('∀`)勇者30174のようです 三十二話
881 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:10:58 ID:f4NIl4a.0

所持金 0G

 ('A`) レベル28 勇者
 HP146/185
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル30 踊り子
 HP140/150
 MP0



ドヤは人ほどもありそうな巨大な剣を背中に背負っていた。
剣を揺らしながら、つかつかとカンダタに歩み寄る。


カンダタ「た、頼む!助けてくれダンナ!」

('・ι_,・`) まあ、そう慌てなさんな


しかしドヤはカンダタを無視して、台座の後ろの装置の方へ近づいていく。

綺麗な長い指で、装置のパネルをいじり始めた。


('・ι_,・`) うん、結構貯まったじゃないか。上出来だ




882 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:15:32 ID:f4NIl4a.0

(;´・ω・) カンダタ!お前、人間の癖に魔族と手を…!


カンダタ「へ、へへ!そうよ、悪いか!俺は金さえ手にはいりゃ何だっていいのさ!」


('・ι_,・`) ありがとうカンダタくん。報酬だ。受け取ってくれ

カンダタ「ど、どうもダンナ……え?」


ドヤが背中の剣に手をかける。


カンダタ「だ、ダンナ!?」

('・ι_,・`) 一つ言っておこう。君の覆面面は非常に醜く、不愉快なのだ


空気を切り裂く一瞬の風切り音がした。
傍目には、ドヤは身動き一つしていないように見えた。

しかしドヤがカンダタから離れると、カンダタの首が覆面ごと、ごろりと床に転がった。


ζ(゚、゚;ζ ヒッ!




883 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:20:47 ID:f4NIl4a.0

('・ι_,・`) さて、勇者諸君。君たちの相手をしたいところだが、
      こんな汚らしい場所からはさっさと出て行きたいというのが本音なのだよ

('・ι_,・`) それに、こっちの世界に長くはとどまれないのでね
      これで失礼させてもらうよ


('、`*川 待って


('・ι_,・`) む…


('、`*川 せっかく来たんだから、少し遊んでいきなよ


女が魔力を集束し始める。


(;'A`) うおっ…!


先ほどアジトを襲った揺れが再び起こり始めた。


(;´・ω・) こいつら、何というレベルにいるんだ…!




884 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:24:11 ID:f4NIl4a.0

(・ι_,・`;)(魔法使いか…苦手だな…!しかも、この魔力は…似ている!
     あの男と同質の波動!こいつが…)

('、`*川 さあ…

('・ι_,・`) おーっと、すまないね。私には仕事がある。さらばだ勇者諸君

('、`;川 ま、待て!


ドヤは装置に手をかけたまま、黒い光に包まれていった。

女が魔力を閃光にして放出するが、そのときは既に、
ドヤも装置も消えてなくなっていた。


('、`*川 ……………


(;´・ω・)(;'A`)ζ(゚ー゚;ζ ……




885 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:27:45 ID:f4NIl4a.0


 審議中



(;'A`) おい、何かすげえこと起こってる気がするぞ…!

(;´・ω・) とても重要なイベントの気配だ!
     ああ、しかしこのショボン様がどうしようもなくカヤの外って感じだ…!

ζ(゚ー゚;ζ と、とりあえず私たち助かったのよね?ね?



女はドクオたちに構わず、宝の山を漁り始めた。


('、`*川 …!


一つの赤く光るオーブを手にする。


('、`*川(あと……二つ……ん?)

女はオーブの他に、一冊の本も手に取った。




886 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:31:10 ID:f4NIl4a.0

('、`*川 これは…「悟りの書」…!こんなものまで手に入れていたのか!


女が手に取った本は非常に古びていて、
タイトルがすすけて読めなかったが、女にはそれが何の本かわかっているようだった。


しかし、本を開こうとしても、びくともしないらしい。

('、`;川 どうして…どうして!


やがて苛立った女は、本をその場に投げ捨てた。


ζ(゚ー゚;ζ わっ


本は床に跳ね返り、デレの足下に落ちる。


ζ(゚ー゚;ζ ……え!?

('、`;川 ……!

(;'A`) な、何だこの本は…




887 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:35:06 ID:f4NIl4a.0

デレの足下に落ちた本は、黄色の淡い光を放ち始めた。


ζ(゚ー゚*ζ …綺麗……


恐る恐るデレが手に取ると、光は一層強くなった。


('、`*川 ……………ふん


その様子を見ていた女は、つまらなそうな顔をして、
部屋から出て行った。



(,;゚Д゚) う、まただ…!

(;'A`) 今度は何の揺れだ!?

(;´・ω・) アジトが倒壊するんだ!早く自分たちの装備だけ持って脱出するぞ!


ζ(゚ー゚*ζ ………

(;'A`) デレ!早く準備するんだ!




888 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:38:46 ID:f4NIl4a.0

ζ(゚ー゚;ζ あっ、うん!


本に目を奪われていたデレは、慌てて装備を探し始めた。


(;'∀`) あった!ふくろだ!あとは装備品を……


('A`)ピコーン!


('∀`)(この隙に前よりいい装備を盗もう!)

倫理観が薄い勇者ドクオ。



(;´・ω・) 急げ!アジトが崩れる!


ひとしきり装備を物色した後、彼らは気絶した盗賊たちを抱えて、
アジトから間一髪のタイミングで脱出した。

彼らが外に出た瞬間に、アジトへの入口はガレキに塞がれた。




890 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:42:34 ID:f4NIl4a.0


(´・ω・`) た……助かった


倒壊したアジトを見つめて、しばしの間、彼らは呆然としていた。



(,,゚Д゚) 魔族か…やっぱり強いなゴルァ

(´・ω・`) おそらくあいつは上位魔族だ。魔王の直属だろう

(*゚−゚) あんな奴を相手にしなきゃいけないのね…

( ;^Д^) 俺マジで自信ねえんだけど…


('A`) 魔族はどうして、魔力なんて集めてたんだ…

(´・ω・`) さあな。あいつらの考えることなんてわからないさ
      それより、あの女が気になる。あいつは一体…



ζ(゚ー゚*ζ ……………

デレはこっそり持ってきていた、あの古びた本を手に取っていた。




894 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:47:41 ID:f4NIl4a.0

ζ(゚ー゚*ζ(悟りの書…って、言ってたな)


本には、何となく開くのをためらってしまう迫力があった。
しかし捨てるのは、何か惜しい気がする。

デレは本を自分のバッグに大事そうにしまった。



(´・ω・`) さて、こいつら(盗賊)はお尋ね者だから、近場の国に引き渡すか

( ^Д^) 報酬金もらえるな!


(´・ω・`) じゃあな、ドクオ。今回も僕の冴え渡る頭脳が役に立ったということだ

(;'A`) 一切見所無かった気がするが…じゃあな


(´・ω・`) 僕らはこれからダディ神殿に向かう。縁があればまた会えるだろう

(*゚ー゚) じゃあねー

(,,゚Д゚) またなゴルァ

( ^Д^) 次に会うときまで生きてろよ




895 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:51:20 ID:f4NIl4a.0

ショボンたちは盗賊を抱えて、旅立っていった。


('A`) ダディ神殿…転職できるところか
   あそこは職業訓練も受けられるらしいな

ζ(゚ー゚*ζ じゃあ…魔法使いになれるのかな!



ζ(゚ー゚*ζ 勇者様!私も行きたいよ!

('∀`) よぉーし、じゃあ当分の目標にするか!


気合いを入れ直し、新たなる気分で再び旅へ向かう。


('A`) ダディ神殿に行くとなると、別の大陸だから、船がいるな…
    近くで港町を探してみよう

ζ(゚ー゚*ζ ショボンたちについていけばいいんじゃない?

('A`) 一度お別れの挨拶したから、また会うのが気まずいだろ…

ζ(゚ー゚;ζ ……そうだね




896 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:57:58 ID:f4NIl4a.0

魔族の脅威を改めて目の当たりにし、ドクオたちは自らの未熟さを悟った。


('A`)(やっぱ修行しないとな…そういう意味でも、ダディ神殿は有りだな)


強くなければ生き残れない。
旅の厳しさを今一度痛感したのである。


 ドクオたちは くさなぎの剣 はがねのムチ はがねのよろい
 せんしのビスチェ を手に入れた!


('∀`) 装備も充実したし、張り切っていこー!

ζ(゚ー゚*ζ おー!



ドクオたち一行は、微かに漂う潮の匂いを辿って、歩き始めた。




897 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 12:59:53 ID:f4NIl4a.0






ドクオたちが出発してから、数時間後―――――。




爪;'ー`)y‐ ふぅー!着いたぜー!



爪'ー`)y‐ ここがカンダタ様のアジトか!長かった…!
      ここに来るまでに何度死にかけたか!これでやっと俺も盗賊のスーパースターだ!


爪;'ー`)y‐ さぁーて、何処が入口なのかなー?
      なんか既に崩壊してる気がするけど、気のせいだよなー?


爪;ー;)y‐ せっかくここまで来てもうイベント終わってたってことないよなー?
      俺の努力って何だったんだろうってなるもんなー?




898 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 13:01:25 ID:f4NIl4a.0






爪;ー;)y‐ ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!







所持金 0G

 ('A`) レベル28 勇者
 HP146/185
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル30 踊り子
 HP140/150
 MP0

続く


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