('∀`)勇者30174のようです 十五話
295 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 19:25:19 ID:3fy2TWf60

【前回までのあらすじ】

アイリス 旅立ち

イギス 西の塔 攻略

オスドニア大陸上陸

ウラヌス 勇者ギルドで宿泊
王様に会う。フラグ回避で逃亡

エミジア廃鉱にて メタルスライムでレベルアップ

オスカーテルミノ 魔法使いと出会う

カールモンキー ギャンブルで大敗
占い師 貞子から助言をもらい東へ

荒巻コピーと出会いギャリバン地方に到達

妖精の森へ ←いまここ




297 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 19:28:43 ID:3fy2TWf60

所持金 260G

 ('A`) レベル11 勇者
 HP63/80
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル11 踊り子
 HP54/55
 MP0


ギャリバン地方は乾燥帯で、南には砂漠、
北に行けば寒風が厳しい山々が広がっている。

ドクオたちは今、ギャリバン地方の存在する有名な伝説の一つ、
妖精の森に到着していた。


店主「いらっしゃーい!ようせいまんじゅうだよー!」

店主「ようせいフランクフルト、ようせいリンゴ飴、何でも揃ってまっせー」

店主「お客さん、今流行のようせいせんべいいらない?」


(;'A`) ζ(゚ー゚;ζ




298 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 19:32:20 ID:3fy2TWf60

('A`) 何かイメージ違う…

ζ(゚−゚*ζ せっかく妖精さんがいる森なのに、雰囲気ぶち壊しだよぉ


まるで祭りのようだった。
森の近辺は観光地になっており、宿屋や食べ物屋が並んでいた。

旅人や観光客でごった返している。


('A`) 妖精の森に入るには何処行けばいいの?

店主「え、お客さん、あそこに入るのはまずいよ。
    モンスターもいるし、迷ったらおしまいだよ」

ζ(゚ー゚*ζ 妖精さんに会いたいんでふ

店主「たまにそういう人も来るけどねー。お勧めはしてないんだけど…。
    入りたいなら、この道沿いに行けば中への入口があるよ」

('A`) サンキュー


('A`) 腹ごしらえもしたし、ちょっと入ってみるか

ζ(゚〜゚*ζ うん ←妖精キノコ見つけた




299 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 19:35:59 ID:3fy2TWf60

妖精の森は幻想的な場所だった。

発光する虫、ダイオードインセクトや、発光草がそこら中に生えていて、
本来は木の陰になって薄暗い場所なのだろうが、全体が青白く光っており、視界は良好だ。

('A`) あんまり奥に行くと迷いそうだからな
    入口辺りでしばらくうろうろすっか


ζ(゚ー゚*ζ 勇者様!向こうに光るキノコが!

(;'A`) お前のキノコに対する情熱はなんなん?

ζ(゚ー゚;ζ キノコ動いた!

('A`) そんな馬鹿な。いくら妖精の森っていっても、キノコが動くわけ…


(;゚A゚) あ!


目を凝らすと、確かにキノコは動いていた。
銀色に光る、メタルスライムのようなキノコ…。


(゚A゚) メタルスライムだ!




300 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 19:38:28 ID:3fy2TWf60

ζ(゚ー゚*ζ やった!経験値!

('∀`) これはラッキーだ!


メタルスライム?「……」


('A`) 逃げるぞ!囲め!

ζ(゚−゚*ζ 駄目!逃げちゃう!

(;'A`) ここで会ったが百年目!経験値のためならこの手を赤く染めるぜ!


ぴょこぴょこ跳ね回るメタルスライムの動きに翻弄されながら、

二人はいつの間にか、森の奥へと足を踏み入れていた。


('A`) クソ、何処行った

ζ(゚−゚*ζ ……勇者様

('A`) 見つけたか?




301 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 19:41:28 ID:3fy2TWf60

ζ(゚ー゚;ζ ここ何処?

('A`)




(>;'A`)> はい迷ったあああああああああああああ

ζ(゚ー゚;ζ どうしよう!どっちが外なの!?

(;'A`) 方角が全くわからん…太陽は何処だ?

ζ(゚ー゚;ζ 木に隠れちゃってるからわかんないよぉ


('∀`) ……って普通の勇者ならそうなっちゃう所なんだけど

ζ(゚ー゚*ζ 何か策があるの?

('∀`) 実はここに来るまでに、パンのかけらを落としてきたんだ
    それを辿れば元の場所にまで戻れるぜ

ζ(゚ー゚*ζ 勇者様素敵!




302 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 19:44:58 ID:3fy2TWf60


大がらす「うめえうめえ!」

大がらす「今日はラッキーだな。こんなところにパンが落ちてるとは」

大がらす「日頃の行いだな」



(゚A゚)

ζ(゚−゚*ζ


(;゚A゚) 何でお前らがここにいるんだよおお!

大がらす「うわ!変な奴がいる!」

大がらす「逃げろ!」



(;゚A゚) 何でや!昔のモンスターが出てくることなんて普通あるか!?
    どうせならデスフラッター出てこいや!色違いだろ!

ζ(^ー^;ζ たぶんそれは知名度の関係で…

うっそうと茂った森の中、二人は完全に遭難していた。




303 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 19:49:45 ID:3fy2TWf60

(;'A`) うーん、こういうときは救助が来るまで待つのが常識だが…

ζ(゚−゚*ζ 救助は期待できないね


('A`) 待てよ…そうか、そういうことか!

ζ(゚−゚*ζ え、何?

('A`) 貞子さんの占いだよ!言ってただろ、うんと迷いなさいって!
    迷えば迷うほどいいってさ!

('∀`) つまり、今の状況は想定の範囲内ってことなんだ!

ζ(゚ー゚;ζ そういう意味で言ったのかな…
       もっと抽象的な意味を込めて言ってた気が…

(;∀;) そうに決まってる!そう考えないとやってられん!

ζ(^ー^;ζ 悲愴なポジティブだね…


 「まあいいや。人目につかないここならこの女を好きにできるからな」


ζ(゚−゚*ζ え!、ゆ、勇者様!?

(;A;) なんだ?




304 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 19:53:22 ID:3fy2TWf60

ζ(゚−゚*ζ 私を好きにするってどういう意味!

(;'A`) えーどういう意味って…そのままの意味じゃないの!?
    ていうか何の話!?


 「あ〜あ、こんなことならもっと頼りになりそうな勇者様と冒険すればよかった」


(;A;) あー!言っちゃならんこと言った!うわああああ!

ζ(゚ー゚;ζ な、何よ!


 「でかい尻と乳しか脳がないくせに」


ζ(゚、゚;ζ ゆ、勇者様!そんな言い方ないじゃない!


(;A;) 何だよ!そりゃ俺の台詞だろ!

ζ(゚、゚;ζ 悪かったわね!お尻と胸が大きくて!苦労することの方が多いんだから!

(;A;) いつ俺がお前の尻と胸について触れたんだよ!
    触りたいとは常々思ってるけど!

ζ(゚ー゚;ζ にぎゃー!不潔!




306 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 19:56:03 ID:3fy2TWf60


 クスクス…

    クスクス…



(;'A`) …ちょっと待て……誰かいるぞ

ζ(゚ー゚;ζ え…幽霊とか苦手だよ…やだ…



 クスクス
  ( ∵)  (∴ )
        クスクス


( ∵) 人間って頭悪い

( ∴) 悪い悪い。見かけだけ

( ∵) すぐ騙すから、騙される

( ∴) だから僕らの玩具にされる

( ∵) クスクス (∴ )




307 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 19:58:21 ID:3fy2TWf60

(゚A゚)    ζ(゚、゚*ζ



( ∵) だから僕らが見つからない

( ∴) 触れもしなきゃ嗅げもしない

( ∵) 適当に遊んで

( ∴) さっさと森から追い出そう



(;゚A゚)パクパク

ζ(゚ー゚;ζパクパク


( ∵) ? (∴ )


(;゚A゚) 妖精だー!

ζ(゚ー゚*ζ 妖精さんだー!ちっちゃい!おいでおいでおいで!


(;∵) え (∴;)




308 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 20:01:37 ID:3fy2TWf60

小人のような小さな人間が、ちょこんと葉の上に腰を下ろしていた。
ポケットに入りそうな小ささで、淡い桃色の光を纏っている。

少女のようにも見えるし、少年のようにも見えた。

ζ(゚ー゚*ζ 可愛い!食べちゃいたい!


(;∵) やめて。頬ずりしないで

(;∴) 僕らが見えるの?

(;'A`) 見えまくりなんだが


(;∵) そんな馬鹿な。理屈じゃない

( ∴) 心の汚れた人間に僕らは見えないはず

( ∵) 今日は調子が悪いのでは

( ∴) 試しに心を覗いてみよう




310 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 20:09:11 ID:3fy2TWf60

(;∵) はっ

( ∴) どうだった?



 「早く冒険終わって農業でもやりたいなあ」

   「闘うのマンドクセ」   「改めて見るとデレの尻と乳でけえ…」
  ('A`) 本当にちっちゃいなー 「トーチャンとカーチャン元気にしてるかな」
「早く帰ってベッドで寝たいな」   「勇者ってもっとモテるもんだと思ってた」
    「あ!デレのパンツちょっと見えた!」
               「世界を救ったらモテるかな」


 「早く強くなって勇者様の役に立つの」
      「いつか魔法使えるようになりたいな」
  ζ(^ー^*ζ 可愛いよぉ。一人欲しいよぉ 「クーさんみたいに綺麗になりたいな」
            「勇者様はどういう女の子が好みなのかな」
 「勇者様は、大きいお尻って嫌いなのかな」 「勇者様は私のことどう思ってるんだろう」
    「甘いもの食べたーい」   「最近太ったかも…痩せないと嫌われちゃう」



(;∵) わかった。この人達、馬鹿だ

( ∴) むむ、馬鹿には見えてしまうのか。勉強になった




311 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 20:12:01 ID:3fy2TWf60

ζ(゚−゚*ζ あ、待って!


( ∵) 待たない

( ∴) 馬鹿に構うと馬鹿になる


(;'A`) ちょっと待てって!妖精の国に連れてけ!


( ∵) 断る

( ∴) 馬鹿つれてくと女王に叱られる


(;'A`) 逃がすか!

ζ(゚ー゚;ζ 妖精さーん!もっとゆっくりお話しよう!


(;∵) 追ってくる

(;∴) 逃げねばまずい




312 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 20:15:34 ID:3fy2TWf60

ぴょこぴょこと跳び回る妖精たちを、必死な顔で追うドクオたち。

知らない者が見れば、邪悪な存在が妖精たちを追っているように見えるだろう。
とても勇者パーティには見えない。


( ∵) 早く。早く

( ∴) 急ぐ。急ぐ


(;'A`) うお…何だありゃ

ζ(゚ー゚;ζ おっきい…


妖精たちが逃げる先に、巨大な樹木がたっていた。
オスカーテルミノに生えていた図書館の樹木より、さらに大きい。

その木の根が、妖精たちと同じ色に淡く光っていた。
妖精たちが光の中へ飛び込むと、急に光が弱まっていった。

(;'A`) 急げ!飛び込むんだ!

ζ(゚ー゚;ζ 妖精さぁぁぁぁん!




314 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 20:17:51 ID:3fy2TWf60

光が消える直前、二人は同時に光の中へ飛び込んだ。
二人を呑み込み、光は音も立てず消滅した。

静かになった森の中で、鳥の鳴き声だけがこだましていた。


所持金 260G

 ('A`) レベル11 勇者
 HP63/80
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル11 踊り子
 HP54/55
 MP0


続く


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