/ ,' 3 「皆さんが静かになるまで5分かかりました」のようです 一時間目 その一
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:19:09.52 ID:w5BJPJOc0
   
1時間目



キーンコーンカーンコーン......
いつものように、始業ベルが鳴り響く。


教室に入ってくるワタナベ先生。
「もう〜みんな座ってよぉ〜」との声に、ふざけながら応える生徒達。

「もう!男子ちゃんとしなよー!ワタナベ先生困ってるよ!」しっかりものの委員長。
「うるせーよ!パンチラッ!うわー!委員長真面目っ子のくせに下着黒のヒモパンでやんのーっ!」

「もうー!スカートめくりなんかやめなよ男子!」「はは、あははは!」

みんないっつも楽しそうで、その横でワタナベ先生があたふたしていて、
常に笑い声の絶えない教室であった。

そんな幸せな授業が今日もはじまるかとばかり思っていた、がそうではなかった。

もう、永遠にくることはない。


:(;-_-)):「うう、あああ...」

4年2組は僕を除いて、全員校長に殴り殺されたからだ。




43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:24:07.44 ID:w5BJPJOc0
   
朝の朝礼の事だった。
惨劇だった。


僕は引篭もりのくせに背ばかり高くて、
列の後ろの方に並んでいたからよく見えなかったんだけど。


聞こえてくる声、音だけで、状況を十分察する事が出来た。


助けを乞う悲鳴
なにか粘着質な液体が飛び散る音
笑う魔人
骨が砕け、肉が飛び散る音


唯一目にはいったのが


幾人もの生贄を前に嗤う、


/ ,' 3「うわああああはっあっ!!!たのしいのう!!!たのしいのう!!」



         ――――黒き、魔人の姿。




47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:28:07.10 ID:w5BJPJOc0
      

:(;-_-)):「うう、あああ...」


恐ろしさで、動けなかった。


スカートめくりでいっつも委員長をおちょくるヤンチャな男の子が
委員長を庇う為に、身を乗り出し、荒巻の一撃で消し飛んでいた。

その後委員長も頭を砕かれ、脳があたりに飛び散っていた。

いつも、ぼくをイジめる男の子も泣き叫びながら校長から逃げようとしていたけど、
荒巻の蹴りに背骨が折れ、口から内臓を吐き散らしていた。


クラスメートが目の前で殺戮されている。


それでも僕は、動けなかった。


そんな時

/ 。゚ 3「おやあ?こんなところで何をしてるのかのう?
    授業には積極的に参加しなきゃだめじゃぞ?」


魔人と、目があってしまった。




49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:33:37.20 ID:w5BJPJOc0
    
:(;-_-)):「う...あ...」

明らかに照準が此方に向いている。
しかし、どうにも足が動かない。


/ 。゚ 3 「泣け叫び、逃げ惑うガキを殺すのもいい」

/ 。゚ 3 「怒り狂い、飛び掛ってくる命知らずをひねり殺すのもオツなもんじゃ」

/ 。゚ 3 「しかし、それと同等に」


もこもこもこ...膨張する荒巻校長の筋肉。


/ 。゚ 3 「恐れで何も出来ないゆとりを殴り殺すのも素晴らしい!」

/ 。゚ 3 「さあ!なによりも美しい死をみせてくだされ!!」



:(;-_-)):「ひ、ひぃいい」

小便が流れでる。
あまりのおそろしさで、ヒザがいう事を聞かずガクガクと嗤う。
ここまでか、そう思ったときだった。




54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:37:14.58 ID:w5BJPJOc0
  
/ 。゚ 3 「いい声で鳴いてほしいのぉおおお!!!」

怒声と共に放たれたのは、どうみても致命の一撃。


:(;-_-)):


僕に放たれた、しかし、
僕の寸前でその一撃を受け止めるものが現れた。


:(;-_-)):

 ⊂
    ガシィ


手。
誰の?


:(;-_-)):

 ⊂从'ー'从  「あれれ〜荒巻先生何してるのかな〜?」


ワタナベ先生の手...!




60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:40:51.27 ID:w5BJPJOc0
     

/ ,' 3 「ほほほほ…いかんのうワタナベ先生」

/ ,' 3 「年寄りの楽しみを奪っては…」

/ ,' 3 「ワシはゆとりどもをぶち殺したいんであって、先生は興味外なんじゃが…」

/ ,' 3 「はて、しかしおかしいのう、なぜただの雌の教師であるワタナベ先生がワシの一撃を...」


从'ー'从「あれれー真拳」


从'ー'从「私は、あれれー真拳の伝承者なんだよー?」




/ ,' 3 「ほう!あの著名なあれれー真拳の!成程、得心いった」

/ ,' 3 「ならば、たのしむしか」

/ ,' 3 「ないのう!!!」




63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:44:26.06 ID:w5BJPJOc0
   

:(;-_-)):(あれれー真拳…!?)



震えながらも、思考を巡らす。
聞いたことがあった。

古武術、あれれー真拳。

武を志すものなら、一度は誰でも聞いた事がある。
あいての虚をつく事を奥義とした、伝説の古武術。


:(;-_-))「その極意、身をまとう研ぎ澄まされたオーラと聞くが……」

:(;-_-))「!!」



大気がビリビリと震える。
僕の目の先にいたのは、いつものホンワカした雰囲気でない
研ぎ澄まされた殺気を発すわたなべ先生だった。




67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:48:07.66 ID:w5BJPJOc0
   

从'ー'从(ヒッキーくん、聞こえてるかなー?)

:(;-_-))(は、はい!)



荒巻と距離をとり、
牽制しながら、先生は小声で僕に話しかけた。


从'ー'从(ごめんね、トイレの流し方がわかんなくて、遅れてきちゃって)

从'ー'从(状況がつかめないんだけど・・・)

周りに飛び散る血肉、死体を一瞥。


从'ー'从(……私のクラス、4年2組のみんなは?)


本当は察しているんだろうけど、諦めきれない湿った声。
先生の心中を察して僕は

:(;-_-))(………)

その質問に応える事ができなかった。




73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:52:39.86 ID:w5BJPJOc0
      

从'ー'从(………ありがとう、ヒッキーくんはやさしいんだね)

違う。

从^ー^从(その反応で、十分だよ)


そう先生は笑ってくれたけど
本当は

:(-_-))(……クラスのみんなが殺されても、なにもできなかった自分を知られるのが怖かったんだ…)


いつもはいたずらばかりしてる、ヤンチャなあいつも委員長を庇ってた
委員長も、クラスをなんとか逃がそうともがいていた。
みんな、生をあきらめてなかった。

その中で、ぼくだけが何も出来ずにいた。
それを知られるのが怖かったんだ。


从'ー'从(……)


从'ー'从(あたしが、荒巻校長先生と打ち合った瞬間、逃げてね?ヒッキーくん)


:(;-_-))(え……)




81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 16:57:23.20 ID:w5BJPJOc0
     

从'ー'从 (多分、ヒッキー君が今感じてる事は仕方ないよ)


:(;-_-))(え…?)


从'ー'从(あたしだって、遅れてきたせいで何も出来なかったんだからいっしょ)

从'ー'从(大事なのは、‘あの時、ああすればよかった’‘こうしなかったから…くそ!’じゃなくて)

从'ー'从(これから、どうするかだよ)

从^ー^从(だからあたしは精一杯ヒッキー君に託す!だからヒッキー君は、精一杯逃げちゃって?)


:(;-_-))(え、それはどういう…!)


そういう僕に、先生は軽く口付けをして、僕の背中をおした。


从'ー'从「さあ、いそいでにげなよ〜」


思えば、この時先生は気付いていたんだろう。
自分じゃ、荒巻校長に敵わない、って。




86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:00:42.94 ID:w5BJPJOc0

:(;-_-))(熱ッ!?)


先生に押された背中が、凄く熱く感じられた。
単純に凄い勢いで押されたから……ってのもあるんだろうけど
それ以上に‘気持ち’が篭っている気がして、僕は竦むのをやめた。


ワタナベ先生の言葉通り、走り出す僕。


その僕の逃走をきっかけに


/ ,' 3 「ほりゃああああああああ!!!!」


从'ー'从「あれれぇええええ!!!」



二人の闘争は、はじまった。




94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:04:59.46 ID:w5BJPJOc0
   

/ ,' 3 「ほっ!」



白髪交じりの老人――荒巻が、腹から声を捻り出し、繰り出す一撃。


咆哮。
人体は声は吐く時、尤も力を出せるといわれている。


つまり、この一撃は


从'ー'从(荒巻校長のこの一撃、くらうとまずいよおぉ〜)


それだけ、渾身とだという事。

迫る蹴り。


だが、寸前で渡辺は荒巻の足撃を両手で流し、両足を旋回させた。
間一髪、ワタナベがスウェーによって蹴りをかわし、バックステップする。
 




98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:10:19.44 ID:w5BJPJOc0
      

从'ー'从「いたたー…受け流しただけで、これー?」


荒巻の蹴撃を受け流した両の掌をさすりながら、ワナタベは愚痴を零す。
傷口からも愚痴のように、擦り傷状の傷から、血が滴り落ちている。


/ ,' 3 「ふん、わしからすればその程度ですんで僥倖!といった感じじゃがな」

玩具を弄び、壊す一撃ではない。
殺しにいった一撃だった。

あれを、簡単にいなされたのだ。


/ ,' 3 (やはり、あれれー真拳は伊達じゃないのう…)

クビをコキコキ、とならし、筋肉を解す。


/ ,' 3 「 燃 え て き た の う 」


こいつあいてなら、久々に本気をだせるかもしれない
一人、そう考え笑みを漏らす、荒巻




103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:15:33.66 ID:w5BJPJOc0
   
从;'ー'从ビリビリ

放たれるその、あまりに鋭い殺気。


从;'ー'从(近づくのは悪手…!)


あの異様な盛り上がりを見せる筋肉。
あの日本刀のように鋭く、冷たい殺気。
攻撃面じゃ、勝ち目はない。


从;'ー'从(あれれー真拳の極意は受けだよーならば…)

じりじりと間合いに気をつかいながら、思考をすすめる。
迂闊に相手の間合いにはいれば、それこそ死だ。

受けに徹し、敵が隙を見せたところでカウンター
現状、ワタナベが思い浮かぶ最善の闘法である。
その為に。

血の流れた掌を押さえながら、渡辺がふらりと立った。

从 'ー'从「あれれー?荒巻校長女の子相手に本気になってるのー?」


攻撃でなく、口撃で相手を挑発し、理性を失わせる…!
あれれー真拳の極意は拳だけにあらず、であった。




111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:22:21.59 ID:w5BJPJOc0

/ ,' 3 「ほう……と、言うと?」

荒巻が、スーツの懐から葉巻きと、異様に長いマッチ棒を取り出した。
マッチを豪快に擦ると、松明のような炎が燃え上がり、周囲を照らす。

明らかな怒気を双眸に宿し、荒巻はワタナベを見た。


/ 。゚ 3  ギンッ!


从 'ー'从(やっぱり怒ってる、これで幾許か隙が生じるはず…!)

从 'ー'从「と、いうとじゃなくてー、なんでいちいち格好つけてタバコすってるんですかー?
      あれれー?荒巻先生童貞くさいよー?」

/ 。゚ 3 ギンギンッ!

ワタナベの言葉に荒巻の白髪交じりの黒髪は金髪に染まり、
かつて人徳を感じさせた瞳は、今は爬虫類のごとく冷え冷えとした眼光を放っている。

/ 。゚ 3 「ワタナベ先生よ…わしゃ、いま怒っておる」

从'ー'从(それが作戦だからね…)「あれれー?なんで怒ってるのー?」

―――― ブ  オ  ア ッ ! !


怒号と同時に、大気が吼えた。




115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:26:34.43 ID:w5BJPJOc0
  

/ 。゚ 3 「わしが怒ってるのは安い挑発をされたからではないッッ!!!」


/ 。゚ 3 「そのような安い作戦が通用すると思われた事とッ!」

/ 。゚ 3 「怒らせさえすれば、どうとでもなるといった、その甘き渡辺先生の考えに怒ってるのじゃッ!!」


从;'ー'从「!!」「速―――」


尋常でない速度での踏み込み
先ほどとは、レベルが違う。


/ 。゚ 3「ワタナベよ、覚えておれ」
    「怒神を相手にする時、その怒神真に怒ったとき、生じるのは勝機ではない」


    「ただの、抗えない死だ」     




 ―――ゴッ…!
鈍い音が、あたりを支配する。  




122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:31:49.43 ID:w5BJPJOc0
    

从;'ー'从∩(く、くぅ――)


荒巻がその疾風の如き速度で、裏拳をワタナベの顔面に飛ばしたのだ。
一瞬、拳そのものが巨大化して見えるほどの、とてつもない拳圧。
鋭い拳風が、鼓膜を痺れさせる。

ワタナベが、思わず眼を見張った。
紙一重で腕を振り、これを防御に成功す。

が。

/ 。゚ 3「甘いわッッ!!!」

一方、荒巻はそのまま体を開き、短い間合いからソバットを跳ね上げる。

右手は素手に初撃の防御で使用っている。
絶望か、否。

从; ー 从∩「グッ…!」

追撃も、なんとか左手で防ぐ。
見えたのではない、体が、本能が反応した。


/ 。゚ 3 「ほう、、、これも受けおるか」

荒巻が感嘆を漏らす。




125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:35:33.70 ID:w5BJPJOc0


意識でおえなくとも、本能で反応する。
防御の極み、あれれー真拳の賜物である。


从; ー 从(なんとか防御は成功した)


从;'ー'从「ならば次!」


受けた渡辺の腕に、感電したような強烈な痺れ。
だが、まだ闘えるまだ―――



/ ,' 3 「気負うなもう終わりじゃ」

体を離し、間合いを広げた荒巻が一言。


从;'ー'从「え、いったい何を」


/ ,' 3 「まだ、気付いておらんか」




134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:40:09.60 ID:w5BJPJOc0


/ ,' 3 「おぬし、もう死んでおるんじゃよ」



           ピュー

             ▂ ▪ ▂▄▅▆▇■▀▀〓◣▬ ▪ ■ … .
              .▂▅■▀ ▪ ■ ▂¨ ∵▃ ▪ ・
            ◢▇█▀ ¨▂▄▅▆▇██■■〓◥◣▄▂
           ■ ▂▅██▅▆▇██■〓▀▀ ◥◣ ∴ ▪ .
  「え゛?」   ▅▇███████▀ ▪ ∴ ….▅ ■  ◥◣
        ▓░█▅▆▇████████▆▃▂  ▪ ■▂▄▃▄▂
   从;'ー▒▒▓_ ■  ¨ ▀▀▀■▀▀▀ ▪ ■ ̄
    


从;'ー 「え、いや、いや、いやああああああ」

从 ;ー 「とまってぇええおねがいぃいい」

荒巻の言葉で気付く、
荒巻の攻撃を受け止めた右手が粉砕し、攻撃を受けた頭も頭蓋骨が砕かれて。

己の頭から脳漿と血が飛び出ていたことを。
手でふさいでも、溢れ出る、とまらない、とまらない。

/ ,' 3 「防御けが聞かぬから、怒神というんじゃ、覚えておれ」




140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:46:28.90 ID:w5BJPJOc0
      

:(;-_-)):「アワワワワ...」


僕は、その様を4年2組の教室から見ていた。
外に出ようかとも思ったが、荒巻が校門のところにいたせいで、不可能だった。

必然、校内に逃げる事となったのだが。
居慣れない教室より、
いつもいる自分の教室が心落ち着くと思い、教室まできたのだ。

教室の窓は丁度運動場に接する場所にあるので、現場がよく見えた。


よく見えた。

死闘を演じるワタナベ先生が、

攻撃を防御けるワタナベ先生が、

頭の半分を右手と共に砕かれ、脳漿と血を飛び散らせながら
死にたくない、死にたくないと泣き叫ぶワタナベ先生が。

血を浴び、歪んだ笑みで嗤う校長の姿が


/ ,' 3




150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:52:05.60 ID:w5BJPJOc0


(-_-)「……」


しかし、不思議と恐怖は薄らいでいった。

死体をあまりに見すぎたせいだろうか。


多分、違う。
ワタナベ先生は、僕に言っていた。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  从'ー'从(大事なのは、‘あの時、ああすればよかった’‘こうしなかったから…くそ!’じゃなくて)

  从'ー'从(これから、どうするかだよ)

  从^ー^从(だからあたしは精一杯ヒッキー君に託す!だからヒッキー君は、精一杯逃げちゃって?)

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


(-_-)「大事なのは、後悔じゃない…」

(-_-)「これからどうするか…」


言葉を思い出すと同時、
不意にワタナベ先生に押された背中が熱く鼓動をするのを感じた。




152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:54:03.32 ID:w5BJPJOc0
      

(-_-)「あの時、ワタナベ先生は僕に笑いかけていた」


 ━━━━━━━━━━━━━━━
  
       从^ー^从

 ━━━━━━━━━━━━━━━




(-_-)「きっと、ぼくは託されたんだ、そうなんだ」


ドクンドクンドクン......
ワタナベ先生に押された背中が、熱く熱く鼓動する。


(-_-)「先生だけじゃない、クラスみんなの……ッ!」


キーンコーンカーンコーン......
いつものように、始業ベルが鳴り響く。




155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:57:56.66 ID:w5BJPJOc0
   

キーンコーンカーンコーン......
いつものように、始業ベルが鳴り響く。

しかし、いつもとは違う、
4年2組は最早自分だけ。


キーンコーンカーンコーン......
いつものように、始業ベルが鳴り響く。

鳴り響く、鳴り響く。

ワタナベ先生とあいつの戦いで見た

砂漠に水を一滴垂らすような、儚いものだけど
だけど、たしかに見えたあいつの弱点。

(-_-)(正攻法でついても、おそらく意味を成さないか細い弱点)

だが


(-_-)(どうにか不意をつければ…或いは…!)


(-_-)(先生、みんな)




156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 17:59:02.06 ID:w5BJPJOc0




  ―――――――仇は、必ずとるから。)





 キーンコーンカーンコーン......



 始業ベルは鳴り響く、一人の修羅を生み出したとも露知らず

 いつものように。


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