('∀`)勇者30174のようです 二十六話
- 714 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 19:25:00 ID:0AFnXRdU0
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所持金 790G
('A`) レベル23 勇者
HP155/155
MP0
ζ(゚ー゚*ζ レベル25 踊り子
HP124/124
MP0
月が空高く昇る頃、サンドラ城の前に立つ二つの影があった。
ドクオたちはモンスターの襲撃を警戒しつつ、
こけの生えた城の城門をくぐった。
(;'A`) やっぱ雰囲気あって怖いな
ζ(゚ー゚;ζ ゆ、勇者様、離れないでね ギュッ…
(;'∀`)(お、おっぱいが…!)やった!おっぱいだ!
ζ(゚、゚;ζ 勇者様!?
(;'A`) しまった!ああ、しかしどっちにしろ駄目だこれ!
- 717 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 19:31:22 ID:0AFnXRdU0
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中はかなり荒れており、城内ではカンテラが無ければ何も見えないほど暗い。
ナイトウイプス「クソ!イチャイチャしやがって!」
おばけキャンドル「許さんぞぉぉお!」
ナイトウイプスが五体 おばけキャンドルが三体現れた!
(;'A`) 何か妙に気合い入ったモンスターが!
モンスターの数も決して少なくない。
度々足止めを暗いながら、城内を探索した。
ζ(゚ー゚*ζ モンスターがいると、逆に安心するね
('A`) お化け屋敷で脅かす役の奴が丸見えだったときの安心感と似てるな
ζ(゚ー゚*ζ それはよくわかんないけど…
上階の廊下を探索しているときだった。
(;'A`) む…?
- 718 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 19:32:55 ID:0AFnXRdU0
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「無い……」
(;゚A゚) 何か聞こえるような…
「ここにも…無い……」
ζ(゚ー゚;ζ 何かいるよ勇者様!
足を止める。
どうやらある一室から声が聞こえているようだ。
(;'A`) あ、開けるぞ
ζ(゚ー゚;ζ うん!
意を決してドアを開く。
中に突入し、カンテラをつきだして室内を照らした。
突如、風切り音が響く。
- 719 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 19:36:31 ID:0AFnXRdU0
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(;'A`) うお!
ζ(゚ー゚;ζ キャッ!
二人の間を何かが高速で通り抜けた。
あまりにも速すぎて、それが何なのかわからなかった。
とりあえず二人は謎の影を追って、さらに上階への階段を上る。
(;'A`) さっきの影はどっかに潜んでるはず…
しらみつぶしに探してみるか
ζ(゚ー゚;ζ ここ、もしかして王様の寝室かな?
デレが指さしたのは、ドアが壊れて入口から中が見通せる部屋だった。
ほこりが積もり、中は薄汚れているが、大きなベッドが見える。
そのベッドの横に、誰かがいる。
(;'A`) だ、誰……すか?
ドクオたちは、影にそっと忍び寄った。
- 720 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 19:38:42 ID:0AFnXRdU0
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「シクシクシク……」
(;'A`) ………ん?
(;゚A゚) あー!お前…!
( ;ゞ) うぅぅぅ……
ζ(゚ー゚;ζ 町人Aさん!
そこにいたのは、昼間に見た依頼主の町人Aだった。
だが着ている者はまるで王様が着るような豪華なガウンだ。
昼間の雰囲気とは違う。
(;'A`) お前何やってんだよ!
( ;ゞ) シクシクシクシク……何って、ただ泣いておるだけじゃい!ほうっといてくれ!
- 721 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 19:41:58 ID:0AFnXRdU0
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ζ(゚ー゚;ζ ここはモンスターが多いから、危ないよ?
( ;ゞ) ここはわしの家じゃ!他の場所には行かんぞ!
(;'A`) はぁ…?
とてもよく似ているが、落ち着いて見てみると、町人Aよりもずっと老けている顔だ。
( ;ゞ) 大体わしは……
( ;ゞ) 百年以上前に死んどるんじゃ!今更モンスターなんて怖くないわ!
ζ(゚ー゚;ζ し、死んでる!?
(;'A`) どういうことだよ!
( "ゞ) む…というか、人の家にずかずかと入りこんどるおまえらは何者じゃ
('A`) ゆ、勇者だよ
( "ゞ) おお、そうなのか!いや失礼した
もしかしてこの城に巣くうモンスターを退治しにきてくれたのかの?
(;'A`) ちょ、ちょっと待ってくれ。色々と整理したいことがある
- 722 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 19:48:04 ID:0AFnXRdU0
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( "ゞ) 何じゃ?
('A`) お前は…幽霊なのか?
( "ゞ) うむ。その通りじゃ
(;'A`) ほ、本当に幽霊っていたのか…
ζ(゚ー゚;ζ 意外とくっきり見えるものなんだね
( "ゞ) そうなんじゃ。わしも幽霊になってびっくり
( "ゞ) わしは百年以上前、この緑豊かなケブ地方を治めておった国王なんじゃが…
('A`) ストップ!長くなりそうだから要点をかいつまんで話してくれ
( ;"ゞ) いくら幽霊だからといっても、国王にそんな態度ないじゃろうが!
( ;"ゞ) えーっと、まあわし百年以上前に病気で死んじゃったんじゃ。
妻に会いたいから現世に残ったが、妻もすぐに死んでしまった
その後は王国も衰退。今はモンスターの根城。今度はそれが悔しすぎて成仏できん
(;'A`) もしかして、子供とかいたか?
( "ゞ) おった。もう死んでおるがの。一族自体は残っているはずじゃ
- 723 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 19:51:04 ID:0AFnXRdU0
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('A`) そうか…あいつ(町人A)は一族の末裔だったのか
ζ(゚ー゚*ζ どおりでそっくりな訳だね…
('A`) こういうのも出番に入るのかな
( "ゞ) 頼む!城に巣くうモンスターの主を倒してくれ!
デルタ国王直々の願いじゃ!
('A`) 国王の願いは全力ダッシュで回避するって決めてるんで
( ;"ゞ) 全力ダッシュ!?イベントから逃げるなんて勇者にあるまじき行為許さんぞ!
( "ゞ) おお、そうだ。もし倒してくれたら隠し財産の場所を教えてやるぞ
('∀`) 国王!私に全てお任せ下さい!
ζ(゚ー゚*ζ モンスターなんてやっつけちゃうよ!
( "ゞ) おまえら露骨じゃの…
- 724 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 19:54:09 ID:0AFnXRdU0
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('∀`)(この城のモンスターは弱いからな。ボスも何とかなるだろ)
( "ゞ) モンスターの主はこの城の最上階におる
頼むぞ、勇者よ
('∀`) 任しとけって!すぐに成仏させてやんよ
( "ゞ) 早く妻に会いたいのだ…いつまでも若く、美しかったあの妻に…
ζ(゚ー゚*ζ そんなに素敵な方だったのね
( "ゞ) むふふ。わしには勿体ないくらいのな。写真もあるぞ。ほれ
('A`) どれどれ?
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以
( "ゞ) 美人じゃろ?
(;'A`) ………うん、早く成仏して会えるといいな
ドクオは空気を読んだ!
- 725 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 19:59:43 ID:0AFnXRdU0
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最上階への階段はすぐ傍にあった。
あとはモンスターの主を倒すだけで、ダンジョン攻略、イベント達成、
依頼も完了、お宝ゲット……という、はずだった。
('A`) ここが屋上か…モンスターの主ってのは何処だ?
ζ(゚−゚*ζ 見えないね…
「グッ……またあの幽霊が来たと思ったら……!」
(;'A`) っ!上だ!
ζ(゚ー゚;ζ わ!
ブラッディマリー「ここはカップルの暇つぶし場所じゃねええええええ!!!」
巨大なハサミを持った赤いドレスの女が、上空で咆吼した。
顔つきは青白く、目は真っ赤に染まっている。
- 726 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 20:04:38 ID:0AFnXRdU0
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血濡れの首切り姫 ブラッディマリー
推奨レベル:35〜
赤いドレスは全て返り血で染まったものだと言われる。
巨大なハサミから繰り出される攻撃は、全てを両断する破壊力がある。
多種多様の魔法を使うことができ、その魔法力は
怒りと共に大きくなるという、短気な魔族。
(;゚A゚) つ、強いぞこいつ!?しかも何故かブチ切れてる!
何でこの城のモンスターはみんないきなりブチ切れてるんだ!?
ζ(゚ー゚;ζ 勇者様、危ない!
ブラッディマリー「死ねえええええリア充共がああああああ!!」
ブラッディマリーのハサミが二人に襲いかかる。
間一髪でかわすと、ハサミの柄は屋上の床を切り裂き、大きな亀裂ができた。
- 727 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 20:11:02 ID:0AFnXRdU0
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ζ(゚ー゚;ζ い、痛っ…
(;'A`) デレ、大丈夫か?
ζ(゚ー゚;ζ ちょっと切っちゃった…
(;'A`) よし、今薬草を…
ブラッディマリー「」ブチブチブチ……
ブラッディマリー「だからくっついてんじゃねえええ!」
(;'A`) うお!あぶねえ!
ブラッディマリー「あぁん!?そんなに二人でいんのが楽しいのかよ!」
ζ(゚ー゚;ζ た、楽しいもん!楽しいから二人一緒にいるの!
ブラッディマリー「うるさいブス!つまんねえ返事してんじゃねえ!」
ブラッディマリー「ここの国王といい、おまえらといい、貧弱過ぎてむかつくんだよ!
一人で生きていく力が無い奴は、あたしが首を狩ってやる!」
- 728 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 20:13:36 ID:0AFnXRdU0
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('A`) お前、単に友達がいないだけじゃ…
ブラッディマリー「」
ζ(゚ー゚;ζ ゆ、勇者様!そういうのは言っちゃ駄目だよ…ボソボソ
(;'A`) だって…彼氏以前の問題っぽかったからつい…ボソボソ
ブラッディマリー「」ブチブチブチブチブチブチブチブチ
ブラッディマリー「こぉぉぉぉろぉぉぉぉすぅぅぅぅぅ!!!!
メラゾーマ!ベギラマ!ヒャダイン!イオラ!」
(;゚A゚) うおおおおお!?
ζ(゚ー゚;ζ きゃあああああ!
- 729 :名も無きAAのようです:2012/09/28(金) 20:16:29 ID:0AFnXRdU0
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まるで暴走したように魔法を放つブラッディマリーに、
攻撃するような隙はなかった。
いつまでもかわし続けるのは難しく、徐々に二人の体力が削られていく。
果たしてドクオたちに勝機はあるのか。
ブラッディマリーにパートナーは見つかるのか。
ブラッディマリー「ほっとけ!」
所持金 876G
('A`) レベル23 勇者
HP87/155
MP0
ζ(゚ー゚*ζ レベル25 踊り子
HP54/124
MP0
続く
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