('∀`)勇者30174のようです 三十四話
- 944 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:09:05 ID:eiS7lRGM0
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所持金 1301G
(゚A゚) レベル29 勇者
HP32/192 ←
MP0
ζ(゚ー゚*ζ レベル30 踊り子
HP150/150
MP0
とうとう出航の時間がやってきた!
从 ゚∀从 さあ行くぜおまえら!
海賊「おう!」
王様「ハイン。くれぐれも、気をつけてな」
从 ゚∀从 わかってる。ありがとな、親父
王様「ふふん。お主、顔つきがわしに似てきたな」
(゚A゚)
- 946 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:11:13 ID:eiS7lRGM0
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王様「……ふむ、このカカシは何だ…?」
从 ゚∀从 それは勇者だ
(゚A゚) 二日酔いが…ウェヴェボロロロロロロロ
从;゚∀从 きったねーな!勇者も今日は海の男なんだぞ!
海の男が二日酔いごときで吐いてちゃしょうがねえだろ!
(゚A゚) おまえらが酒に強すぎるだけだヴォヴェブチョロロロロロロロロロ
瀕死のドクオは海賊たちに抱えられて船に乗り込んでいった。
王様(大丈夫かなあれ…)
同時刻、デレは昨晩の波止場に来ていた。
ζ(゚ー゚*ζ あ…ミセリさん!
ミセ*゚ー゚)リ こんにちは
- 947 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:14:43 ID:eiS7lRGM0
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ζ(゚ー゚*ζ さっき適当な小舟をパク……借りてきたよ!
お弁当も作ったし、さっそく海に出よう!
ミセ;゚ー゚)リ たくましいわねえ
ζ(^ー^*ζ(わぁーい船に乗るの初めてだから楽しみ)
二人は小舟に乗り込み、慣れない手つきで沖へと出発した。
ζ(゚ー゚*ζ 恋人さんの船って、何処にあるのかな
ミセ*゚ー゚)リ 向こう…方角はわかるの。何となく
ζ(゚ー゚*ζ 流石は海の女!それにしても恋人さんも凄いわね
他の海賊さんたちは、幽霊騒ぎで船を出さないのに
ミセ*゚ー゚)リ ふふ…強くてたくましい彼だったからね
ζ(゚ー゚*ζ のろけちゃってまー
ζ(゚ー゚*ζ(……だった?)
- 948 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:17:21 ID:eiS7lRGM0
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一方、こちらは勇者ドクオ。
('A`) やっと二日酔いが収まってきた…
从*゚∀从 ヨーーーーソローーーーー!
二時の方向へ舵を切れーい!イエーーーーー!
海賊「海イエーーーーーー!」
海賊「キャプテンイエーーーーーーー!」
('A`) テンション高いなこいつら…
从 ゚∀从 何しろ俺たちは海の男だからな!
海賊「何も無い海上でハイテンションを保てる唯一の生物が海の男さ!」
海賊「波を見て色んな妄想をするスペシャリストでもあるんだぜ!」
('A`) なるほど。色んな意味でシビアな世界だ…
- 949 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:20:55 ID:eiS7lRGM0
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从 ゚∀从 海の男とは!?
海賊「「「怖いものなんて何も無い!」」」
从 ゚∀从 海の男なら!?
海賊「「「幽霊なんてぶっ飛ばせ!!」」」
从*゚∀从 海イエーーーーーーーーー!!!ヒャッハーーーー!!!
海賊「海イエーーーー!!青イエーーーー!」
(;'A`)(この人たちとは、友達になれそうにないな…)
从*゚∀从 海!何て楽しいんだ!何処見ても海ばっかりじゃねえか!
まさしく天国だ!この世の全てが海から生まれたってのは本当だったんだー!
海賊「うぅ…キャプテン…あんなに楽しそうに…」
海賊「小さい頃から、ずっと海に出たがっていたからなあ」
- 951 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:24:11 ID:eiS7lRGM0
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('A`) 幼なじみなのか?
海賊「ああ。小さい頃はよく海賊ままごとやってたよ」
海賊「ハイン様がいつもキャプテン役だったな」
海賊「ガキ大将だからなあ」
楽しそうに話をする彼らに、固い友情を感じた。
('A`) まあ…
('∀`) 楽しそうだからいいか…
从*゚∀从 海イエーーーー!空イエーーーー!
海賊「幽霊なんて」
海賊「「「怖くなーい!!!」」」
- 952 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:26:33 ID:eiS7lRGM0
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('∀`) ……お
('A`) 何だ、雲行きが怪しいぞ
从 ゚∀从 そんな馬鹿な。今日の空模様からして、雨なんて降らないはずなんだが…
海賊「俺もそう思います」
海賊「降ってもまあ、通り雨でしょう」
(;'A`) …いや、待て!妙に空が暗い!それに、変な気配がする!
从;゚∀从 うぅ…まさか…
海賊「…!キャプテン!前方に妙な船がいます!あれは……」
(;゚A゚) 本当に来た!幽霊船だ!
(;'A`) よし、海の男の本領発揮だな!あれに横付けして乗り込むぞ!
- 953 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:28:57 ID:eiS7lRGM0
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肉眼でも前方にはっきりと幽霊船が捉えられる。
ドクオは武器を手に持った全員に叫んだ。
(;'A`)
(;'A`) おーい?
从;゚∀从 はわわわわわわわわ…
海賊「ひぃー!幽霊だー!」
海賊「なんまいだぶなんまいだぶ…!」
海賊「おうちに帰りたい…!」
(;゚A゚)オィィィィィ!?海の男は怖いものなしなんじゃなかったのか!?
从;゚∀从 ゆ…幽霊は……怖い!イエーーーー!
海賊「幽霊コエーーーーー!」
(;゚A゚) ア バカダ コノヒトタチ
- 956 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:32:58 ID:eiS7lRGM0
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从;゚∀从 とにかく港に引き返すぞ!
海賊「駄目です!舵が利きません!」
从 ;∀从 えー!?やぁーん、もうあたし怖いのいやぁー!!!
(;゚A゚) 急に女にもどんな!
从;゚∀从 まさか本当に幽霊船がいたなんて!幽霊なんてファンタジーじゃねえのか!
('A`) ヒント:この作品のジャンル
从;゚∀从 しまったぁー!ファンタジーだ!
海賊「キャプテン!もはや我々は集団自決するしか手が…」
(;゚A゚) 焦んじゃねー!おまえら潔すぎるぞ!
从 ゚∀从 海の男だからな!
(;゚A゚) 何だその魔法の合い言葉は!?
- 957 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:36:19 ID:eiS7lRGM0
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「勇者様ー!」
(;゚A゚) かくいう俺も焦ってるみたいだ…幻聴が聞こえてきやがる
「勇者様ー!こっちこっちー!」
(;'A`) え…デレ!?
船から身を乗り出すと、小舟にやってくるデレたちの姿があった。
ζ(^ー^*ζ 勇者様もいたなんて、運命だねー!
これから幽霊退治?
从;゚∀从 危ないぞ!今まさに幽霊船がこっちに迫ってきてるんだ!
ζ(゚ー゚;ζ えぇー!は、早く逃げないと!
- 958 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:39:52 ID:eiS7lRGM0
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ミセ*゚−゚)リ …いる!
ζ(゚ー゚;ζ そういうゲームあったね!でも今は早く逃げるのが先決!
ミセ;゚ー゚)リ 違うの!彼が近くにいるのよ!
ζ(゚、゚;ζ ほ、本当!?
そうこうしている内に、幽霊船がどんどん彼らに迫ってきていた。
ボロボロの外壁は、もはやどうやって海に浮いているのかわからなくらい酷い。
マストがはがれ落ちているにも関わらず、スピードはドクオたちの船よりもずっと速かった。
(;゚A゚) 早くデレたちを引き上げろ!
从;゚∀从 駄目だ!もう時間がない!一緒に自決しよう!
(;゚A゚) 一人で死ねやー!デレーー!
ζ(゚ー゚;ζ 勇者様ー!
間近に迫った幽霊船に、一人の男の影がぼんやりと浮かんできた。
- 959 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:42:01 ID:eiS7lRGM0
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男は体が透けており、生身の人間でないことは一目でわかる。
格好から、幽霊船のキャプテンだとわかった。
( ゚д゚) う……うぅぅ……
从;゚∀从 激突する!
(;゚A゚) やめろーーー!!!
「こっち!」
ミセ;゚ー゚)リ こっちよ!ねえ、お願い!気がついて!
从;゚∀从(;゚A゚) え!? ζ(゚ー゚;ζ
その時、デレと一緒に小舟に乗っているミセリが、大声で幽霊船に呼びかけた。
- 960 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:43:37 ID:eiS7lRGM0
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彼女の動きに呼応するように、幽霊船がぴたっと動きを止める。
( ゚д゚)
ミセ;゚ー゚)リ お願い!こっちを…こっちを見て!
( ゚д゚)
( ゚д゚ )
ミセ;゚ー゚)リ …っ!
ミセ;゚ー゚)リ こっちみんな!!!!
(;゚A゚) えぇ!?
ζ(゚ー゚;ζ ええ!?
- 961 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:46:28 ID:eiS7lRGM0
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( ゚д゚ )
( ゚д゚)
ミセ;゚ー゚)リ あっ……私よ!ミセリよ!こっちを向いてちょうだい!
( ゚д゚ )
ミセ*;ー;)リ こっちみんなあああああ!!!
从;゚∀从 どっちだよ!?
ζ(゚ー゚;ζ ミセリさん、何がやりたいの!?
- 964 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:50:49 ID:eiS7lRGM0
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(;゚A゚) あっ…!
海賊「おお……!」
从;゚∀从 げ!?
ζ(゚ー゚;ζ ミセリさん!
急なドリフ臭が漂ってきた瞬間、ミセリの体が宙に浮いた。
同時に幽霊船の男も宙に浮かぶ。
二人は空中でしっかりと抱き合った。
ζ(゚ー゚;ζ な、何が起こってるの…
从;゚∀从 一体どのタイミングで自決すればいいんだ…
海賊「キャプテン、たぶん助かったのかと…」
(;'A`) お前は海が好きなのか、海の藻屑になりたいのか、どっちだ
- 965 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:54:26 ID:eiS7lRGM0
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( ゚д゚ ) ミセリ…すまない。長い間ほったらかしにしてしまって
ミセ*;ー;)リ こっちみんなぁ…!
( ゚д゚)
( ゚д゚ ) 風の噂で聞いた。私が遭難死してしまったと聞き、君も病に倒れたと
ミセ*;ー;)リ 馬鹿…馬鹿…こっちみんな!!!
( ゚д゚)
( ゚д゚ ) でも、もう君を
ミセ*;ー;)リ こっちみんなぁ!こっちみんなー!
( ゚д゚)
( ゚д゚ ) 離したりはしない
二人は暖かい光に包まれ、天へと上っていった。
――デレさん――
ζ(゚ー゚;ζ ミセリさん!
- 966 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 18:56:48 ID:eiS7lRGM0
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――ありがとう――
ζ(゚ー゚;ζ ………ミセリさん
ζ(゚ー゚;ζ
ζ(゚ー゚*ζ …うん、よかったね。会えて良かった…
(;゚A゚) ……終わったのか
二人が消えると同時に、幽霊船の姿も見えなくなっていた。
辺りには静かな波の音だけが響いた。
その後、ドクオたちはデレと小舟を回収し、全員でスジャータ王国へ帰還した。
- 969 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:00:11 ID:eiS7lRGM0
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('A`) ζ(゚−゚*ζ
王様「よくやった!初航海にも関わらず、海賊たちでさえ怯える幽霊船を退治するとは!」
从*゚∀从 いやーとんでもない強敵だったが、俺には適わなかったようだぜ!
親父に見せたかったなあ。俺のカウンターパンチがこう…ズバッ!と幽霊のアゴに…
海賊「いやーお見事でしたキャプテン!」
海賊「流石は海の男!」
後で海賊たちに聞いた話である。
昔、ある男が海で遭難し、命を落とした。
その後、婚約者の女が病に倒れ、そのまま亡くなったらしい。
男の名前は、
('A`) こっちみんな……ってあれ、名前だったのか
- 970 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:06:06 ID:eiS7lRGM0
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ζ(゚ー゚*ζ 幽霊になってまで会いたくなる気持ち、わかっちゃうなあ
('A`) 俺は嫌だな
ζ(゚、゚*ζ 会いたくないの?
('A`) いや…生きていたい。好きなら、ずっと一緒に生きていたいかな…
ζ(^ー^*ζ 私もだよぉ
从*゚∀从 おいおい、お前らも飲めよ!昨日は前夜祭、今日は勝利の美酒だ!
ζ(゚ー゚*ζ うん!これって美味しいの?
从*゚∀从 俺のお気に入り!スピリタスってカクテルだ!
その夜、脱ぎ出そうとするハインとデレを必死に男たちが止めた。
なお、新しい大陸へ連れていってくれるのは、ハイン率いる海賊団、
「ハインリッヒと愉快な仲間達団」となった。
王様から一年という期限つきで、海賊をやってもいいという許可をもらったらしい。
- 971 :名も無きAAのようです:2012/09/30(日) 19:08:29 ID:eiS7lRGM0
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一悶着ありもしたが、
ζ(゚ー゚*ζ(ミセリさん、こっちみんなさん、お元気で…)
丸く収まったといえよう。
ドクオたちは、新大陸への切符を手に入れた。
所持金 1301G
('A`) レベル29 勇者
HP192/192
MP0
ζ(゚ー゚*ζ レベル30 踊り子
HP150/150
MP0
続く
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