('∀`)勇者30174のようです 二十二話
538 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:13:21 ID:lqZqklR20


所持金 100G

 ('A`) レベル22 勇者
 HP140/149
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル23 踊り子
 HP55/114
 MP0



キーリカ砂漠にはたった一つの町しか存在しない。
それがこの巨大オアシス、クラウンである。

人口は決して少なくないはずなのだが、
外壁をくぐって中に入っても、人の影は全く見えなかった。


(;'A`) まさか、せっかくたどり着いた町が既に廃墟だったとか!?

ζ(゚ー゚;ζ 廃墟にしては綺麗な町だよ…


そのとき、遠くから花火の音が聞こえた。

539 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:16:19 ID:lqZqklR20


ζ(゚ー゚*ζ あっ!


('∀`) やっぱり人がいるんだ!行こう!


無人の町かと思ってびくついていたが、
中央の大通りを抜けると、ちらほらと人影が見えてきた。

どうやら中心地で何か行っているようだ。



('∀`) そうか、今日はお祭りなんだな


町人「ん……あんた、旅人かい?」

('A`) ああ。さっきこの町に着いたばっかりで…

ζ(゚ー゚*ζ 勇者パーティなんだよ!

町人「へー珍しい。まさか一日に二組も勇者パーティがいるなんて」

(;'A`) ほ、本当か!

540 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:18:51 ID:lqZqklR20

ζ(゚ー゚*ζ もしかしてモララーさんとか…


町人「しかもかなりの凄腕の勇者らしいぜ」

町人「もうすぐ壇上に上がるはずだ」



中央のオアシスの前で特設セットが組まれていた。

これだけ盛大に歓迎される勇者は珍しい。


('∀`) もしかして渋澤パーティなんじゃ…

ζ(゚ー゚*ζ そうかもね!とりあえず有名人っぽい!


周りがざわつく中、一人の老人が壇上に上がった。


町長「あー、皆の衆!それではにっくきサンドワームを退治してくれる勇者を紹介するぞい!」

('A`)(少し前に見たような光景だな…)

541 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:21:29 ID:lqZqklR20

ζ(゚ー゚*ζワクワク



町人「それでは登場して頂こう!一流の勇者パーティと名高い、兄者様と弟者様じゃ!」


('A`)    ζ(゚ー゚*ζ



('A`)(誰?)ζ(゚ー゚*ζ



盛大な拍手と共に、二人の男が壇上に上ってきた。


( ´_ゝ`) いやー諸君!素晴らしい歓迎ありがとう!俺が兄者だ!
      この俺が道を封鎖するモンスターを蹴散らしてくれよう!

(´<_`; ) ………


歓声が飛び交っている。
兄者は意気揚々と手を振っているが、もう一人の男は何処か気まずそうにしている。

542 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:25:32 ID:lqZqklR20


町人「何でも、西じゃ渋澤と並ぶくらい強い勇者なんだってな!」

町人「実に心強い味方が現れてくれたもんだ」

町人「これでこの町も安泰だ」



('A`)(そんなに強いのか…)

ζ(゚ー゚*ζ あの人たちも二人旅なのかなあ


その後、盛大なバレードがあり、二人組の勇者たちは町を練り歩いた。


ドクオたちは途中で抜けて、宿屋で実に四ヶ月強ぶりのシャワーを浴びていた。

宿屋に泊まれなかったらどうしようかと少し不安であったが、
この町の宿屋はたったの20Gだったので、問題はなかった。


その夜、


ζ(゚ー゚*ζ ねえ、お散歩しない?

543 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:28:51 ID:lqZqklR20

(;'A`) 散歩?お前タフだな。今日はゆっくり寝ようかと…

ζ(゚ー゚*ζ サンドワームっていうモンスターが通せんぼしてるらしいし
       あの勇者さんたちがやっつけてくれるまで、どうせずっとこの町にいるんだよ


ζ(゚ー゚*ζ だったら町の色んなとこ見てみよ!星も綺麗だよ!

('A`) すっかり星を見るのが好きになったな…


二人はのんびり夜の町を歩き始めた。

夜中になると、パブくらいしか明かりがついていないが、
夜空の星だけでも道がはっきりと見えた。



ζ(´ー`*ζ あのね、あの星が勇者様で、隣にいるのが…

(;'A`) それ今までで十回以上は聞いた


 「絶望だ……」


(;゚A゚) そのパターンは初めてだ!

544 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:32:29 ID:lqZqklR20

ζ(゚ー゚;ζ 私何も言ってないよ?


 「もう死ぬしかない…」


(;'A`) ……?


何処からか力の無い声が響く。


ドクオたちは声を頼りに、草むらの方へ近寄っていった。

(;'A`) ! ζ(゚ー゚;ζ



( ;_ゝ;) どうしよう……

(´<_` ) 兄者の撒いた種だ。俺は知らん

( ;_ゝ;) 薄情者!お前のものは俺のもの。俺の失態は弟者のものだ!

(´<_`; ) お前ジャイアンでもそこまでうざくはないぞ…

548 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:36:36 ID:lqZqklR20


(;'A`) あんたら、昼間の…

ドクオが声をかけると、今まで泣いていた兄者が急に姿勢を整えた。


( ´_ゝ`) やあ!こんな時間にどうしたんだい!

(´<_`; ) 待て、兄者。どうやらこの男は…

( ;´_ゝ`) それは……勇者バッヂ!勇者か!


('A`) ああ、一応。あんたらもだよな?

ζ(゚ー゚*ζ 強いんですよね?


( ´_ゝ`)  (´<_` )


( ´_ゝ`) まあな!

(´<_`; ) おい!

( ;_ゝ;) 嘘ですごめんなさい…

(;'A`) ???

553 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:42:46 ID:lqZqklR20

( ;_ゝ;) 以下が俺たちのステータスだ…目ん玉おっぴろげてよく確認してくれ


所持金 3G

 ( ;_ゝ;) レベル4 勇者
 HP33/33
 MP0

 (´<_` ) レベル4 勇者
 HP39/39
 MP0



(;゚A゚) よえええええええええええ!!!!

( ´_ゝ`) どうだ。驚いたか

ζ(゚ー゚;ζ しかも妙に自慢げだ!


(;'A`) お前ら有名な勇者パーティじゃねえのかよ!

( ´_ゝ`) 口から出任せ言いまくってたら、尾ひれがついてあんなことに…

(´<_` ) 尾ひれつけたのもお前だったけどな
      妖精の国で魔族と闘ったとか、ギャンブルで一夜にして500万G稼いだ強運だとか

556 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:47:24 ID:lqZqklR20

( ´_ゝ`) そして、いつの間にかサンドワーム討伐隊にされてたって訳だ!


( ;_ゝ;) もう死ぬしかねえ…

(´<_` ) 死ぬなら一人で死んでくれ。俺はこの辺りで農業とかして暮らすから

( ´_ゝ`) あーいいなそれ。俺もそうする


(;'A`) 今までどうやって闘ってきたんだ?

( ´_ゝ`) モンスターの振りして闘わずに来たんだ
      おかげでモンスターの物まねがとてつもなく上手くなったぞ

('A`) その手があったか!

ζ(゚ー゚;ζ 感心するとこじゃないよー


( ;´_ゝ`) 頼む!俺たちの夜逃げを手伝ってくれ!

(´<_`; ) 違うだろ!


(´<_` ) どうせ旅を続けるなら、あのサンドワームをどうにかしなきゃならない
      頼む!勇者なら手伝ってくれ!

558 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:51:11 ID:lqZqklR20

(;'A`) ちなみに、サンドワームって強いのか?

( ´_ゝ`) 俺なら即死だな

('A`) 何の基準にもならん…


( ´_ゝ`) もしも手伝ってくれたらいいアイテムをやるぞ!

('A`) どんなの?

( ´_ゝ`) ふっふっふ


( ´_ゝ`) 詳しくは言えないが、あれを履けばスピードが1上がるのだ

(;'A`) うん………いらんわ

( ;´_ゝ`) な、何故!?


いずれにしろ、サンドワームを倒さないと先には進めない。

結局ドクオたちは、兄者たちと共に闘うことになった。

560 :名も無きAAのようです:2012/09/25(火) 22:53:11 ID:lqZqklR20

駄目勇者たちの行き着く先とは一体。



所持金 80G

 ('A`) レベル22 勇者
 HP140/149
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル23 踊り子
 HP114/114
 MP0

 ( ´_ゝ`) レベル4 勇者
 HP33/33
 MP0

 (´<_` ) レベル4 勇者
 HP39/39
 MP0

続く


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