('∀`)勇者30174のようです 十六話
317 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 20:25:47 ID:3fy2TWf60

光を抜けた先に広がったのは、雪に覆われた国だった。
空は分厚い雲に覆われており、太陽は見えない。

先ほど見かけた妖精に似た者たちが、
宙をぷかぷかと浮かんだり、小さな家の屋根に上って本を読んだりしている。
気温は低かったが、妖精たちは気にしてないようだ。


(;'A`) ここが妖精の国か。若干イメージとは違うが…

ζ(゚ー゚;ζ キャーキャー!妖精さんがいっぱい!可愛い!ちっちゃい!

(;'A`) 発狂すんな。しかしノリで来てしまったはいいが、これって帰れるのかな

ζ(´ー`*ζ 帰らなくていい!ここで一緒に暮らしましょう

(;'A`) いやだー!ジャンクフードなさそうだもん!


( ∵) しまった。人間来てしまった

( ∴) 怒られる。これは怒られるフラグ

( ∵) 怒られる前に謝ろう

( ∴) 先手を打つのが人生大事




318 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 20:29:22 ID:3fy2TWf60

ζ(゚ー゚*ζ 待って!


( ∵) 待たない

( ∴) 待てない



('A`) そういえば、女王って言ってたな
    ちょっくら人間代表として挨拶してくるか


二人は宙を飛ぶ妖精のあとをついていった。

間もなく、湖に浮かぶ巨大な神殿が目の前に現れた。

本来は美しい神殿なのだろうが、雪が薄く積もっているので、
全体像がいまいちわからない。


妖精たちが中央の階段を上っていくので、歩幅を合わせてゆっくりついていった。




319 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 20:32:18 ID:3fy2TWf60

長い階段の先は、神殿の屋上へ繋がっていた。



( ∵) 女王様。誠にごめんなさい

( ∴) ごめんなさい。人間来た


 「もう知ってるわ。だから人間界に遊びに行くのはほどほどにしなさいと」

(´∵)ションボリ

( ∴) 彼は反省している。許す手もあるだろう

 「あなたも反省しなさい」

(´∴)ションボリ



(;'A`) こんちゃーす…

ζ(゚ー゚;ζ は、初めまして




321 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 20:38:08 ID:3fy2TWf60

ξ゚听)ξ 初めまして。人間たちよ


妖精の女王は、一見人間と変わらない風に見えた。

白い肌が雪が反射する光で照らされ、透き通って見える。


ξ゚听)ξ 妖精の女王、ツンです

(;'A`) どうも初めまして、ドクオです

ζ(゚ー゚*ζ デレです

ξ゚听)ξ この子たちがイタズラでもしたんでしょう。ごめんなさいね

('∀`) いやあ、ははは。そんなの気にしてませんよ
    何せ勇者ですからな

ζ(゚−゚*ζ 勇者様、鼻の下が床についてる


ξ゚听)ξ 時々ああやって人間たちにいたずらするんです
      いつも叱るのですけど、なかなか直らなくて

ζ(゚ー゚*ζ いえいえ。おかげで妖精さんと会えましたし




322 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 20:43:58 ID:3fy2TWf60

ξ゚听)ξ お詫びといっては何ですが…

('∀`) ははは。ほんともう、気にしなくていいですから…

ξ゚听)ξ 妖精の国を救ってくれませんか

('∀`)



(;'∀`)(え?)


勇者ドクオはこのとき素晴らしい回転速度で思考を開始した!


 断る → 元の世界に帰れないフラグ
 承諾 → 失敗 → 死亡
     → 成功 → もしかしたらご褒美もあるかも


(;'A`)(死亡だけは避けたい!しかしここに住むのも…)


('A`)(待てよ、デレと住むのも悪くないんじゃ…。
   ここには俺しか人間がいない。甘い夫婦生活で余生を過ごすのも悪くは…)

(;'A`)(悩む!悩むぞー!)




323 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 20:49:29 ID:3fy2TWf60

ξ゚听)ξ もしも救ってくれれば、妖精の国フリーパスを差し上げましょう

ζ(゚ー゚*ζ 救います!これでもかってくらい救います!

(;'A`)アァァァァァァァァァァァ

ξ--)ξ ありがとう。あなたたちも優しい人間なのね



 「騙されたらあきまへんで女王様!」



(゚A゚* ) そいつら、ええ人間とちゃうかもしれへん!


ドクオたちと女王の間に突如割って入った女は、声を張り上げてドクオたちを非難した。

妖精ほどではないが、彼女もかなり小さい。
ただし見た目は少女という年齢には見えなかった。


ξ゚听)ξ のーちゃん、口を慎みなさい

(゚A゚* ) 女王様は渋澤しか人間を知らないから、人間を甘く見とるんや!
     ほとんどの人間はずる賢い嫌な奴なんや!本にそう書いてあったで!




324 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 20:53:33 ID:3fy2TWf60

( ∵) 正論やな

( ∴) 支持するで

('A`) 間違ってないな

ζ(゚ー゚;ζ 勇者様!


ξ;゚听)ξ し、渋澤は関係ない!

(゚A゚* ) ほぉ〜?女王様が手紙書いてんの知ってんで
     もしよろしければもう一度お会いしたいですーとか…

ξ;゚听)ξ ぎゃー!そんなこと書いてない!

(゚A゚* ) どうせ送る手段無いんやから、やめればええのに
     人間に恋してもいいことないで

ξ;゚听)ξ だから恋なんてしてない!
       いいからあなたは私の車をスノータイヤに換えてきなさい!

(゚A゚* ) ふん!どうなっても知らんで!


のーちゃんと呼ばれた女は、渋々といった様子で女王の間を出ていった。




325 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 21:01:15 ID:3fy2TWf60

ξ゚听)ξ お見苦しい所を見せてしまいました…
      彼女は部下のドワーフです。腕利きの鍛冶屋で、日曜大工とかも任せてます

('A`) 女王様、車持ってんすね…

ζ(゚−゚*ζ おもてたんと違う


ξ゚听)ξ では、本題に入りましょう
       見て分かる通り、妖精の国は今雪に覆われています
       この世界に本来冬は無いのです

('A`) どうして雪が?


ξ゚听)ξ 数ヶ月前、この世界に魔族がモンスターと共にやってきました
       奴の目的は、妖精の国を支配することです

(;'A`) 魔族!?

ξ゚听)ξ おそらく魔王の命令でしょう
       妖精の国にしか無い特殊な魔法や薬を、我がものにするために
       このままでは、この国は魔族たちに乗っ取られてしまう


ξ゚听)ξ お願いです!「氷の女王」を倒し、この国に平和をもたらして下さい!




326 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 21:05:03 ID:3fy2TWf60

ζ(゚ー゚;ζ 魔族…

(;'A`) ちょ、ちょっと待ってくれ。俺たちには荷が重い


ξ゚听)ξ フリーパス…ボソッ


ζ(゚ー゚*ζ やります!

(>;'A`)>

ζ(゚ー゚*ζ この熱い心意気で、必ずや妖精の国を覆う氷を溶かしてみせましょう!

ξ゚ー゚)ξ なんて心強い言葉。流石は勇者パーティです


(;'A`) そうだ!助っ人とかないのか?

ξ゚听)ξ 助っ人?

(;'A`) 心強い味方だ!

ξ゚听)ξ なら彼らを連れていくといいでしょう

('A`) 彼ら?




327 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 21:08:36 ID:3fy2TWf60


ξ゚听)ξ   (∵ )(∴ )


ξ ゚听)    (∵ )(∴ )


ξ ゚听)    ( ∵)( ∴)


ξ ゚听)    (∵;)(∴;)



(;'A`) 実は強いとか…

( ∵) この前クワガタに負けた

( ∴) カブトムシにはいい勝負ができる

ζ(゚ー゚*ζ うわぁー!あなたたちと一緒に戦えるなんて感激!

(>;'∀`)> いやっほぅ!死んだー!




328 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 21:12:04 ID:3fy2TWf60


決戦は明日とし、今日はひとまずのーちゃんの家に泊まることになった。


(゚A゚* ) わいはまだ信用してへんからな!

ζ(^ー^*ζ のーちゃんもちっちゃくて可愛いよぉ

(゚A゚; ) 触るなやー!抱くなやー!埋もれるー!


(;'A`) いいか?敵がこう来たら、こう逃げる。ああやってきたら、ああ逃げるんだ

( ∵) 御意

( ∴) 任されよ


(;'A`) くっそー、○ラみたいな助っ人を期待してたのに

( ∵) 安心しろ

( ∵) 一発だけメラが撃てる

(;'∀`) イェーイ焼け石に水だぜ!




329 :名も無きAAのようです:2012/09/22(土) 21:15:48 ID:3fy2TWf60

(゚A゚* ) もしも自分らが本当に妖精の国を救ってくれたら、
     わいがええ装備こしらえたるがな

ζ(゚ー゚*ζ 女の子なのに鍛冶屋って凄いわねえ

(-A-* ) ふん、何を隠そう、渋澤の剣を打ったのはわいや
     オリハルコンで剣を作ったのはあれが初めてやったな

ζ(^ー^*ζ 自慢げなのーちゃんも可愛いよぉ!

(゚A゚; ) 埋もれるがな窒息するがな!


果たして、ドクオたちのレベルが魔族に通じるのか。

所持金 260G

 ('A`) レベル11 勇者
 HP80/80
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル11 踊り子
 HP54/55
 MP0

続く


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