('∀`)勇者30174のようです 二十一話
501 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:07:30 ID:lqZqklR20

【前回までのあらすじ】

アイリス 旅立ち

イギス 西の塔 攻略

オスドニア大陸上陸

ウラヌス王国 王様のイベントから逃亡

エミジア廃鉱にて メタルスライムでレベルアップ

オスカーテルミノ 魔法使いと出会う

カールモンキー ギャンブルで大敗
占い師 貞子から助言をもらい東へ

荒巻コピーと出会いギャリバン地方に到達

妖精の森から妖精の国へ 氷の女王を撃破

魔法少女渡辺さんと、ベビーパンサーに出会う

キーリカ砂漠へ突入

一言:暑い

502 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:10:19 ID:lqZqklR20

所持金 1564G

 ('A`) レベル18 勇者
 HP82/125
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル20 踊り子
 HP75/97
 MP0



砂漠に突入してから5日目

広大な砂漠にとても苦戦している
モンスターの数は少ないが、動植物も少ない
何よりも食べ物に困る

勇者マニュアルによると、レモナが作ってくれたオアシスが
数十個あるらしく、そのおかげで水には困っていない


('A`) 明日にはきっと町に着いてるさ

ζ(゚ー゚*ζ うん!頑張ろう!

504 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:13:12 ID:lqZqklR20

所持金 2107G

 ('A`) レベル19 勇者
 HP67/133
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル21 踊り子
 HP45/102
 MP0


砂漠に突入してから8日が経った

砂漠での生活にも慣れてくる
食べられる虫と食べられない虫の区別がついてくる

デレがサボテンの調理を覚えたので、食事が楽になる


(メ'A`) 味付けにバリエーションが欲しいところだな

ζ(゚ー゚*ζ わかった。オアシスに果物が生えてたから、果汁で何とかしてみる!

506 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:16:37 ID:lqZqklR20

所持金 0G

 ('A`) レベル21 勇者
 HP106/140
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル21 踊り子
 HP79/102
 MP0


砂漠に突入してから今日で14日目だ

即席の野営キットがボロボロになってきた
ただの布きれでテントを作ったのは失敗だったかも

しかも今日お金が入った袋を落としてしまった
今まで貯めたお金が全てパーだ


ζ(;ー;*ζ ご、ご、ごっ、ごめんねっ…ヒッグ…

(;'A`) いや…お前に任せっぱなしにしてたのも悪かったし…
    泣くことねーって

ζ(;ー;*ζ わぁーんごめんなさぁーい!

507 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:20:26 ID:lqZqklR20

所持金 1421G

 ('A`) レベル22 勇者
 HP112/149
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル23 踊り子
 HP96/114
 MP0



砂漠に突入してから、今日で35日目

気晴らしで始めた日記も随分と書くのに慣れた
ただし砂漠での食事には既に飽きてしまった

最近は敵に出会ってもすぐに逃げるようになる。
体力はなるべく温存していかなければ。
それにしても、いつになったら町に着くのだろう。


('A`) …………最近、シャワー浴びたいって言わなくなったな

ζ(゚−゚*ζ ………うん……何かもう、どうでもよくなってきて……

509 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:23:19 ID:lqZqklR20

所持金 1421G

 (;'A`) レベル22 勇者
 HP78/149
 MP0

 ζ(゚、゚*ζ レベル23 踊り子
 HP69/114
 MP0


砂漠に突入してから、今日で60日目になる。たぶん

敵と全く戦わなくなった。
闘う必要が無い。
金もいらん。重いから少し捨てようと思う。
ベッドで眠りたい。
腹が減った。
オアシスは多い。水で空腹は満たせない。


('A`)


ζ(゚−゚*ζ

510 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:25:53 ID:lqZqklR20

所持金 100G

 (゚A゚) レベル22 勇者
 HP52/149
 MP0

 ζ( 、 *ζ レベル23 踊り子
 HP83/114
 MP0


砂漠に突入して、今日で100日。


特に書くことはない。
最近デレが、自分で勝手に星座を考えることにはまってるくらい。



('A`)

ζ(゚ー゚*ζ あれが……勇者様……隣にいるのが私……ふふ…ふふふふふふ………

('A`)

513 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:28:22 ID:lqZqklR20

所持金 100G

 ( A ) レベル22 勇者
 HP28/149
 MP0

 ζ( 、 ;ζ レベル23 踊り子
 HP75/114
 MP0



砂漠に突入してから、今日で四ヶ月目である。


ドクオはもう日記を続けてはいなかった。
二人の進みは徐々に遅くなり、今日は四時間ほどしか歩かなかった。


砂漠の猛暑はきついが、夜の低気温が何よりも厳しかった。
二人が満足に睡眠を取れる夜など、ここ数ヶ月は無かった。


そんなある日、

(;'A`) ……すまん

517 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:31:51 ID:lqZqklR20

ζ(゚ー゚*ζ ……ううん………こんな日もあるよ

(;'A`) 今日は歩けそうにない……

ζ(゚ー゚*ζ 私がみててあげるから


ドクオが風邪をこじらせた。
睡眠不足と栄養不足がたたったのだ。

その日は野営地点を変えずに、テントの外には一歩も出なかった。


ドクオの風邪は長引いた。
三日間、熱が下がっていなかった。



(;'A`)フゥ……フゥ…………

ζ(゚−゚;ζ 勇者様……


夜になり、外の気温は零下を超えているが、
ドクオの体を蝕む熱が下がることはなかった。


ζ(゚ー゚;ζ ちょっと…水汲んでくる…

519 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:35:43 ID:lqZqklR20


近くにあるオアシスへ向かう。



ζ(゚ー゚;ζ こんなことなら、別のルートに行けばよかった…
       ここまで来たら後戻りも出来ないだろうし…


ζ(゚ー゚*ζ 後戻り…そうだ!春風のマラカスで…!



どうして気がつかなかったのか不思議なくらいだった。

ドクオと相談しようと、テントに走って引き返す。
そのとき、近くに複数の気配を感じた。


ζ(゚ー゚;ζ あっ…!


 デスジャッカルが 八体 現れた!


ζ(゚ー゚;ζ や…やばい…

520 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:39:18 ID:lqZqklR20

デスジャッカル「グルルル……今まであとをつけたかいがあったぜ」

デスジャッカル「知ってるぜ。連れが弱ってんのをな」

デスジャッカル「十日ぶりの獲物だ……」



ζ(゚ー゚;ζ ゆ、勇者様……

テントの方をちらっと見やる。


ζ(゚ー゚;ζ …………


ζ(゚、゚;ζ わっ……私が相手よ!

デスジャッカル「グルル……血迷ったか」

デスジャッカル「一人なら逃げられたかもしれんものを」


ζ(゚ー゚;ζ 勇者様ばっかりに…頼ってられないの!
       私だって、勇者パーティのメンバーだから!

 デレの 攻撃!

521 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:43:07 ID:lqZqklR20

 デスジャッカルに 23のダメージ!


デスジャッカル「いってぇな、このアマ」

デスジャッカル「やっちまえ!」


ζ(゚ー゚;ζ キャッ!


 デレに 31のダメージ!


ζ(゚ー゚メ;ζ うぅ……


デスジャッカル「馬鹿が…」

デスジャッカル「俺たちはもう一人の方を仕留めるぜ」

デスジャッカル「任せた」



デスジャッカルの集団は二組に別れ、一方がテントの方へ向かっていく。

522 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:46:41 ID:lqZqklR20

ζ(゚、゚;メζ だめぇ!


今のドクオが戦える状態ではないことはわかっている。


テントに向かうデスジャッカルたちを止めようとした。


ζ( 、 メ:ζ いぎゃっ!


 デレに 29のダメージ!


デスジャッカル「邪魔なんだよ。どいてろ」


噛みつかれ、ズタボロになったデレだが、なおも道を塞ぐ。


デスジャッカル「死にたいのかぁ?」

ζ(゚、゚メメ;ζ 死にたくない…でも、駄目…!


ζ(゚、゚メメ;ζ この先には行かせない!

523 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:48:32 ID:lqZqklR20
あしくった。まあいいや

526 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:51:13 ID:lqZqklR20

デスジャッカル「何だぁ…」

ζ( 、 メメ;ζ うぅ…


しかし、瀕死のデレは力尽き、その場に気絶してしまった。


デスジャッカル「ならお前から殺してやる!」




 「ちょいと待ちなぁ」


デスジャッカル「だ、誰だ!?…そんなお約束な登場する…のは…?」

デスジャッカル「ん、何処だ?」


デスジャッカルたちが声のした方を振り返る。

そこには、巨大な岩壁しかなかった。


デスジャッカル「………あったっけ、こんなの」

527 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:54:21 ID:lqZqklR20

 「よってたかって女の子をいじめるなんざ、人間のすることじゃないよ!(?)」


デスジャッカル「はい……?」


巨大な岩壁かと思っていたものから、二本の腕が伸びる。


デスジャッカル「ぐおっ!?」

デスジャッカル「兄さん!?」


デスジャッカルの一体が空高く舞い上がった。


デスジャッカル「ちょ、たんま!」

 「そらそらそら!」


ちょうど七発分殴った音がしたあと、辺りは静寂に包まれた。

巨大な岩壁のように見えた人間は、気絶したデレを抱えると、
テントの方へ運び、意識が朦朧としているドクオの傍にデレを寝かせた。

529 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 21:57:50 ID:lqZqklR20

傷口に適当に薬草をあててから、テントから出て行く。


 「さて、あたしも行くかね。
 チッ、この辺りに町があるはずなのに、一体どこなんだい」


巨大な影は、ドクオたちが歩いてきた方へ向かい、やがて消えていった。




次の日。



('∀`) 全快だー!


ドクオの風邪も治り、体力も回復しきっていた。


ζ(^ー^メζ よかったー!

('A`) 迷惑かけて悪かったな。ん…その傷はどうしたんだ!?

ζ(゚ー゚メζ わかんない!昨日のことあんまり覚えてなくて…

530 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:00:59 ID:lqZqklR20

(;'A`) 傷が痛いなら、もう少し休んでいくか?

ζ(゚ー゚メζ 平気だよ!今日は天気もいいし、旅日和だしね


('A`) そうそう、寝ている間に考えてたんだけど、このまま進むより
    一旦妖精の国に…


ζ(゚ー゚;ζ あっ……勇者様……あれ……!


(;゚A゚) ……あ…!!!



砂漠の地形は風によって毎日変化する。

昨日まであった砂の丘が平らになり、遠くまで見渡すことができた。


地平線の手前に、人口の壁らしきものが見える。

531 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:05:21 ID:lqZqklR20



(;゚A゚) ま、町だ……やったー!町だー!!!


ζ(゚ー゚;メζ 勇者様………


ζ(;ー;メζ わぁーん勇者様ー!!!

(;A;) 町だぁー!!助がっだぁー!!!



幾人もの旅人が泣いたキーリカ砂漠で、
132日目、とうとう町を発見した。

二人は抱擁しながら泣いている。


このとき、あの町で起こっている騒ぎを二人は知るよしも無かった。

532 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:07:50 ID:lqZqklR20


野営の道具を片付け、全速力で町を目指す。


('∀`) とうちゃーく!

ζ(゚ー゚*ζ 勇者様早いよー!



('∀`) よーし、さっそく宿屋を……

ζ(゚−゚*ζ ……?


ζ(゚−゚*ζ 勇者様……変だよ、ここ


(;'A`) …ああ、こりゃあ一体……?



土で作られた住居が建て並ぶ町は、
区画整理もされていて、美しい町並みといえた。

533 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:09:17 ID:lqZqklR20


だが、


ζ(゚ー゚;ζ どうして…誰もいないの?





所持金 100G

 ('A`) レベル22 勇者
 HP140/149
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル23 踊り子
 HP55/114
 MP0


続く


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