直を利用しての、
セックスでもいいんだけど、あの変態と同じ事するのはね――)
ま、あいつもそれなりにつよかったんだけど
足を進めながら、思う。
ノパ听)(そうして、彼との間に出来た子を生み、育てよう
愛情たっぷりかけて、武術を仕込み、あたし好みに)
- 266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:16:59.19 ID:2oV6dNaR0
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ノパ听)(それで、十分成熟させた後、その子供と)
ノハ^凵O)「殺しあうんだ!」
ノハ^凵O)「“武”の化身と、魔人の子
つよいだろうなあ、うまく育てて、想像できないほど強くしてあげよう!」
ノハ^凵O)「そして、その想像できないほど強いその子を、あたしが殺す」
ノハ^凵O)「たのしいだろうなあ、はげしいだろうなあ」
ノハ^凵O)「その子が男の子なら、もう一度その子の死体から精を取り出して、子をつくってもいい」
ノハ^凵O)「嗚呼...なんだ、あたしはもう孤独なんかじゃない」
ノハ^凵O)「荒巻…貴方に出会えたから!有難う!」
ノハ^凵O)「遠慮なく、ころすね!」
満面の笑みのヒート、
再度荒巻の間合いに入ろうとした、その時―
- 280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:25:38.01 ID:2oV6dNaR0
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( ゚∋゚) クックドゥルドゥー?
音のする方へいこうと足をあげたときである。
私は、違和感を感じ取った。
―――シュッ
不思議な音を聞いた、風を割くような、音。
次いでガリッという、私がニンゲンを食した時のような音が聞こえた。
ニンゲンの頭蓋を砕いた時の音に、よく似ていたが。
違っていたのは、その音が、
外からではなく、内から聞こえたという事。
( ゚∋゚) クックドゥルドゥー?
はてなが私の心中を占めた。次の瞬間である――
- 282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:26:20.27 ID:2oV6dNaR0
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「?」 ▅▇███████▀ ▪ ∴ ….▅ ■ ◥◣
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( ゚∋(▒▒▓_ ■ ¨ ▀▀▀■▀▀▀ ▪ ■ ̄
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異なる場所で、同時に
二人の人外の、頭蓋が砕けた―――
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;
ノ シ,.
・;ハ;
;^; ∴
∴::・゚・・;:;ミ ボッ
;∴::・;:;
; , ∴)凵O)
∵,'
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- 295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:28:32.08 ID:2oV6dNaR0
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砕けた人外が二人なら
砕いた人外、
いや、人外を超えし人外も二人――
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- 301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:29:53.48 ID:2oV6dNaR0
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/ V 3 ニィィ
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散る、ヒートを見、笑みを浮かべる
魔人、荒巻と――
- 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:31:25.37 ID:2oV6dNaR0
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( ノメ) 不味いな、鳥肉は好きなんだが――
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――校庭に現れた“闘神”母者
- 331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:33:37.77 ID:2oV6dNaR0
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人外を超えし、二人の人外――
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/ V 3
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―― 一年塔と校庭遠く離れた場所ではあるが、同時に ――――
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( ノメ)
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- 341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:35:54.96 ID:2oV6dNaR0
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/ V 3 「はは...ふはははは!!!!!」
返り血を浴び
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@#_、_@
( ノメ)「エフエフッ…はは、ハハハハハッッ!!!!!!」
笑い声を上げた。
- 343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:37:33.41 ID:2oV6dNaR0
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最後の授業、五時間目が20分を過ぎた頃の話である。
――――残り授業時間25分
〔第17話:終〕
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