/ ,' 3 「皆さんが静かになるまで5分かかりました」のようです 四時間目 その2
711 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:09:55.79 ID:G67qriN60
       


 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)チュンチュン


 ぼくは ことり。

 
 きょうも えさをもとめて このおおぞらを とびまわるんだ。

 おひさま ぽかぽか。
 かぜが びゅーびゅー。


 ちいさな ぼくのからだには かぜが すこし つよい けれど

 ぽかぽかおひさまが とっても きもちいい!

 ふふふ きょうは なんだか いいことが ありそうだなあ




716 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:15:25.42 ID:G67qriN60
 

 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)チュンチュン

 ちゅんちゅん、ちゅんちゅん。

 おなかが へった。

 ちゅちゅん、ぴゅちゅぴゅ

 えさを さがそう。

 えさを さがそう。


 おまめを まいてくれる 
 おじちゃんがいるこうえんは ぽっぽ はとさんの なわばりだし
 

 ざんぱんほうふな ごみすてばは えらそうな からすがいつもいる


 からす! あいつきらいだ! 
 からす! あいつはいじわるだ!


 からだが ちょっと おおきいからって ええらそうにして

 ぷんぷん だから ぼくらことりは えさばを さがすのに ひとくろう!




720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:18:18.31 ID:G67qriN60
 
 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)チュンチュン


 ちいさな からだを めいっぱい うごかして えささがし!

 みつからないと しんじゃうから ひっしだよ!


 ちゅんちゅん、ちゅんちゅん。

 そのとき かぜにのって いいにおいが ながれてきたんだ



 ヾヽヽ
 (,, ・∀・) なんだろう このにおい


 じゅるる おもわず よだれが あふれちゃう


 ヾヽヽ
 (,, ・∀・) ちかくみたいだ おいしいものが あればいいなあ


 ちゅんちゅん、ちゅんちゅん
 おいしそうな えさのよかんに ぼくは ドキドキ!




724 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:22:34.65 ID:G67qriN60
      
 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)チュンチュン


 ちゅんちゅんちゅん! 
 ぱたぱたぱた!

 かぜにのって おいしそうな においのするほうへ

 ちゅんちゅんちゅん! 
 ぱたぱたぱた!

 おいしそうな においは どんどん ちかくなる


 ヾヽヽ
 (,, ・∀・) あ あそこ かな?

 ちゅんちゅん ひろおい ひろばに 
 
 あかいいろの たべものが たくさん!
 
 やったあ! とんできた かいが あったぞ


 これだけあれば いじわるからすが きても

 どくせん させる しんぱいが ないね!




729 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:24:44.89 ID:G67qriN60
   

 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)チュンチュン

 
 ちゅんちゅんちゅん
 ぱたぱたぱた


 つばさを たたんで ひとやすみ

 ひろばに あしを つけましょう


 ヾヽヽ
 (,, ・∀・) おいしそうだなあ


 おりたってみれば そこはてんごく

 あかいいろの ごちそうが たくさんあった!

 
 これだけあれば おなかいっぱい たべれるぞ

 
 ちゅんちゅんちゅん
 ぱたぱたぱた




730 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:28:38.66 ID:G67qriN60
   
 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)チュンチュン


 ;:;:∵A;:;:∵            ξ


 やったあ たべやすいように 
 ぐちゃぐちゃに なった ごちそうもあるぞ


 ぼくら ことりは おくちが とっても ちいさいから
 たべる おおきさに するのがひとくろう



 ヾヽヽ
 (,, ・∀・) やったぞ いただきまあす


 ちゅんちゅんちゅん

 ついばもうとした そのとき だった!

 ヾヽヽ
 (,, ・∀・) ん?

 ぼくは すごいものを はっけんしたんだあ!




737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:32:02.04 ID:G67qriN60
 
 ヾヽヽ
 (,, ・∀・) チュンチュン


 ;:;:∵A;:;:∵            ξ

 ぐちゃぐちゃの ごちそうの ちかくにある


 ⊂

 にんげんの て のようなもの

 ふだんは にんげんなんて たべないんだけど

 このてからは すっごく おいしそうな においが するんだ!


 ヾヽヽ
 (,, ・∀・) チュンチュン


 ぐちゃぐちゃの ごちそうも たべやすくて いいけど
 
 この いちばん おいしそうな においが する ものから たべよう!

 こんなおいしそうなものを どくせんできる ぼくはしあわせものだなあ

 そうおもいながら ぼくは くちばしを つっこんだ ちゅんちゅん




738 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:33:21.13 ID:G67qriN60
  
 ヾヽヽ
 (,, ・∀・) チュンチュン


 ああ とっても おいしそう! 
 
 もう がまん できないや いただきまあす!


 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ



 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ


 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ



 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ


 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ




740 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:35:01.25 ID:G67qriN60
 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ


 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ

 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ

 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ


 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ

 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ

 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ


 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ

 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ




743 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:36:35.11 ID:G67qriN60
 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ


 ヾヽヽ
 (,, ・∀・)⊂ ツイバミ

 ヾヽヽ
 (,, ・∀゚)⊂ ツイバミ


 ヾヽヽ
 (,, ゚∀゚)⊂ ツイバミ


 ヾヽヽ
 (,, ゚∀。)⊂ ツイバミ

 ヾヽヽ
 (,, ゚д。)⊂ ツイバミ
              д。)⊂ ツイバミ
 ヾヽヽ 。)⊂ ツイバミ
 (,, ゚д。)⊂ ツイバミ
 ヾヽヽ      д。)⊂ ツイバミ
 ヾヽヽ 。)⊂ ツイバ
 (,, ゚д。)⊂ ツイバミ。)⊂
 ヾヽヽ
д。)⊂ ツイバミ
ヽヽ
 (,, ゚д。)⊂ ツイバд。)⊂ ツイバ




752 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:41:03.57 ID:G67qriN60
    ヾヽヽ
 (, , ゚д 。) ちュン さゆヵ


 よそう どおり おいしや

 おいしすぎ て と mらない

 すごい たらなまい

 うま きゅ tm

 からだの なk あら たべたもの が おそいかkって くr

 ぼく はことr ?

 ことり?

 kた?

 ゅr?

 ???? あr ぼくは なnだっけ っこち? yl。lmj?




755 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:42:30.31 ID:G67qriN60
   ヾヽ ヽ
 (, , ゚д  。) ち縺ン繝ゅ」繧



 ・キ・ニ・」・マ・・ソ。シ。。ハムツヨ、ャスニ、、ヨ、テハ?ケマテ、


 、「、コ、゙、、ャツ邊ヲ。ァスサメケ簑クテ」、ホニ??ノチ、、、ソマテ 。



 ク。ァ、カ、?ト、ッ

 オ、キ、ヒ、ォ、?熙゙、キ、ニVIP、ャ、ェチ、熙キ!

 サメキイ゙、ネ、、、ヲフセ、ホタ、ウヲー?霪?!

  ・ォ・、・ク。

~  YS。ァ20ヌッ、荀テ、ニ、、?


  ・ォ・、・ク。

~  YS。ァ20ヌッ、荀テ、ニ、、?




756 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:43:48.30 ID:G67qriN60
           

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 ・・・・・・・・・・・・・・・・



 ・・・・・・・・・・・




768 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:52:04.70 ID:G67qriN60
   
( ゚∋゚) クックドゥルドゥー


 どれくらい寝ていただろうか?
 5分程かもしれないし、永遠かもしれない。

 いや、そんな些細な事は、最早どうでもいい。


 私は、とても清々しさと幸福感で胸がいっぱいだからだ。

 目覚めた私が始めに認識したのは、
 かつて上空から眺めていた、王者人間のような体を持つ私だ。


 どういうメカニズムでそうなったかわからなかったが......
 ともかく、私は人と成ったようである。
 
 いや、サイズや姿かたちはそうでも、
 顔だけは鳥のままなので半獣と言った方が適切かもしれない。



( ゚∋゚) クックドゥルドゥー


 自分の腕を見る。
 先ほどの小鳥であった私からは想像できないような太く、たくましい腕。




779 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 20:59:45.18 ID:G67qriN60
       
( ゚∋゚) クックドゥルドゥー



 思わず、笑みが零れる。
 あの脆弱な小鳥であった私が、このような力を。

 体が、力で溢れている。

 人語を理解できるようになっているのは嬉しいが、
 どうやら、話す事は出来なさそうだ、それが唯一残念だった。


 どのようにして、私は人と成ったのだろうか?

 小鳥として残っている最後の記憶では、
 あのとてつもなく本能を刺激する、人間の右手首に一心不乱嘴を突っ込んでいた事と

 咀嚼し体内に放り込んだ後、
 内臓を、血液を、脳髄を侵略されるような
 受身的快感に襲われていた事を覚えているばかりである。

 あの人間の手のようなものが、私にこの体と知能を与えたのだろうか?


 ――――まあ、そんな事はどうでもいい、些細な事だ。


 私は顎に手を添えると、上空を見上げてみた。




782 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:05:41.47 ID:G67qriN60
       
( ゚∋゚) クックドゥルドゥー......


 いつも、自分が見ていた光景とは逆の光景。

 望んでいた。
 鳩にも、鴉にも人間にも追い払われ、
 逃げるように、誰もいない場所を探しエサ探しをする日々からの脱却。

 しかし、小鳥であった私は、どう抗っても抗えぬ宿命であった。  

       
( ゚∋゚) クックドゥルドゥー......


 運命という名の決して越えれぬ壁。誰にも越えれぬ壁。
 ずっと、そう思い込んで、仕方ないと生きてきた。

 だがしかし、私はこうして人と成り、力を手に入れた。

 カァカァ......

 死臭に誘われたのか、カラスが人間の肉を啄んでいるのが見えた。
 撫でる様にケリを入れる、カラスはすぐに汚らしい肉塊と化した。


( ゚∋゚) クックドゥルドゥー......

 其の様を見て、私は。




784 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:10:09.44 ID:G67qriN60
 

(*゚∋゚) クックドゥルドゥー!!!!!!!


 私は口を限界まで開き、身を震わせて、
 声にならない雄叫びを上げた。


 凄まじい喜びの奔流が、私神経を駆け巡り、そうさせたのだ。


 法悦。


 弱肉強食がこの世の定めなら、私もそれに従おう。

 力を与えてくれた、手の持ち主に感謝しつつ、獲物をさがす。


 おなかが へった。

 ちゅちゅん、ぴゅちゅんちゅん


 えさを さがそう。

 えさを さがそう。
 




791 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:24:07.78 ID:G67qriN60
       



('、`*川(急がなきゃ、急がなきゃ――)


 会長から命を受けて3時間弱。
 目的の物は未だ見つかっていない。

 生徒会副会長4年生ペニサスは、校内を足早に歩き続けていた。


 ペニサスの思考を占めるのは、
 自分の過去も現在も未来も受け入れてくれた、たった一人の先輩の事。


('、`*川(クー会長の為に...!)


 事は、ドクオが部屋を出て行った3時間前まで遡る。




799 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:33:39.14 ID:G67qriN60
      
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


〔1時間目:ドクオが飛び出した後の生徒会室〕



川 ゚ -゚)「行ったか、莫迦め」    

( ´∀`)「いいんですか?ドクオ、死んじゃうモナよ?」

川 ゚ -゚)「大丈夫だ、流石兄弟に荒巻捕獲についてもう指令はだしてあるからな」

川 ゚ -゚)「死ぬ前に兄弟が助けてくれるだろう
     まあ、あいつでも兄弟が到着する時間稼ぎくらいはできるはずだ」

(;´∀`)(やたら炊きつけてると思ったら、そういう事かモナ)


从 ゚∀从「で、オレらはどうすんだよカイチョーさん」

从 ゚∀从「まっさか‘遺憾の意’を出しながら荒巻はドクオや流石にまかせて
      おれらはノンビリティータイム!ってのはねーのな?」

川 ゚ -゚)「勿論だ、ちゃんと仕事は用意してある」

      
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




808 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:47:54.99 ID:G67qriN60
  

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
川 ゚ -゚)「荒巻がマイオスタチン関連筋肉肥大と無痛病を発病してるのは知っているな?」

从 ゚∀从「ああ、以前からマークしていたからな
     ......まあ、対策する前に実際惨劇がおこっちまったんだけどよ」

( ´∀`)「どちらもDNAが密接に関係する、億分の一でしか現れない奇病」

( ´∀`)「でしたモナ?」

川 ゚ -゚)「そう、そのDNAが関係するって所がキモだ」    

川 ゚ -゚)「この稀な病気二種が、荒巻の体内で突然変異を起こしている可能性が高い」

(;´∀`)「突然変異?」


从 ゚∀从「今流行りの突然変異ってやつか…」

川 ゚ -゚)「うむ、そうだ」

      
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




811 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:54:18.77 ID:G67qriN60
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
川 ゚ -゚)「奴の血肉と接触すると、なにかしらの異変が起こる可能性が高い」


川 ゚ -゚)「奴は、おそらく戦いにあけくれているだろう」

 
川 ゚ -゚)「戦いによって飛び散った
     奴の血、肉片、奴の体の一部を見つけて、隔離しろ」

  
川 ゚ -゚)「なにがおこるか、わからん、迅速に頼んだ」

从 ゚∀从「仕方ねェな、わかったよ」

( ´∀`)「会長のご命令とあらば、モナ」

川 ゚ -゚)「ペニサス、お前も頼んだぞ?」    


('、`*川「……」

('∀`*川「ハイ!」 

      
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:58:21.70 ID:G67qriN60
   

 事の重大性も、理解してたつもりなんだけど
 そんなことは、ぶっちゃけどうでもよくて、
 会長に頼られる事が、なにより嬉しかった。


♪〜('、`*川


 ペニサスと言う名前なだけでイジめられてたあたし、
 自殺しようだなんて、バカな事を考え出すまで追い詰められてた
 あたしを救ってくれて、生徒会という生きる道まで与えてくれたクー会長。


 彼女の為なら、なんでもする。
 あたしは彼女のために生きるときめたのだから。



('、`*川(しかし、ないわね...それらしくもの)

('、`*川(今荒巻がいるであろう1年塔は流石とドクオにまかせるとして)

('、`*川(後は……そうねえ、原点回帰的な意味で、校舎に向かってみようかしら)




844 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:55:27.95 ID:G67qriN60
       

 四時間目も終わりが近い時刻の事である。


从 ゚∀从「おっかしいなあ」


 ペニサスが、先ほどからケータイに出ない。
 定時連絡の連絡だ。

 なにがあってもでるはずである。



从 ゚∀从「なにかあったのか?」


 不安に思い、GPS機能を用いペニサスの居場所を確認する。



从 ゚∀从「校庭...か」

 校庭なら、電波が届かないという事もありえない。


从;゚∀从「いやな予感がするぜ――」

 ハインはペニサスがいるはずの校庭へ、駆けた。




851 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:02:33.95 ID:G67qriN60
      


从;゚∀从「疾ッッ!!」


 急ぎ足で校庭に向かったハインを出迎えたのは


从;゚∀从「!!」



(; ∀ ) 

 両脚を失い、苦しそうに息を吐きながら
 芋虫のように、地を這うモナーと


(* ゚∋゚) クックドゥルドゥー

(゚q゚*川「あ゛あ゛アァあ゛あ゛ぁあ嗚゛あ゛アあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛嗚呼あ゛あ゛あ゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛嗚呼あ゛゛あ゛あ゛嗚呼あ゛あ゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛嗚呼あ゛あ゛ァ」



 ジュルジュルジュル......

 謎の獣人に
 生きながら、頭を割られ、脳を啜られているペニサスの姿であった。




868 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:12:05.39 ID:G67qriN60
   


(* ゚∋゚) クックドゥルドゥー


 人間とはなんと脆いのだろう。
 そして、美味であるのか。

 人と成れ、歓喜に震えていた私の前に現れたニンゲン。
 それは、そこらに散らばる屍よりも、とても魅力的で美味しそうにみえた。

 意識のないまま私は本能にしたがい
 そのニンゲンを殴り倒し頭蓋を砕き、
 孔を開け直接嘴を突っ込みジュルジュルと脳髄を食したみたのである。


 ムニュ…ムニュ…と噛む度
 口の中で弾ける雑味なき肉の味。


 それは、小鳥時代食してきたどの食物よりも美味で、
 また、私の語彙では形容しがたい神秘性を秘めてい、記憶の彼方へと飛び経ちそうになるまでであった。
 




870 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:13:30.96 ID:G67qriN60
   

(;゚∋゚) クックドゥルドゥー


 あまりの美味しさに汗をかく私。

 目を瞑り、神に感謝しながら、今度はゆっくりと咀嚼する。


 すると、噛むほどに新たな味が染み出てきて―――
 イヤ、にじみ出てきて、尽きることない芳醇かつ野性的な旨みが舌の上で広がっていくのだ。


 しかし脂っこくはない、不思議な神を感じさせるその按配に
 脳の芯をジィンと響かせながら、私は感謝する。


 そして、鼻をつくこの濃厚な香り―――



(* ;∋;) クックドゥルドゥー

 私は、思わず涙した。




883 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:20:32.47 ID:G67qriN60
     

(* ;∋;) クックドゥルドゥー


(゚q゚*川「あ゛あ゛アァあ゛あ゛い゛意異ィ卯゛ンァ゛びゅぃがklじょうjfさ;!!!!」

 

 ありがとう、ありがとう。
 私の言葉は伝わらないだろうが、生きながらいてくれることで、鮮度を保ち
 この極上にうまい脳漿を吸わせてくれている、君に感謝する。


 優雅で、神秘的で、君の脳髄は極上だ。

 食物連鎖の頂点に立つ君達。

 小鳥時代、私は常々君たちを羨ましいと感じていた。
 しかし、それは過ちであった。

 人であるなら、人は食せない。
 ならば、人を食せる立場でないといけない。

 そう考えると、私は特別な存在かもしれない。
 食物連鎖の頂点たるニンゲンを捕食する唯一無二の存在。

 神と言い換えてもいいのかもしれない。




891 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:25:52.63 ID:G67qriN60
      
(* ;∋;) クックドゥルドゥー


 ジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュル......

 

(゚q  ゚ *川「ljdさkふぁ:lfさふぁがklじょうjfさ;!!!!」


 脳髄を啜り、彼女の中身が無くなるにつれて、
 彼女の反応が変わっていくのが、私にはまたたまらなかった。

 味覚でも、聴覚でも楽しませてくれるニンゲン。
 食物として、申し分ない、いや、極上である。


 ジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュル......キュポン


(* ;∋;) クックドゥルドゥー

 あ......中身をすべて吸ってしまった。

(゚q  ゚ *川「   」

 同時に反応をなくす、カノジョ。
 まだ、腹は満ちていないのに。




906 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:31:23.10 ID:G67qriN60
    

(* ;∋;) クックドゥルドゥー



(゚q  ゚ *川「   」

 

 ありがとう、ありがとう。
 最早聞こえていないであろうけど、私は感謝の意を伝えずはいえない。


 唯一、不満があるとすれば
 


(* ;∋;) グー


 大食漢である私には、量が少ない事であろう。
 私は、ニンゲンの思念や知能を尊敬している
 
 なので、脳以外は食べる気になれない。

 残念だが、カノジョはもう食べるところがない。




918 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:36:44.23 ID:G67qriN60
   

(* ;∋;) クックドゥルドゥー


 私は名残おさそうに、カノジョの骸を放り投げると、辺りを見回した。


(; ∀ ) 「う、うう...」


 目に入ったのは、
 先ほど私が脳を啜っていると邪魔してきたニンゲンのオトコ。

 私は食事の邪魔をされるのが大嫌いなので、一撃お見舞いしたら両足がもげたようだ。
 酷く苦しそうだが、自業自得であろう。

 
 彼の脳漿を啜っても良いのだが、
 私は雄のせいか、同性の肉体には、どうも惹かれない。

 性的な意味ではないのだが……形容しがたい感情だ。

 そこで、もう一度見回してみる。



 と。




921 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:37:32.10 ID:G67qriN60
   
(* ;∋;) クックドゥルドゥー






                     



                           从;゚∀从







                                                 いた。




930 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:40:31.63 ID:G67qriN60
  
( ゚∋゚) .........クックドゥルドゥー


 都合よく、ボゥーとしながらこちらを見ている女性を発見。
 思わず、歓喜で私の胸はたかなった。

 以前の私風でいうと、こうであろう。



 ちゅんちゅんちゅん! 
 ぱたぱたぱた!

 かぜにのって おいしそうな においのするほうへ

 ちゅんちゅんちゅん! 
 ぱたぱたぱた!

 おいしそうな においは どんどん ちかくなる

 ちゅんちゅん、ちゅんちゅん
 おいしそうな えさのよかんに ぼくは ドキドキ!


 かぜにのって おいしそうな においのするほうへ


              に お い の す る ほ う へ




944 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:47:30.40 ID:G67qriN60
        


 幾重もの死体が重なり合い、その廻りを鴉の群れが俯瞰して
 死臭を漏らす地獄のような元校庭で
 あたしの目にした光景は、余りに異様だった。


 同僚が、映画から飛び出てきたようなバケモノに脳を啜られている。


从;゚∀从「.........」



 声すら、でない。

 遺憾の意のメンバーとして戦場にも多く足を伸ばした。
 そこには生きる為に姑息な手段で挑んでくるもの
 殺しを楽しむ者、自ら死を望む者、様々な狂人がたくさんいた。


 だが、目の前にいるバケモノは、戦場で会ったどの狂人とも、違っている。


 頭で、肌で、本能で、そう感じる。
 




949 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:49:39.93 ID:G67qriN60
      


 純然たる、本能。
 そこに悪意など一切なくて、逆に畏れを感じる。



从;゚∀从「.........」


 ガチガチと、歯が震えた。


 捕食される側。

 考えた事さえなかったシチュエーション。

 バケモノはペニサスだったモノを放り投げ、キョロキョロと辺りを見回した。

 そして、此方を見ると、ニヤリと意味ありげな笑みを浮かべ


 ――――突進してきた。
 




962 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:55:29.36 ID:G67qriN60
       


 同時に、何か黒いものがあたしの頭上をに現れた。



 はじめ巨大な黒い幕に見えたそれは、よく目を凝らして見ると
 周りの死体を啄んでいた、尋常でない数の鴉の群れであった。

 
 あたしは震える手で向かってくるバケモノに対し、形だけの迎撃の態勢をとると。
 なぜあたしの頭上に鴉の、群れが集まっているのか、と考えた。


从;‐∀从(ああ、そうか―――)


 程なく、理解。
 彼らはきっと知っているんだろう、あたしがもうすぐ死ぬのだと。
 鴉は新鮮な屍体を好む。


 キーンコーンカンコーン....
 四時間目の就業を告げる鐘が鳴る。

 バケモノがもうそこまで走りよって来ていた。


 ―――――――――――給食の時間が、始まる。





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