('∀`)勇者��30174のようです　十七話

---

351 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:09:12 ID:jNe14aXM0

【前回までのあらすじ】

アイリス　旅立ち
↓
イギス　西の塔　攻略
↓
オスドニア大陸上陸
↓
ウラヌス　勇者ギルドで宿泊
王様に会う。フラグ回避で逃亡
↓
エミジア廃鉱にて　メタルスライムでレベルアップ
↓
オスカーテルミノ　魔法使いと出会う
↓
カールモンキー　ギャンブルで大敗
占い師　貞子から助言をもらい東へ
↓
荒巻コピーと出会いギャリバン地方に到達
↓
妖精の森で妖精と出会い、妖精の国へ侵入
氷の女王を倒すはめになる　←いまここ

352 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:11:38 ID:jNe14aXM0

所持金　260G

　('A`)　レベル11　勇者
　HP80／80
　MP0

　ζ(ﾟーﾟ*ζ　レベル11　踊り子
　HP54／55
　MP0


ξﾟ�听)ξ　ここから西に向かった先に、氷の砦があります
　　　　　　　氷の女王はそこに居を構えている。私の車をかしましょう

ペガサス「ヒヒィーン」

('A`)　車っていうのは馬車のことだったのか。なんか納得

ζ(ﾟーﾟ*ζ　絵本の世界みたいで素敵だわー

ξﾟ�听)ξ　ちなみにペガサスの主食はガソリンです。タンクも積んでます

(；'A`)　やっぱ何か違う！


ﾄﾞｸｵたちは妖精を連れて、さっそく氷の砦へと向かった。

353 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:16:59 ID:jNe14aXM0

ペガサス「ふっ　ふっ　ふっ」


伝説の生き物とされるペガサスは、雪の道をもろともしない走りで西へ向かって走る。
振り落とされないようにﾄﾞｸｵたちは二人で手綱を握った。

( ∵)　早い早い

( ∴)　怖い怖い


('A`)　魔族が相手か。大丈夫なんかな…

ζ(ﾟ−ﾟ*ζ　大丈夫だよ！絶対に氷の女王を倒して…


ζ(´ー｀*ζ　フリーパスを手に入れるのー。ｳﾌﾌﾌﾌﾌﾌﾌﾌ

(；'A`)　欲に目がくらむといいことないんだぞー


途中、一度ペガサスの食事（給油）をはさみ、また数時間ほど走ると、
何もかもが凍った地帯に入った。

草も木も、湖さえも凍ってしまっている。
湖のちょうど真ん中に、目標である氷の砦が見えた。

354 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:21:15 ID:jNe14aXM0

ペガサスを湖の手前に止めて、ﾄﾞｸｵたちはそろりそろりと氷の上を歩く。

砦の前まで来ると、固く閉ざされていた扉が自動的に開かれた。


(；'A`)　誘ってやがる

ε=ζ(ﾟ−ﾟ*ζ　舐められてるね！私たちの力を思い知らせてやらないと！

('A`)　無力さを味わいそうな気がするが…


( ∵)　ｾﾝｾﾝ　ｷｮｳｷｮｳ　(∴ )

警戒しながらﾄﾞｸｵたちは扉をくぐり、中へと侵入する。


そんな彼らの様子を氷に映した映像で見ている者がいた。


　「人間が来るっていう情報が入ったから、まさか渋澤かと思ったけど」


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　てんで弱そうな奴らじゃない。これなら楽勝だわさ

356 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:26:38 ID:jNe14aXM0

　　氷の女王　ギコアイス


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　魂まで凍らせて、私のコレクションにしてあげるんだから


推奨レベル：50〜
氷系の呪文と、凍てつく波動を使いこなす。
幼い見た目に惑わされると、一瞬で心臓まで凍らされてしまう。


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　さて、私のところへ来るまで、冷麺でも食べとこーっと


渋澤でないとわかると、ギコアイスは余裕の表情を浮かべ、
王座でふんぞり返った。


その頃ﾄﾞｸｵたちは、



(；ﾟAﾟ)　うひょおおおおお！？

ζ(ﾟーﾟ；ζ　勇者様ー！こっちこないでー！

(；ﾟAﾟ)　そんなこと言っても止まんねえんだよー！！！

357 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:31:05 ID:jNe14aXM0

ζ(ﾟーﾟ；ζｲﾔｧｧｧ！

氷の砦は全フロアが氷の床で、一歩歩くと壁際まで滑ってしまう仕様になっていた。

上階に上る階段こそすぐに見つかるのだが、
ﾄﾞｸｵパーティは中々そこまで辿り着けないでいた。


(；ﾟAﾟ)　受け止めてくれー！

ζ(ﾟーﾟ；ζ　わ、わかった！


　ﾊﾞｲｰﾝ


(；(#)Aﾟ)　ぐあ！なんか跳ね返ったぞ！？

ζ(＾ー＾；ζ　ご、ごめんなさ〜い！

(；ﾟAﾟ)　は、そういうことか！


('∀`)　まあ、これはこれで嬉しいな。うん

ζ(ﾟーﾟ；ζ　勇者様危ない！

(；ﾟAﾟ)　うおおおおお壁に激突するぅぅぅぅぅ！

359 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:33:08 ID:jNe14aXM0

(ﾟAﾟ)　おごっ！

ζ(ﾟーﾟ；ζ　勇者様！

(ﾟAﾟ)　何とか…だいじょう…


( ∵)　滑るやないけー

( ∴)　止まりませんがなー


(；ﾟAﾟ)　こっちくんじゃねええええ！


(；ﾟAﾟ)　ぐほっ！うごっ！

( ∵)　ナイスキャッチ

( ∴)　このまま一塁に刺して


(ﾟAﾟ)　敵と戦う前に死にそうなんだが…

360 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:37:08 ID:jNe14aXM0

二時間後。



(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　………………



(####)A`) やっと…着いたぜ……

ζ(ﾟ−ﾟ*ζ　さあ、覚悟しなさい氷の女王！

(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　なぜ既に死にそうなんだ

(####)A`)　大きな桃が…いや、スイカが……迫ってきて……

ζ(ﾟーﾟ；ζ　そ、それはさておき、妖精の国のために戦いに来たのよ！


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　あ、ああ。だがな、一つ言っておこうか


氷の女王が片手を上げると、急に部屋の中に気温が下がったように感じた。


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　お前たちは、魔族を甘く見過ぎているようだ

363 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:39:58 ID:jNe14aXM0

(；'A`)　うおっ

ζ(ﾟーﾟ；ζ　きゃっ！


室内にも関わらず、ブリザードが荒れ狂う。

着ている服が繊維から凍っていくのがわかった。


(；'A`)　さ…寒い……！

ζ(ﾟーﾟ；ζ　頭が痛いよぉ！

( ∵)　こたつに入りたいよ

( ∴)　エアコンつけてくれない？


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　下らん……実に、下らん！


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　マヒャド！！！


氷の波動が、ギコアイスの手のひらに集束される。

366 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:43:31 ID:jNe14aXM0

まばゆい光が起こったと同時に、
放射線状に床の氷が刃となってﾄﾞｸｵたちを突き立てた。



(；ﾟAﾟ)　危っ！！！


　　ﾄﾞｸｵは間一髪　マヒャドの波動をかわした！


(；'A`)　もう少し近づいてたらかわせなかった…
　　　　　やっぱレベルが足りなかったんだ！出直すぞデレ！


(；'A`)



(；'A`)　デレ……！？



辺りを見回す。
激しいブリザードの中で、床に突っ伏しているデレの姿があった。

(；ﾟAﾟ)　デレ！！！

368 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:47:13 ID:jNe14aXM0

(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　儚い…


(；ﾟAﾟ)　そんな…


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　まるで氷の氷像だ。少しばかり熱を加えれば、瓦解してしまう
　　　　　　　こうも脆いと、まるで張り合いがないな


(#ﾟAﾟ)　て、てめえ…！



　「勇者様！」


ζ(ﾟーﾟ；ζ　私は大丈夫！

(；'A`)　デレ！かわせてたのか！

ζ(ﾟーﾟ*ζ　ううん。でも、妖精さんが守ってくれたの

( ∴)ｂ　メラがあって助かったよ。もう氷はこりごりさ

('∀`)　ナーイス！

369 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:50:09 ID:jNe14aXM0

(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　だからどうした。次はかわせるか？


('A`)　いいや、かわす必要はないな

(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　何だと？


('∀`)　いいこと思いついちまったからな。これで終わりだぜ、氷の女王

ζ(ﾟーﾟ*ζ　勇者様かっこいい！

( ∵)　いてもうたれー

( ∴)　Fカップの中に避難するで


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　馬鹿な…この力量差がわからないの？
　　　　　　　そこまでの阿呆は、もう見たくも無い。コレクションにもいらない
　　　　　　　凍らせてから、粉々にしてあげるわ


ζ(ﾟーﾟ*ζ　勇者様！策って何！？

('A`)　策っていうのはなあ

371 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:54:01 ID:jNe14aXM0

(；'∀`)　逃げるんだよぉ〜〜〜！


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　……はぁ！？


ζ(ﾟーﾟ；ζ　うわぁーい格好悪〜い！でも何となく予想できてた！

( ∵)　あの伝説の血族も愛用した作戦だね

( ∴)　ボス戦で逃げるという全く新しい発想


(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　ほ、本物の馬鹿なのか！？


放たれた氷の波動が、再び部屋を覆うとしている。

ﾄﾞｸｵたちは間一髪の差で、女王の間から階下へと避難した。


(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　……何だあいつら。もう相手したくもないわ…


呆れかえって追う気も失せたギコアイスは、ため息をついて王座に座り直した。

373 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:56:38 ID:jNe14aXM0

ﾄﾞｸｵたちはそのまま氷の砦から脱出した。



ζ(ﾟ−ﾟ*ζ　結局ふりだしに戻っちゃった？

('A`)　ふ、ふふふふ


('∀`)　それはどうかな！

( ∵)　どうなんJARO！

( ∴)　明日来てくれるかな！


('A`)　この策士ﾄﾞｸｵがただ逃げただけだと思ったのか！

ζ(ﾟーﾟ*ζ　じゃあ…！



('A`)　見せてやるぜ！この俺が今までの勇者とは全く違う所をな！

374 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 22:58:32 ID:jNe14aXM0

氷の砦は静まりかえっていた。


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　あーあ、ちょっとした暇つぶしにはなるかと思ったのに


ギコアイスがアイスティーを入れて、優雅にティータイムを楽しもうとした、
そのときである、


妙な臭いがした。


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　……………？


始めは気のせいだと思ったが、臭いはどんどん濃くなっていく。

ある時点で、ギコアイスは悟った。


(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　まさか、この臭いは…！

375 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 23:03:03 ID:jNe14aXM0

('∀`)　今だ！パワーをメラに！

( ∵)　任せて



氷の砦の周りは、大量のガソリンが撒かれていた。
ペガサスの燃料タンクから頂戴したものだ。

妖精がメラを放つと、気化していたガソリンに点火され、
大爆発を起こしながら火の手が氷の砦を覆った。


ζ(ﾟーﾟ*ζ　勇者様！燃えそうなもの拾ってきたよ！

('∀`)　どんどん火の中に入れちまえ！



ギコアイスが砦の窓から外を確認したときには、
黒い煙がもくもくと砦を覆っていた。


(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　ば、馬鹿な真似をするなー！ちゃんと闘え！勇者だろ！？

379 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 23:07:35 ID:jNe14aXM0

窓から顔を出し、ギコアイスが絶叫する。

('A`)　勇者ですが何か？

(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　勇者なら正々堂々と正面から…


(#'A`)　やかましい！大体いっつもダンジョンの奥で陣取ってるくせに正々堂々だぁ！？
　　　　だったら宿屋の前で待機しとけや！お前の場所に行き着くまでにいっつも体力減ってんだよ！

(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　お前それだと冒険にならんだろがー！



(#'A`)　それにお前は…！

(#'A`)（デレを傷つけた）

(#'A`)　温厚が取り柄のﾄﾞｸｵさんも怒り心頭だぞテメー！


(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　この……大馬鹿がぁぁぁぁ！


(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ（とにかく脱出せねば！このままだと火の手にまかれる！
　　　　　　　しかしなぜ私が火系に弱いことがばれたのだ！）←ﾊﾞﾚﾊﾞﾚ

381 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 23:11:52 ID:jNe14aXM0

(；'A`)　うっﾌﾞﾙﾌﾞﾙ


ζ(ﾟーﾟ*ζ　どうしたの？

(；'A`)　ちょ、ちょっとな…このまま燃えそうなものをどんどん集めてきてくれ！

ζ(ﾟーﾟ*ζ　わかった！

( ∵)　僕の宝物の練り消しも投入しよう…ｸﾞｽﾝ

( ∴)　僕の宝物のセミの抜け殻も燃やそう…ｸﾞｽﾝ



(；'A`)（やべーやべー。腹が冷えたから催してきちまった）

どうしても我慢できないﾄﾞｸｵは、氷の砦の裏手に回って、チャックを降ろした。


(；'∀`)　ふぅー、あぶねえあぶねえ

まだ火が回っていない壁側に向かって、勢いよく放尿する。

384 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 23:15:00 ID:jNe14aXM0

だがそこは、正確には壁ではなかった。


　ｶﾞﾁｬﾝ


('A`)　え


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　ふぅー、あぶないあぶな…


急に開いた壁の中から、ギコアイスが脱出してくる。
ちょうどﾄﾞｸｵが描く放物線の的となる位置だった。

(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　ぐあああああ！？

(；'A`)　うわぁー！エッチ！

(ノﾘ#_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　こ、こ、ここここ、殺っ……！


(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　はっ！

ギコアイスがはっとした表情で自らの体を確認する。

尿が当たった部分が蒸発し、自分の体が溶け出していた。

386 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 23:18:22 ID:jNe14aXM0

(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　あ…ああああああ…！

(；'A`)　うわぁぁぁぁぁぁぁ（AA略）

(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　ぐああああ！がっ…そんな……馬鹿なっ…



どんどん蒸発していく自分の体に、半ば発狂するギコアイス。

彼女は目の前のﾄﾞｸｵを無視し、炎が燃えさかる砦からとにかく離れようとした。


(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　私は…氷の女王なの…こんな…こんな所で…しかも…
　　　　　　　　お、おしっ、おしっこで……！死んでたまるかぁぁぁ！！


死にものぐるいで凍った湖の上から這い出る。

雪の中に飛び込み、自らの体を冷やそうとした。

(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　た、助かった…


(ノﾘ_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　……ん？

387 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 23:23:28 ID:jNe14aXM0

ペガサス「ヒヒィーン！（ここで会ったが百年目！喰らえペガサスボンバー！）」


(ノﾘ；_ﾟ_-ﾟﾉﾘ　やっ……やめっ………！


彼女が倒れ込んだのは、ペガサスのお尻の辺りだった。
ペガサスの肛門がひくひくと引きつり始める。


(ノﾘ；_ﾟ_Oﾟﾉﾘ　やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！




それは、妖精の世界中に轟くほどの大絶叫であったという。

ﾄﾞｸｵたちの戦いは後に「赤壁の戦い」と呼ばれ、
巧みな火計は戦略家たちに高い評価を得たとか得てないとか。


('A`)　……勝った

ζ(ﾟ−ﾟ*ζ　……うん、勝った

( ∵)　うんちと

( ∴)　おしっこで

388 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 23:27:09 ID:jNe14aXM0

('A`)　怪我はないか？

ζ(ﾟーﾟ*ζ　え…うん。ちょっと氷で火傷しちゃっただけ。ごめんね。心配かけちゃって


ζ(ﾟーﾟ*ζ　頼もしかったよ、勇者様！

(*'∀`)（く、クールに！）でへへへへ。まあ、腐っても勇者だからな。でへへへへ

( ∵)　素敵！

( ∴)　抱いて！


('A`)　お…体に力が、みなぎってくる！

ζ(ﾟーﾟ*ζ　レベルが上がりそう！


　ドクオは　16レベルになった！

　デレは　18レベルになった！


(*'∀`)　キター！やっぱ魔族だから経験値たけえ！

ζ(ﾟーﾟ*ζ　やった！でも、何だろう。一体これが何の経験値になるんだろう…

389 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 23:29:55 ID:jNe14aXM0

　ﾋﾞｺｰｽﾞは　34レベルになった！
　ｾﾞｱﾌｫｰは　34レベルになった！
　メラミ　ギラ　ベギラマ　メラゾーマ　を覚えた！


('A`)

ζ(ﾟ−ﾟ*ζ


( ∵)　やったー。これでちんじゃおろおすんが作れる

( ∴)　中華は火力が大事


(；'A`)　……こいつらのレベルを上げておけば

ζ(ﾟーﾟ；ζ　楽に倒せたかもね


若干の虚無感を覚えるも、初めて魔族と対峙し、そして勝利を収めた。

凄いぞﾄﾞｸｵ！　格好いいぞﾄﾞｸｵ！

392 ：名も無きAAのようです：2012/09/23(日) 23:35:29 ID:jNe14aXM0

　「面白そうなパーティですね」



勝利の余韻に浸っているﾄﾞｸｵたちが、視線を送っている存在に
気がつけるはずがなかった。


【＋　　】ゞﾟ)　魔王様に、いい土産話が出来ました


マントを翻すと、その者は空中に溶けるようにして、消えていった。




所持金　810G

　('A`)　レベル16　勇者
　HP110／110
　MP0

　ζ(ﾟーﾟ*ζ　レベル18　踊り子
　HP85／85
　MP0


続く

---

【戻る】 / 【次へ】