('∀`)勇者30174のようです 四十話
213 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:02:26 ID:pNVPlpIg0

【前回までのあらすじ】

アイリス 旅立ち

イギス 西の塔 攻略

オスドニア大陸上陸

ウラヌス王国 王様のイベントから逃亡

エミジア廃鉱にて メタルスライムでレベルアップ

オスカーテルミノ 魔法使いと出会う

カールモンキー ギャンブルで大敗
占い師 貞子から助言をもらい東へ

荒巻コピーと出会いギャリバン地方に到達

妖精の森から妖精の国へ 氷の女王を撃破

魔法少女渡辺さんと、ベビーパンサーに出会う

キーリカ砂漠で遭難しかけるもクラウンへ到着
サンドワームを(母者が)撃破





217 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:07:27 ID:pNVPlpIg0

ケブ地方のコリカコルルカへ到着 勇者ギルド本部
サンドラ城のブラッディマリー撃破

ジェルミア王国でアホ王子と出会う
ジェリーマンが大臣になりモンスターと共存する国へ

荒巻コピー三体目に北へ行くと言われるがシカト

カンダタたちに連れ去られる 魔族のドヤと謎の魔法使いに遭遇
悟りの書を入手する

海賊の国スジャータ王国でハインと幽霊船退治 ―ブチブチブチブチ―

難破した先でルドマン開催の武闘大会が開かれていた
挫折したモララーが再び立ち上がる 一方ドクオフルボッコ

セルヴァ大陸上陸 ソーヤ地方のダディ神殿へ
オスドニア大陸北部にある修行の里へ行けと言われる

北上しチェルノヤリスク地方へ
ツリークでヘリカルと出会い天空の城に行くはめに ←いまここ

一言:モンスターにも性格があるんだなあ どくを




218 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:12:09 ID:pNVPlpIg0

所持金 4620G

 ('A`) レベル35 勇者
 HP219/219
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル36 踊り子
 HP171/171
 MP0



次の日、町の道具屋から道具をタダで仕入れ準備を行ってから、
天空の城があると言われるテルミン廃鉱へ向かった。

テルミン廃鉱は危険度Cランクとされるダンジョンである。
強力なモンスターたちは、独自の進化を遂げたため、
今までの経験が役に立たないことが多い。


*(‘‘)* おそらく天空の城の聖なる気に当てられ、
     突然変異を起こしたのだ

(;'A`) うへえ。強そうな奴らが出たら即帰るからな

*(‘‘)* 何を言う!仮にも勇者なら逃げるなど許さんぞ

('A`) 天空人は全員態度でけえな…




219 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:17:19 ID:pNVPlpIg0

テルミン廃鉱の最深部は地下深くにあるため、
カンテラを持って来たのだが、中は驚くほどに明るい。



*(‘‘)* これも天空の城のおかげだ。素晴らしい技術だろ

('A`) そんなに凄いならずっと天空の城にいればよかったのに

*(‘‘)* 上からずっと地上を眺めておったのだぞ
     地上の娯楽に憧れるのも無理はないだろう
     天空にはあまり娯楽という娯楽が無いからな

ζ(゚ー゚*ζ マス…ヘリカルちゃんは、何をしに地上に降りてきたの?


*(‘‘)* 食べ物だ!魚…肉…酒…あとお菓子だな!
     天空の食べ物は食べ飽きたのだ
     アルフォード最高!ちょっと高いけど

(;'A`) 竜の長の癖に俗っぽい奴だな

ζ(´ー`*ζ 美味しいよね〜ちょっと高いけど

*(‘‘)* あとあれ、カントリーマアム!交互に食べるのが好きだな、うん




220 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:24:20 ID:pNVPlpIg0

ζ(゚ー゚*ζ 雪の宿は?

*(‘‘)* しょっちゅう食べるぞ!一度白い部分のみを食べてみたこともあってな…

ζ(゚ー゚*ζ やるやる〜

('A`) おっさんっぽい嗜好だな…



 モンスターが現れた!


('A`) っと、さっそく来たな!

*(‘‘)* デレは下がって援護をするのだ!ドクオは突っ込んで隙を作れ!
     私は後ろに下がって岩の影に隠れる!

(;'A`) 元の姿に戻ってお前も闘えよ!

*(‘‘)* はっきり言おう!私は弱い!

(;'A`) じゃあ黙って下がってろ!




221 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:27:44 ID:pNVPlpIg0



 動かない石像が一体 怪しすぎるかげが一体 メストロールが一体 現れた!



(;゚A゚) うお、何だこいつら!?

*(‘‘)* 突然変異したモンスター共だ!今までの常識が通用せん!気をつけろ!


動かない石像「うぅ…俺を攻撃しないでくれ…かわせないんだぁ…」

怪しすぎるかげ「フヒヒヒサーセン」

メストロール「やだー最近また太っちゃったー」


ζ(゚ー゚;ζ 確かに常識が通用しなさそう!

(;'A`) どう気をつけたらいいんだこれ!


闘いづらい相手たちに苦戦するドクオたち。

しかしぶっちゃけ強いかどうかといえば弱かった。




222 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:30:54 ID:pNVPlpIg0


 モンスターたちを倒した!


('A`) 面倒な相手が多そうだが、負けることは無さそうだ

*(‘‘)* ふん、口ほどにも無い奴らめ


テルミン廃鉱には無数のトロッコが設置されていた。

湖から浸水してきた水によって道が塞がれているときなど、
ときにはトロッコに乗らないと進めないような場所もあった。



('A`) 思うんだけど、どうしてダンジョンって「どうにかすれば」
    奥に進めるんだろうなあ

ζ(゚ー゚*ζ それは…深く考えない方がいい部分だと思う

*(‘‘)* 全ては運命で片付けられる。いわゆるご都合主義だな

('A`) 運命って便利だなあ どくを




223 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:33:44 ID:pNVPlpIg0


*(‘‘)* よし、この奥に進めば天空の城に行けるぞ!


('A`) え、もうそんな場所なのか?

ζ(゚ー゚*ζ 何だか楽なダンジョンだったね


*(‘‘)* いや…それは違う。もしも天空人だけで入れば、すぐに全滅してしまうだろう
    テルミン廃鉱が楽なダンジョンなのではなく…


*(‘‘)* お主たちが、それ以上に強いのだ

('∀`) へっへっへ。伊達に旅はしてねえからな!

ζ(゚ー゚*ζ 昔はどんなダンジョンでも命がけだったけど…強くなれたんだね

*(‘‘)* まだ早いが…礼を言うぞ。勇者たちよ



奥に一直線に伸びた線路とトロッコが見えた。
あれに乗っていけば、最深部まで早そうだ。




224 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:37:20 ID:pNVPlpIg0

ζ(゚ー゚*ζ やったぁ。トロッコがある

*(‘‘)* 天空の城に戻れるのは何年ぶりだろうか…

ζ(゚ー゚*ζ 私たちも乗せてくれる?

*(‘‘)* もちろんだ!お主たちには是非天空からの景色を見てもらいたい
     生憎、金銀財宝など持ってはおらんが、せめてもの恩返しだ

ζ(^ー^*ζ うん、それで十分だよ!ありがとう!



(;'A`) …いや、待て。礼を言うのは早そうだぞ

*(‘‘)* どうした?

(;'A`) モンスターの気配だ…それも、強い!


ドクオが身構えた瞬間、天井から巨大な影が下りてきた。

トロッコの前に立ちはだかり、ドクオたちを見下ろして吠える。




226 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:42:17 ID:pNVPlpIg0


「グオオォォォォォォォォ!!!」


首の長い竜のモンスターである。
五つの首が独立し、それぞれに顔がついている。


ζ(゚ー゚;ζ うっ…ドラゴン!?

(;'A`) うわー…強そう


*(;‘‘)* あれは、キングヒドラ!

(;'A`) 知ってるのか!?

*(;‘‘)* 今名付けた!

(;'A`) だからお前もう黙ってろ!


キングヒドラ「ぐ、ぐふふ。人間か。珍しい。俺が喰ってやろう!」


 キングヒドラの 攻撃!




227 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:45:56 ID:pNVPlpIg0

(;'A`)「うおっっと!」


 ドクオは ひらりとかわした!


キングヒドラ「おい、上手く呼吸を合わせろ!」

キングヒドラ「今のは俺の右のやつのせいだ」

キングヒドラ「言い訳すんな」

キングヒドラ「腹減ったなー」

キングヒドラ「仲間割れするな!」



キングヒドラ(仮)は首同士で仲間割れを始める。


(;'A`) 攻撃力は強そうだが、何だろう…この若干のアホ臭は

ζ(゚ー゚;ζ ヘリカルちゃん!同じドラゴンだから説得とかできない?

*(;‘‘)* 無茶を言うな!あれはドラゴンではなく、ただ似てるだけだ!
     何を言っておるのかもわからんわ!




228 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:48:52 ID:pNVPlpIg0


キングヒドラ「おお、幼女がいる!」

キングヒドラ「幼女ktkr!」

キングヒドラ「幼女には攻撃するな!」

キングヒドラ「腹減ったなー」

キングヒドラ「幼女だろうが喰えばいいだろアホ共!」



*(;‘‘)* うう、我を見て何やら相談しておるようじゃ
     我が戦えないことをわかっておるのだろう

('A`) 違うと思いまーす


キングヒドラ「ええいしゃらくさい!全員まとめて燃やしてくれるわ!」

 キングヒドラは 力を溜め始めた!


(;'A`) 来るぞ!構えろ!




229 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:51:35 ID:pNVPlpIg0


 キングヒドラの攻撃!

 キングヒドラの やけつく息!



ζ(゚ー゚;ζ キャァ!

(;'A`) うお!


 デレに 54のダメージ!
 ドクオに 78のダメージ!


口からはき出したやけつく息によって、大きなダメージを背負う。

特にドクオはヘリカルをかばったことで、余計に深い傷となった。


(;'A`) やばいぞ!今のは一つの首からだけだった
    奴らはその気になれば、全ての首で攻撃できるはずだ!

*(;‘‘)* ぐぐぐぐっ…天空の城はもう目の前なのに…!




230 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:53:36 ID:pNVPlpIg0


キングヒドラ「よし、次は全員でやけつく息だ」



(;'A`) ここは一度逃げて、体勢を整えてから…



キングヒドラ「おい!今幼女に当たりそうになっただろ!」

('A`) え?

キングヒドラ「え?」

キングヒドラ「幼女に攻撃するなんて野蛮な奴だ!」

キングヒドラ「ちょっとは倫理観を持てよ!」

キングヒドラ「血も涙も無いやつめ!」

キングヒドラ「腹減ったなー」



再び首たちが仲間割れを始める。

お互いの首に噛みつくなど、勝手にとっくみあいを始めた。




232 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:55:45 ID:pNVPlpIg0


*(;‘‘)* 何か知らんが、仲違いを起こしているようだな
     今の内に逃げるか!?

('A`) なあヘリカル。ちょっと言って欲しい台詞があるんだが

*(‘‘)* ?




キングヒドラ「今は幼女がどうとか関係ねえだろ!」

キングヒドラ「うるせえリーダー面しやがって!」

キングヒドラ「不細工め!」

キングヒドラ「口でかすぎなんだよお前!」

キングヒドラ「同じ顔だろうが!」



*(‘‘)* あのっ、!


キングヒドラ「む…?」




234 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:57:46 ID:pNVPlpIg0


*(‘‘)* ここを通して欲しいの…お兄ちゃん…キラキラキラキラキラ




キングヒドラ「「「うっ!」」」



キングヒドラの動きが止まる。


キングヒドラ「何故だ…!何を言っているかわからんが、心に来る…!」

キングヒドラ「この胸の気持ちは一体…?」

キングヒドラ「ば、馬鹿共!目を覚ませ!」

*(‘‘)* お願い…キラキラキラキラキラ

キングヒドラ「ぐっ!?何だこれは…俺も、頭がどうにかなりそうだ!」


 キングヒドラは 混乱している!




235 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 17:59:46 ID:pNVPlpIg0


キングヒドラたちが混乱している間に、ドクオたちは裏に回り込み、
トロッコを目指した。



キングヒドラ「はっ!?」

キングヒドラ「俺たちは一体何を…」

キングヒドラ「あいつらがいないぞ!?」

キングヒドラ「後ろだ!逃すな!」

キングヒドラ「うおおおお腹減ったぁぁぁ!」



(;'A`) まずい、気づかれた!先にトロッコに乗れ!

ζ(゚ー゚;ζ 勇者様は!?

(;'A`) 早く!


*(;‘‘)* トロッコを動かすぞ!




237 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:02:22 ID:pNVPlpIg0

トロッコを止めていたストッパーを外すと、トロッコがゆっくりと動き出した。

ヘリカルとデレはトロッコに乗り込む。
ドクオは一人、キングヒドラと対峙していた。



キングヒドラ「「「「「グオオオオオオオオオオ!!!」」」」」



(;'A`) おっかねえ…けど、一発くらい入れてやる…!



襲い来る五つの首に向かってドクオが跳んだ。


ζ(゚ー゚;ζ 勇者様!!

*(;‘‘)* 勇者!


巨大な五つの口が開き、四方からドクオに襲いかかった!




239 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:04:34 ID:pNVPlpIg0


(;'A`) うおおお!


振りかざした剣が頂点に達した瞬間であった。



キングヒドラ「……!?」


キングヒドラの背中が、大きく爆発した。
何が起こったかわからず、攻撃の態勢が崩れる。


直後、ドクオの一撃がキングヒドラの急所を突いた。



キングヒドラ「…ぐっ、新手…か」



キングヒドラはぐったりと首を垂らし、その場に倒れた。
気が抜けるほど、あっけない終わり方であった。


 ドクオは キングヒドラを倒した!




240 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:06:20 ID:pNVPlpIg0


ζ(゚ー゚;ζ 勇者様早く!


(;'A`) おーっと、そうだった!


動き始めたトロッコに間一髪で飛び乗り、事なきを得る。


ζ(゚ー゚*ζ キングヒドラ…倒せたんだ

('A`) ああ…峰打ちにしておいたがな

*(‘‘)* 峰打ち?どうした倒さなかったのだ



('A`) 妹好きに…悪い奴なんていないからだ!



*(‘‘)*   ζ(゚−゚*ζ

二人からは共感が得られなかった。




241 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:08:53 ID:pNVPlpIg0

('A`)(しかし、どうしてキングヒドラは急に攻撃をやめたんだ…?)


疑問を残したまま、トロッコは急加速を始める。

(;゚A゚) うわ!

ζ(゚ー゚;ζ キャー!


勾配の急な坂を一気に下っているようだ。

線路は浸水した水の中まで続いていたが、
トロッコが下った衝撃が水が割れ、立ち上がった水柱の間をトロッコは突き進んだ。


*(‘‘)* 見えた…見えたぞ!


やがて前方に、巨大な氷の塊が姿を現す。


(;゚A゚) ちょ、ちょっと待て…

*(‘‘)* ついにたどり着いた!あれが我が天空の城だ!




242 :名も無きAAのようです:2012/10/03(水) 18:11:55 ID:pNVPlpIg0

(;'A`) このままだと、あの城に激突するんじゃ………?


('A`)  *(‘‘)*     ζ(゚ー゚*ζ



(;>゚A゚)> *(;>‘‘)>   <(゚ー゚<;ζ


 「「「イヤァァァーーーーーー!!」」」



所持金 5408G

 ('A`) レベル35 勇者
 HP96/219
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル36 踊り子
 HP73/171
 MP0

続く


戻る】 / 【次へ
inserted by FC2 system