/ ,' 3 「皆さんが静かになるまで5分かかりました」のようです 二時間目
- 355 名前:2時間目:2009/05/18(月) 20:46:38.03 ID:w5BJPJOc0
-
_
( ゚∀゚)
ジョルジュ・長岡は公務員の父、専業主婦の母、弟想いの姉と
共に暮すどこにでもいるような幸せな幼稚園児だった。
_
( ^∀^)ニコォ
太い眉をうにうにさせ、にこォと笑うその姿は、
天使のようなかわいさがあり、近所の評判も上々だった。
しかし幼稚園で学年が年長さんにあがったときそれはおこった。
( ・∀・)「やーいやーい!お前の眉毛エキセントリック少年ボウイ!」
――――イジメだった。
- 356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:47:47.74 ID:w5BJPJOc0
-
はじめは些細なものだったが、
いままで何不自由なく幸せに暮らしてきたジョルジュにはそれが酷く堪えた。
イジメっ子というものは、そのヘコんでる姿を見ると余計に調子に乗るもので
_
( ;∀;) ヤメテヨー
( ・∀・)ジュル
泣き、怯えるジョルジュに対しイジメは更にエスカレートしていった。
- 359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:48:25.71 ID:w5BJPJOc0
-
( ∩∀⊂) エーンエーン
ジョルジュは目を閉じ、耳を塞いだ。
どうして僕はイジめられるのだろう
僕はなにも悪くないのに、僕は、僕は。
_
( ∩∀⊂) ⊂
しかし、闇の中光を与えてくれる手もあった。
_
( ∩∀⊂) ⊂(゚Д゚,,) 「目を開けろやゴルァ」
幼稚園児とは思えない、傷だらけで、汚い手だった。
_
( ∩∀゚)チラッ ⊂(゚Д゚,,)
_
( ∩∀゚)「きみ…は?」
それが、ギコとの出会いだった。
- 362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:49:36.64 ID:w5BJPJOc0
-
⊂(゚Д゚,,) 「キミは、じゃねーよ!」
_ アイテッ
( ∩∀<)⊂(゚Д゚,,) ボカッ
(,,゚Д゚)「人と話すときはしっかり目を見てしゃべれやゴルァ!」
_
( ∩∀゚)「……」
なんだろう、イジめられる時と同じくたたかれて痛いんだけど
痛くない、痛いんだけど、痛くない、この人の手はなんだか暖かいや
_
( ∩∀゚)「モ、モララーくんは…?」
_ アイテッ
( ∩∀<)⊂(゚Д゚,,) ボカッ
(,,゚Д゚)「初対面じゃまず自己紹介が礼儀だろうがゴルァ!」
- 364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:50:47.19 ID:w5BJPJOc0
-
_
( ∩∀゚)「す、すみません!あの、その僕は!」
_ アイテッ
( ∩∀<)⊂(゚Д゚,,) ボカッ
(,,゚Д゚)「漢のくせに何僕とかいってんだゴルァ!俺だろ、‘俺’!ほら!いってみろ!」
_
( ;∩∀゚)「う、うう...俺はジョルジュっていいます!5歳です!さくら組です!」
(,,゚Д゚)「やりゃできんじゃねぇか、
俺の名はギコ5歳でたんぽぽ組のヘッドを張らせて貰ってる、よろしくな」
- 366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:51:09.32 ID:w5BJPJOc0
-
(,,゚Д゚)「あっ、そうそう、お前がさっき言ってたモララーの糞野郎はおれがノシといた
イジめをするなんて、漢の風上にもおけねぇよな、まったく」
ξ
(,,゚Д゚)σ アッチ (>∀< ) キュウ...
(,,゚Д゚)σ「笑えるだろ、あの惚け顔、
散々偉そうにしてたくせにデコピン一発でおねんねだぜw」
_
( ∩∀゚)「……」
_
( ^∀^)ニコォ 「うん!」
僕に、笑顔が戻った。
- 370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:54:39.54 ID:w5BJPJOc0
- ギコの名は、実は知っていた。
(,,゚Д゚)「おら、行くぞゴルァ」
_
(;゚∀゚)「い、いいのかな、幼稚園を抜け出すなんて…」
(,,゚Д゚)「おれがいいって言ってんだからいいんだよ、ほら、さっさといくぜ」
_
(;>∀<) キャウ!
幼稚園に名を轟かす、ヤンキー。
お昼寝の時間も寝ずにどっかに遊びに行って。
おやつの時間にみんなポッキー食べてる時に、かにかまをほうばるヤンチャなヤンキー。
(,,゚Д゚)「ほら、さっさといかねーとセンコーに見つかっちまうぜ?」
_
(;゚∀゚)「あ、うん」
おかあさんやおとうさんも、そんな子に近づいちゃいけないよ!って言ってたんだけど
僕は、ギコといるのが楽しくて
(,,゚Д゚)「ほら、手貸してやるよ」
_
( ^∀^)「うん!ありがと!」
とても、楽しくて。
- 375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 20:56:50.77 ID:w5BJPJOc0
-
いじめられて、モノクロになっちゃった世界を
ギコが色づけてくれて
(,,゚Д゚)「ほらほら急げって、もうすぐだからよ」
_
(;゚∀゚)「そんなに急いでどこいんだよー」
(,,゚Д゚)「ほら、もう見えた」
_
( ゚∀゚)「此処は…?」
(,,゚Д゚)「見てワカんだろ?」
(,,゚Д゚)「道場だ!」
道場だった。
- 381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:01:21.05 ID:w5BJPJOc0
-
(`・ω・´)「お、また幼稚園抜け出してきたのか、悪い奴だ!」
(,,^Д^)「ギコハハハ!おれはVIP一のヤンキーだからな!そりゃ悪いにきまってる!」
_
(;゚∀゚)(うわー、すっごく大きな人…)
(`・ω・´)「おや、そっちの子は?」
(,,゚Д゚)「おう、よく気がついたなおっさん、おれのダチのジョルジュだ」
_
( ゚∀゚)「長岡ジョルジュといいます!よろしくお願いします!」
(`・ω・´)「ははは、ギコの友達とは思えないほど素直で元気でいいこだ!」
- 383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:05:16.04 ID:w5BJPJOc0
-
ギコに僕のような親はいなかった。
ギコの父親の友達であるシャキンおじさんが身元を預かり世話をしているみたい。
_
( ゚∀゚)(パパもママもいなくて、ギコは寂しくないのかな)
もし僕がそうだったら、寂しくて寂しくて
毎晩毎晩泣いちゃうかもしれない。
でも、隣にいるギコはそんな気配を微塵もさせず
ただただ、強くいたっけ。
だから、僕は思い切って聞いてみたんだ。
- 384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:08:10.73 ID:w5BJPJOc0
-
_
( ゚∀゚)「ねえ、ギコ、ギコってなんでそんなに強いの?」
(,,゚Д゚)「おう?」
ギコはすっかり道着に着替えて、空手の練習に入っていた。
(,,゚Д゚)「強さ…強さ、そうだな」
(,,゚Д゚)「おれよ、親がヤクザなんだわ」
(,,゚Д゚)「でよう、でっけえ抗争があったらしく、おれはおっさんとこに預けられたっつーワケよ」
_
( ゚∀゚)「うんうん」
- 386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:11:39.52 ID:w5BJPJOc0
-
(,,゚Д゚)「預けられたのが一才の時だから、正直親の事はあんま覚えてねぇんだけどよ」
シュッシュッ
小気味良い音を発し、ギコが拳を突く。
(,,゚Д゚)「唯一覚えてるのが、クソ親父のでっけえ背中なんだわ、
傷だらけで、イレズミだらけのな」
(,,゚Д゚)「デカくてよぉ、かっこいいのだけは覚えてる」
(,,゚Д゚)「だからよ、おれも親父を見習って、悪やってんだよ、ヤンキーな」
_
( ゚∀゚)「……」
(,,゚Д゚)「―――それで」
- 387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:15:07.73 ID:w5BJPJOc0
-
(,,゚Д゚)「―――これよ」
ズ ド !!!!
_
(;゚∀゚)「〜〜〜〜〜!?」
刹那、ギコの拳から銃撃かと思うほどの、拳撃音が道場に響いた。
空気を割くほどの生拳。
_
(;゚∀゚)「な、なにそれ…?」
(,,゚Д゚)「なにそれってみりゃワカるだろ、空手だよKARATE」
- 393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:18:33.43 ID:w5BJPJOc0
-
(,,゚Д゚)「4年……ずっと此処で拳を鍛え続けた」
(,,゚Д゚)「ヤンキー…」
(,,゚Д゚)「空手…」
(,,゚Д゚)「そんな、つえぇもん2つも同時にしてんだぜ?おれ」
(,,゚Д゚)「そりゃそうだろうよ、つえぇだろうよ」
_
( ゚∀゚)「……」
_
( ^∀^)「そうだな!最強だな!」
(,,^Д^)「おうよ!そうだろそうだろ!ギコハハハ!」
ギコのその強さに憧れて
その日から、僕もヤンキーと空手を始めた。
- 396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:21:41.09 ID:w5BJPJOc0
-
(,,゚Д゚)「セッ!」
_
( ゚∀゚)「ヤッ!」
くる日もくる日も拳を振るい、汗を流した。
ギコのように強くなりたくて、ギコ以上に強くなりたくて。
一人称も俺にした、ナヨナヨした態度もやめた。
拳が出来始めた。
腹筋がわれ始めた。
ギコとスパーが出来るようになってきた。
日々強くなる自分を実感するのが、とてもうれしかった。
_
( ゚∀゚)「おらぁ!」
それが、僕らが小学校にあがる頃の話。
- 403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:26:03.75 ID:w5BJPJOc0
-
(,,゚Д゚)「セッ!」
_
( ゚∀゚)「オラァ!!!」
(,,;゚Д゚)「クッ!」
_
( ゚∀゚)「勝機!!」
_
( ゚∀゚)o彡゜ 「おっぱい流星拳!!!!」
(,,;゚Д゚)「!」 ギュイーン
_
( ゚∀゚)o彡゜「ギコ!討ち取ったり!!」
「残像だ」
シュン_
(,,゚Д( ゚∀゚)o彡゜ 「なっ――」
ドコーン
_
( >∀゚)「あいてて…くそーいいとこまでいったのによ」
- 410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:30:47.38 ID:w5BJPJOc0
-
(,,゚Д゚)「大技を出すタイミングは早いからすぐ見切られんだよゴルァ」
_
( ゚∀゚)「チェッ、ようやくギコ相手に一勝もぎとれると思ったのによ」
(,,゚Д゚)「これでおれの108勝0敗、だな」
_
( ゚з゚)「チェー」
この頃までくると
おれとギコはVIPで敵なしと言われる程のヤンキーになっており
事実、ケンカをしても、負ける事はなかった。(ギコ以外には)
‘虎殺しのギコ’‘おっぱいマニアジョルジュ’
二つの通り名がVIPを支配していた。
そうやって、ギコと並んで歩けるのが、おれは凄く誇らしかった。
- 420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:38:35.27 ID:w5BJPJOc0
-
_
( ゚з゚)「あー、そういえばよ」
(,,゚Д゚)「おう、どうした?」
_
( ゚∀゚)「おれら、もうすぐ小学生だな」
(,,゚Д゚)「ああ、だな!」
おれらは幼稚園の頃から、入学してすぐ小学校をシメてやろうと計画していたので
ものすごいウキウキしていた、ウキウキパラダイスだ。
_
( ゚∀゚)「幼稚園じゃここらではもう敵ナシだけどよ」
- 421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:38:58.13 ID:w5BJPJOc0
-
_
(;゚∀゚)「小学校ってーと12歳までが相手なんだよな?」
_
(;゚∀゚)「流石にそりゃこえぇな…6つ上とか相手n――」
_ アイテッ
( ∩∀<)⊂(゚Д゚,,) ボカッ
(,,゚Д゚)「まったくテメェは、口調や体格が男らしくなっても性根はチキンのままだなゴルァ」
(,,゚Д゚)っ「出来なくてもヤル!テッペンとるまで突っ走るのみ!!」
(,,゚Д゚)「それが漢だろゴルァ!」
_
( ゚∀゚)「そうだな!」
_
( ^∀^)ニコォ
- 422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:40:53.55 ID:w5BJPJOc0
-
実際、おれもワクワクしていた。
無謀ともいえる6つ上との戦い。
実際おれらがいく小学校は猛者たちが集っているらしい、でも
_
( ゚∀゚)(ギコといればよ、なぁーんとかなりそうな気がするんだよなあ)
テッペン取り
ヤンキーのおれらは熱く熱く燃えていた。
待ちに待った入学
そして、その一ヵ月後―――
- 428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:44:27.48 ID:w5BJPJOc0
-
血と脳漿で彩られた運動場の真ん中
おれの腕の中で
_
( ゚∀゚)「おい…どうしたんだよ…返事しろよ?おい?ギコ?」
_
( ;∀;)「ギコォオオオオオオオ!!!!!」
(,,‐Д‐)
右手の拳をめちゃくちゃにされ
ギコは、静かに眠っているように死んでいた。
- 436 名前:ごめんね、当初ギャグで始めたから舞台小学校なの、高校とおもってくれてもいいよ:2009/05/18(月) 21:50:24.48 ID:w5BJPJOc0
-
_
(;゚∀゚)
⊂⌒~⊃,,;゚Д゚)⊃
いきなりファビョて暴れ出した荒巻校長の攻撃から
身を挺して、おれを護ったせいだった。
空手で動体視力を鍛えていたせいか
やけにスローモーションに見えた。
ギコが、おれを庇い、荒巻から攻撃を受け
ヤンキーとして、空手家として鍛えぬいたその肉体が壊され、壊され、壊され。
あいつが、絶命する瞬間ニィッって一瞬笑ったのも、見えた。
_
( ;∀;)「ふざけんなよおまえええええええ」
_
( ;∀;)「お前テッペンとるんじゃなかったのかよ!!なんの為に体きたえてきたんだよ!」
_
( ;∀;)「おれを護るためか?ちがうだろ、返事しろよ!!!!!」
- 444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 21:56:49.84 ID:w5BJPJOc0
-
_
( ∀ )「ゆるさねぇ…ゆるさねぇ…」
荒巻はというと、おれらの事など目にはいらないのか
教師一人を殺した後、校舎にのうのうとはいっていきやがった。
_
( ∀ )「おれらの事なんて眼中にないってか?なめんなよ?こら」
_
( ∀ )「おれらはな、このVIP小学でテッペンとる―――」
腕の中にいるギコを見る。
ギコを抱いているおれのこの腕、以前とは違い、丸太のように太く、力強い。
それだけじゃない、叩き込まれた空手の極意の数々……
そしてなにより、心理的な強さ
すべて、ギコからもらったものだ。
ならば、そのギコから貰ったものを総動員して、荒巻を倒してやろう。
_
( ∀ )「それで…満足してくれよな?おれはお前と違って出来のいいヤンキーじゃねぇんだからよ」
- 451 名前:場面>>310に戻る:2009/05/18(月) 22:00:54.00 ID:w5BJPJOc0
-
故に。
故にジョルジュは此処にいる。
( ゚∀゚)「オラァアア!!!」
尤も死に近い、場所、荒巻の眼前。
故にジョルジュは圧倒している。
1周りも2周りも大きく、強い荒巻を相手に。
想いを、力に変えて、拳を握り…!
/ ,' 3 (ば、ばかなこの強さ…!)
/ ,' 3 「ふ、ふざけるな!何故貴様のようなガキがそこまで強い!!!」
( ゚∀゚)「強い?そりゃ、あたりめーだろてめー」
- 454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 22:04:04.37 ID:w5BJPJOc0
-
( ゚∀゚)「だってオリャ――」
( ゚∀゚)「ヤンキー…」
( ゚∀゚)「空手…」
( ゚∀゚)「そんな、つえぇもん2つも同時にしてんだぜ?おれ」
( ゚∀゚)「そりゃそうだろうよ、つえぇだろうよ」
紡ぐ、かつてのギコの言葉を
( ゚∀゚)「だからよ、おれは」
( ゚∀゚)「最強だってんだ…!」
紡ぐ、想いを形にして。
言葉と共に、ジョルジュは腰を深く下げた。
その構えは‘虎殺し’ギコが好んで使っていた奥義。
――――‘虎砲’であった。
- 499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 22:54:45.94 ID:w5BJPJOc0
-
( ゚∀゚)「うぉおおおおおおおおお」
‘虎砲’
それは拳を正握りでなく虎爪にする事で始まる。
指を直角に曲げた掌底。
顔面を打つ際に、指が目に入る様に打つ。
( ゚∀゚)(やつをヤルには、これしかねえ)
虎爪状態で拳を放つことで
直接打撃と局部破壊を同時に成す事が出来る。
先ほどまで、ジョルジュが荒巻を圧倒していたとは言え、
実際それほどダメージを与えてはいない。
( ゚∀゚)(何故ならあの筋肉量!悲しいことに、打撃をいれれても、まともなダメージにならねえ)
( ゚∀゚)(だから…これで正解、打撃と見せ掛け目も潰せる最速の拳)
( ゚∀゚)(目を潰せれば、勝機はあるッッ!)
- 516 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 23:06:18.08 ID:w5BJPJOc0
-
腰を落とし、右手をだらりと脱力させ、虎砲の体性に入る。
( ‐∀‐)(本来この技はおれじゃ扱えねえ、ギコの得意技だ)
( ‐∀‐)(でもよぉ、出来の悪いおれの頭じゃ、これくらいしか対策が思いつかなかった)
( ‐∀‐)(だからよォー…)
( ゚∀゚)「ギコ、てめぇもおれに力貸してくれやあ!!!」
( ゚∀゚)「 カ ァ ァ ア ア ! ! ! 」
息吹。
( ゚∀゚) ギンッ
双眸を鋭く研ぎ澄ます。
呼吸によって練られた静かな闘気が、おれの全身に漲るのがわかる。
大丈夫だ、打てる……いや、打つ。
右手を‘虎’と化したジョルジュと対峙するは―――
- 519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 23:07:49.52 ID:w5BJPJOc0
-
/ ,' 3
/ ,' 3 コキコキ...
/ ,' 3
/ 。゚ 3 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
―――――― 魔 人 。
- 528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 23:14:10.97 ID:w5BJPJOc0
-
(;゚∀゚)ゾワッ
叫びと共に、さらに異様に筋肉を隆起させる荒巻の姿。
筋肉が躍動し、盛り上がっていく。
内藤に切られた右手も、そのあまりの筋肉の盛り上がりのせいか、血は止まり。
新たな筋肉の手が形どられ創られていく。
(;゚∀゚)「人間じゃ……ねェ…」
目の前の異様な空間を直視できず
ジョルジュの全身を、これまでで最大の悪寒が襲った。
突風が吹いたような、圧迫感。
今まで戦ってきた者たちを遥かに上回る、強烈なプレッシャー。
だが、それと同等にこいつになら‘虎胞’を試せるかも、という想いが沸き立ってくる。
(;゚∀゚)「こえェ…でも…」
( ^∀^)「おもしれェな!」
子供の時の、笑みそのままで。
- 530 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 23:15:28.98 ID:w5BJPJOc0
-
/ 。゚ 3 「……」
その笑みを見て
魔人も高らかに
/ 。゚ 3 「あ゛は゛は゛は゛は゛は゛あ゛」
笑う。
- 533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 23:17:38.66 ID:w5BJPJOc0
-
/ 。゚ 3 「面白い…誠に面白い」
/ 。゚ 3 「その小さき体に目いっぱい覚悟をつめこんで……」
/ 。゚ 3 「さあ、どうする、わしと闘うか?」
/ 。゚ 3 「さあ、どうなる、わしに勝てるか?」
/ 。゚ 3 「 ど こ ま で 戦 え る っ !!!!
そ の 人 の 身 で ! ! !」
/ 。゚ 3「 見 せ て く れ
見 せ て み ろ !!」
- 539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 23:20:31.31 ID:w5BJPJOc0
-
真に気迫。
魑魅魍魎に澱んだ空気が流れる。
血が踊る。
煮える。
巡るのを感じる。
( ∀ )
ユラリッ......と ジョルジュの眼光が鋭さを増し、もう右手の腕に殺気がこもる。
虎砲――――!
準備と覚悟が出来たかと同時に
荒巻の姿が迫ってくるのが見えた。
間合いまで、あと4m、3m、2m、1m――
やがて荒巻の拳がジョルジュの心臓の真上に添えられるような幻覚に襲われる。
恐怖が腹の底から湧きあがってくる。
絶望が頭の天辺から降りてくる。
恐怖と絶望が臨界を越えた刹那――――。
- 555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 23:33:10.58 ID:w5BJPJOc0
- / 。゚ 3「おりゃああああああああ」
―――――シュッ
先に放たれたのは、新巻の蹴り。
ジョルジュの顔面に向け発せられた あたればどうみても、 致 命 の一撃。
( ∀ )(―――!)
爆発したような衝撃が、ジョルジュの顔面で弾けた。
しかし、ジョルジュの顔面は無傷だった。
ジョルジュの歳と感じさせぬ精悍な顔。
そこより、わずか3ミリ程度も間を空けない位置に、荒巻の足が浮いていた。
何故か。
( ゚∀゚)「先に蹴りを放ってくれてありがとうよ…荒巻さん」
/ 。゚ 3「グッ・・・ヌッ…」
荒巻の顔面に食い込んでいるのは、ジョルジュの左拳。
右拳から放たれようとしていた虎砲に注意を払いすぎるあまり
左拳を、見逃していた。
( ゚∀゚)「いてェか?おれの左はよぉ?まあ痛くはねーだろ」
( ゚∀゚)「それはただの足止めなんだからよ、でも」
( ゚∀゚)「 こ っ ち は 痛 え ぜ ? 」
- 562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 23:38:23.94 ID:w5BJPJOc0
-
/ 。゚ 3「成程な……」
/ 。゚ 3「右拳を囮にし、左拳をまずあて、動きが止まったところでソレを思いっきりぶちこむと」
( ゚∀゚)「ご名答」
/ 。゚ 3 ゾクゥ
/ 。゚ 3 「やるのう、お主」
( ∀ )「アリガトサン――」
興味深げな笑みが、荒巻の貌を彩ったとき――
その台詞に、うつむきながら、ジョルジュは
( ∀ )「いおぉおおおおおおおおお!!!」
その右手に居る、‘虎’を繰り出した。
- 568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 23:45:18.24 ID:w5BJPJOc0
-
「息を吐き、腰を落とし、相手を睨みつけ」
「右手を重い金属とイメージして」
「相手の顎を掌底で打ちつけ、虎爪部分で目を抉る」
「脳を揺らしつつ、目を潰す」
「通常の突きとは違い、手首のスナップを聞かせることでよりいっそう早くする」
「最強にして――最速にして―――最大の一撃ッッ!!」
「――――――その名は」
( ゚∀゚)「 ‘ 虎 砲 ’」
ジョルジュの右拳が、虎と化し、疾走っていた。
目の前の魔人、荒巻の男の顔面を、射抜くように、真ッ直ぐに。
- 575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 23:47:31.03 ID:w5BJPJOc0
-
―――― ビ ュ ア ア ア ア ア ア
風を裂く音が、聞こえた。
たちまち、その拳に触れた大気が、虎と化し叫びを放ったかのように
その凄絶なまでの打撃に、ジョルジュは自ら全身が総毛立つのを感じた。
“剣気迫る”とは、まさしくこういう事を言うのだろう。
怖を感じる間もなく、拳が一閃した。
たしかに感じる手ごたえ。これが虎砲、これぞ虎胞。
( ゚∀゚)「ど、どうだァ!!!!」
し・・・・・・ん・・・・
その瞬間、辺りが奇妙なほどに静まりかえった。
鼓膜をえぐるような静寂。
まるで、世界からあらゆる『音』が断絶されたかのようであった。
- 579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/18(月) 23:55:56.76 ID:w5BJPJOc0
-
(;>∀゚)ビキィ 「い゛?」
瞬間、右手に違和感を感じる。
(;゚∀゚)「ちっ…」
右手の指はすべて折れ、白い骨が顔をだしている。
痛みはそれほどでもないが、
最早、拳として機能しないであろう。
(;゚∀゚)「ちぃ…」
だが、指についている血、ガラス体のような、トロトロとした体液。
( ゚∀゚)「早すぎて、よくおぼえちゃいねぇが目にHITしたのは確かなようだ…」
( ゚∀゚)「最悪視力は奪えた、右手1つで目を潰せたと考えりゃ上出来だ――」
-
- 587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 00:02:05.97 ID:bwl69lhe0
-
/ ,V 3 「ビューティフル!!!」
大声と共に、瓦礫の中から荒巻が這い出てくる。
(;゚∀゚)(ちぃ、潰れたのは左目だけで右目は健在か)
/ ,V 3「素晴らしい、素晴らしいぞ」
/ ,V 3「実力的には先ほどのワタナベの数段下をいくキミ」
/ ,V 3「わしにとっては羽虫以下の戦力のきみ
だがしかし、‘覚悟’と‘戦略’によって、私の左目が潰れるというキセキがおこった。」
(;゚∀゚)(右手はもう無理だ…なら左手で?左手でおれに虎砲が撃てるか?
いや――第一あいつに二度同じ手は――)
/ ,V 3「―――落ち着け、わしはほめておるのじゃ」
/ ,V 3「そう構えんでも、すぐ攻撃するわけじゃなあい」
- 593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 00:08:05.80 ID:bwl69lhe0
-
(;゚∀゚)「ふん、キセキだと?
命を、右手をかけたギャンブルで爺の目玉ひとつじゃ釣りあわねぇよ…」
/ ,V 3「いやいや、立派なキセキじゃよ」
/ ,V 3「わしとお主の戦力差…ポケモンで例えるとミュウツーLv100 vs ラッタLv13」
/ ,V 3「必殺前歯で、ミュウツーの体力ゲージを2割ほどへらしたんじゃ・・これは僥倖
素晴らしいキセキだと思わんか?」
(;゚∀゚)「……言ってろカス」
(;゚∀゚)(あいつが話している間に隙を突くしかない!対角線上に飛び込んで金的を――)
/ ,V 3「だから、わしは敬意を称す」
/ ,V 3「 敬 意 を 称 す 」
(;゚∀゚)「なっ――――」
- 603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 00:13:08.32 ID:bwl69lhe0
-
そう言うと荒巻はニヤニヤにやけながらその大きな自分の残った右目に、指を突っ込み
クチュクチュとかき混ぜはじめた。
(;゚∀゚)「なっ――――」
/ V 3「ふはははああ!!これは痛い!!痛いぞぉおおお!!」
荒巻の右目光彩が大きく見開いた、と思えば、それが指圧で破裂し
ジュクっとした、トロトロの内液ガラス体が血液とブレンドされ、噴水の如く沸きでた。
鉄の匂いが周囲に広まり、眼壺を書き廻す心地よい音が空間を支配する。
/ V 3「ひゃっーはっはっ!!!
どうじゃ!!このご褒美は気に召すかな??」
(;゚∀゚)「こ、こいつ、残った片方の眼まで自分で――」
- 613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 00:18:15.36 ID:bwl69lhe0
-
/ V 3「これが狙いじゃったんじゃろ?うれしいじゃろ?
クリスマスプレゼントをもらったような感覚じゃろ???」
/ V 3「おいおい、望みどおりにしてやったんじゃぞ?
笑 え よ ジ ョ ル ジ ュ 」
/ V 3「ひゃっーはっはっ!!!
何故視力を失ったわしが笑い転げててお前が引いてるんだいひゃはああ
おかしな話じゃのうおかしな話じゃのう!あひゃいゃいゃあああ」
(;゚∀゚)「く、くるってやがる…」
/ V 3「おっと…本当は目玉をプレゼントするつもりじゃったんだが
テンションが上がりすぎて潰してしまったわい」
/ V 3「さあて……理想の状態じゃろ?目を見えないわしこれなら勝機があると?
ためしてみようじゃないか、のう?ジョルジュ」
(;゚∀゚)「……」
- 624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 00:24:10.49 ID:bwl69lhe0
-
/ V 3「おいおい、どうしたんじゃ?惚けてしまって」
「今、お前がいるのは―――わしの間合いじゃぞ?」
タンッ
(;゚∀゚)(!!)
いきなり飛び出してきた手が、ジョルジュの首筋をつかんでいた。
正確には、人指し指と親指の2本で、ジョルジュの頸動脈を絞めているのだ。
ころりとした、優しささえ感じさせるしわくちゃの指であった。
その指が、今は万力のような強力さで、ジョルジュの血流をせきとめている。
ギュウウウウウウウウウ・・・
(;゚∀゚)(くぅ…これは・・・ヤベェ)
完全に油断、否、?まれていた。
予想外の荒巻のキチガイ行動が、ジョルジュを戦意を払ったのだ。
- 632 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 00:27:38.55 ID:bwl69lhe0
-
/ V 3「いかんなあ、気を張ってもらわなくては、
プレゼントの意味が無くなってしまうじゃないか、のう?」
/ V 3「それとも、このプレゼントのおかげでもう位置は掴めないとおもったか?
残念だったのう、お前ほど血をながしていれば、ある程度は鼻で追える」
/ V 3「……そりゃ、細かい間合いの計りあいなんかは無理じゃが」
/ V 3「このように」
/ V 3「獲物を捕え」
/ V 3「しめつけるくらい!はのう」
拳でドンドンと、抗うように荒巻の腹を殴るが、まるできかない。
/ V 3「ほっほっ、無駄じゃ、ワシの筋肉は鎧
体重も腰もはいっていないそのような打撃きかんわい」
(;゚∀゚)(まじい、このままじゃ脳に血がいかなくなり、ブラックアウトしちまう......)
- 635 名前:?のとこはのまれていた と漢字で書いてました 対応してないみたいですね訂正:2009/05/19(火) 00:28:17.41 ID:bwl69lhe0
-
/ V 3「おいおい、どうしたんじゃ?惚けてしまって」
「今、お前がいるのは―――わしの間合いじゃぞ?」
タンッ
(;゚∀゚)(!!)
いきなり飛び出してきた手が、ジョルジュの首筋をつかんでいた。
正確には、人指し指と親指の2本で、ジョルジュの頸動脈を絞めているのだ。
ころりとした、優しささえ感じさせるしわくちゃの指であった。
その指が、今は万力のような強力さで、ジョルジュの血流をせきとめている。
ギュウウウウウウウウウ・・・
(;゚∀゚)(くぅ…これは・・・ヤベェ)
完全に油断、否、のまれていた。
予想外の荒巻のキチガイ行動が、ジョルジュを戦意を払ったのだ
- 639 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 00:30:36.51 ID:bwl69lhe0
-
(;゚∀゚)(ちぃいいい!!!)
このままでは、糸が切れた人形のように崩れ落てしまう。
(;゚∀゚)「そうだ、筋肉が邪魔なら」
(;゚∀゚)「隙間!!拳を正拳でなく、虎爪にして、肋骨の間を縫うように」
(;゚∀゚)「打!打!打!」
/ V 3「く、はっ…」
/ V 3「やるのう…」
(;゚∀゚)「はあはあ…」
おれは、なんとか難を逃れた。
- 645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 00:35:03.48 ID:bwl69lhe0
-
( ‐∀‐)「コォオオオオ……」
荒巻から距離をとり、息吹で呼吸を整える。
/ V 3「ほっほっほっ……まともな打撃がだめなら骨子術」
/ V 3「基本中の基本だが……ああいう時あ中々浮かばないもの」
/ V 3「やっぱり、やるのうお主」
( ‐∀‐)「……うるせぇよ…」
意図してか、どうかは知りようが無いが
こいつの大きな武器の一つに、理解不能の言動を行い戦意を喪失させるものがある。
( ‐∀‐)(今のは危なかった、本当にあぶなかった…)
空手の修行はいやほど積んだが
精神的な修行を積んだことのない7歳のおれには、抗え切れないものがあった。
- 652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 00:40:16.91 ID:bwl69lhe0
-
コォオオオオ……
息を吸い吐きしながら、考えをまとめる。
( ‐∀‐)(ならば、どうする)
こういうのは、対策しようと思ってもできないから、怖い。
あいての話術にかからないように、心を固めると
不意をつかれた時、心を固めた分動揺がもろにでてしまうからだ。
( ‐∀‐)(どうする、どうする……)
( ‐∀‐)(………)
( ‐∀‐)(簡単じゃねェか)
( ゚∀゚)「同じだ、普通にヤンのと同じ」
( ゚∀゚)「全力で―――あいてぶっとばす、そンだけだ!!」
- 658 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 00:46:03.64 ID:bwl69lhe0
-
( ゚∀゚)「破ッッ!!!」
双眸を鋭く研ぎ澄ます。
呼吸によって練られた静かな闘気が、再度ジョルジュの体に巡る。
先ほどと同じく、腰を深く落とす。
先ほどと違うのは、右を前に出すのではなく
左を前に!
つまり、左手を用いた本日二度目の虎砲―――!
( ゚∀゚)(成せるのか――おれに、いや――)
( ゚∀゚)(成す、そして――― 殺 る )
- 667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 00:54:01.53 ID:bwl69lhe0
- / V 3「ほう……この澱みながらも心地よい空気、また‘虎’をだすのかのう?」
( ゚∀゚)「さァな……かかってくりゃワカるんじゃねえ?」
グニャ〜〜〜〜〜・・・・と、二人の間の空間が陽炎のように歪んでいく。
怪物2頭だ。
どちらも人を超越している怪物同志が対峙している。
( ゚∀゚)「こえぇなあ…」
/ V 3「随分と正直じゃのう」
飾らないジョルジュの言い方に、荒巻も思わず笑みをこぼす。
しかし、次の瞬間には、その貌は魔人のそれへと戻る。
/ V 3「ジョルジュ長岡……その覚悟、その意気込みやよし」
/ V 3「存分に殺し合おうぞ」
言い切った荒巻に呼応し、ジョルジュは構えを正す。
絡み合う両者の視線、間合い
ついには、その間合いが、触れあった。
- 673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 00:58:01.76 ID:bwl69lhe0
-
一触即発。
この状況を表現する言葉があるとしたら、これしかないだろう。
睨みあう怪物二人。
━━━━━━━━━━━
/ V 3 (゚∀゚ )
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魔人荒巻とジョルジュ。
緊張が極限まで高まる。
まるで張り詰めた一本の糸で支えられているかのよう。
切れた途端に雪崩のように激しい攻防が始まるであろう。
そんな状況――――。
今、この二人に割って入ろうなどと思うものはいないだろう。
普 通 な ら
アメリカとロシアのケンカにクビをつっこむような、ものだ
もし、いるとしたらこの両者より強き修羅か
あるいは空気の読めない命知らずの馬鹿のどちらかだ。
- 679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 01:00:59.22 ID:bwl69lhe0
-
そんな中―――
━━━━━━━━━━━
/ V 3そ Σ(゚∀゚ )
━━━━━━━━━━━
「ちょっとその勝負待った――!!!!」
空気の読めないやつが現れるッッ!!!
(#'A`) 間に合ったで!!お前らちょっと表にでろ!!
(_⌒ヽ
,)ノ `J
(;‘_L’)「だめっスよドクオ先輩!いいとこなんですから邪魔しちゃ…」
よ ほ ど の 莫 迦 登場!!!
- 687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 01:04:08.97 ID:bwl69lhe0
-
(#'A`) なにが邪魔だ!真打登場だろうが!!
(_⌒ヽ
,)ノ `J
(;‘_L’)「だめっスよドクオ先輩!そんなキモい足で戦場に駆け込んじゃ…
…って近くでみたら余計キモッ!すげぇカエルみたいテカってやがる…」
(#'A`) むきょー!うるさい!チュンリー足といえ!チュンリー足と!!
(_⌒ヽ
,)ノ `J
(#'A`) てめェら!どっちが校長かしらねえが!よく聞け!!
(_⌒ヽ
,)ノ `J
━━━━━━━━━━━
/ V 3そ Σ(゚∀゚ )
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- 693 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 01:06:31.06 ID:bwl69lhe0
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(#'A`) 魔人がなんぼのもんじゃい!!空手がなんぼのもんじゃい!!
(_⌒ヽ
,)ノ `J
(#'A`) 生徒会トイレ掃除委員6年生:ドクオの名をもって!
(_⌒ヽ
,)ノ `J
(#'A`) おまえらという、ガンコなうんこ汚れ!成敗してくれる!!!!
(_⌒ヽ
,)ノ `J
- 701 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/19(火) 01:08:47.16 ID:bwl69lhe0
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/ V 3 …… Σ(゚∀゚ ) ……
━━━━━━━━━━━
魑魅魍魎に澱んだ空気。
一触即発の中飛び込んできたよくわからんうんこ。
きーんこーんかーんこぉーん...っと
うんこの宣言と共に、2時間目の終了を告げるチャイムが鳴り響いた。
第三勢力の登場で更に混沌と成る、空間。
なにが起こるか、神すらも予期できないであろう。
2時間目、終了。
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-
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