('∀`)勇者30174のようです 四十五話
376 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 20:28:57 ID:FZZ4Cyb.0

【前回までのあらすじ】

アイリス 旅立ち

イギス 西の塔 攻略

オスドニア大陸上陸

ウラヌス王国 王様のイベントから逃亡

エミジア廃鉱にて メタルスライムでレベルアップ

オスカーテルミノ 魔法使いと出会う

カールモンキー ギャンブルで大敗
占い師 貞子から助言をもらい東へ

荒巻コピーと出会いギャリバン地方に到達

妖精の森から妖精の国へ 氷の女王を撃破

魔法少女渡辺さんと、ベビーパンサーに出会う

キーリカ砂漠で遭難しかけるもクラウンへ到着
サンドワームを(母者が)撃破





377 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 20:30:08 ID:FZZ4Cyb.0

ケブ地方のコリカコルルカへ到着 勇者ギルド本部
サンドラ城のブラッディマリー撃破

ジェルミア王国でアホ王子と出会う
ジェリーマンが大臣になりモンスターと共存する国へ

荒巻コピー三体目に北へ行くと言われるがシカト

カンダタたちに連れ去られる 魔族のドヤと謎の魔法使いに遭遇
悟りの書を入手する

海賊の国スジャータ王国でハインと幽霊船退治

難破した先でルドマン開催の武闘大会が開かれていた
挫折したモララーが再び立ち上がる 一方ドクオフルボッコ

セルヴァ大陸上陸 ソーヤ地方のダディ神殿へ
オスドニア大陸北部にある修行の里へ行けと言われる

北上しチェルノヤリスク地方へ ツリークでヘリカルと出会う
テルミン廃鉱でキングヒドラを撃破 天空の城を浮上させる

修行の里で ドクオはモンスターマスターの修行を
デレは賢者になるための修行を行うことになった

四年後 ←いまここ

一言:修行した成果を




380 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 20:33:07 ID:FZZ4Cyb.0

所持金 5408G

 ('A`) レベル? ?
 HP?/?
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル? ?
 HP?/?
 MP?/?



/ ,' 3 …む?



その日は唐突に訪れた。

荒巻が一人、お茶を飲んでいるとき、居間のテーブルの上に
置いてあった賢者の本が光り輝きだした。

/ 。' 3 つ、ついに来たか!


大慌てで本を掴み、家の外に置く。
光は強さを増していき、やがて閃光となった。




381 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 20:35:24 ID:FZZ4Cyb.0


激しい光に目が眩む。



/ 。' 3 …おっ、お…!デレ…!?




 「お久しぶりです。荒巻さん」




ζ(゚ー゚*ζ 修行…やっと終わりました


光が収まると、本の前にデレが現れていた。


/ ,' 3 お主…賢者に…

ζ(゚ー゚*ζ 見て下さい


デレは空に向かって片手を突き出した。




383 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 20:38:22 ID:FZZ4Cyb.0


ζ(゚ー゚*ζ ライデイン!



デレが呪文を唱えると、空に電撃の閃光が現れ、
地面に向かって雷光が落ちた。

凄まじい破壊力であった。



ζ(゚ー゚*ζ ところで…


/#。'#3

ζ(゚ー゚;ζ 荒巻さん!?

/#。'#3 うむ。素晴らしい。これほどの魔力を持つ者は、中々おらんじゃろう


黒こげになった荒巻だったが、表情は嬉しそうだ。


ζ(゚ー゚;ζ ご、ごめんなさい!メラゾーマにしておけば…

/ ,' 3 そそっかしい所は直ってないんかの…




385 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 20:40:34 ID:FZZ4Cyb.0

ζ(゚ー゚*ζ ところで、勇者様は?

/ ,' 3 うむ…



荒巻は崖の淵から遠くの森を指さした。



/ ,' 3 Zエリアという場所で、モンスターと闘っておる

ζ(゚ー゚*ζ Zエリア…?

/ ,' 3 やつの修行も、おそらくそろそろ終わりだろう

ζ(゚ー゚*ζ そう…無事でよかった




/ ,' 3 むほほ。それに今日は、おそらくやる気がマックスじゃろうからな

ζ(゚ー゚*ζ ……?




388 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 20:42:55 ID:FZZ4Cyb.0





('A`)




スライムナイト「ドクオ、空なんか見上げてどうしたんだ?」

('A`) いや…何でもない

スライム「しっかりしてよね!一応リーダーなんだから!」

('A`) 一応じゃねーっつーの



('A`)(さっきのは…魔法の雷。そうか。無事だったか)



('A`) さてと…じゃあ、作戦は覚えたな?今日こそはあいつに勝つぜ

ゴーレム「ああ。そろそろあいつの鼻っ柱を折ってやりてえからな」

スライムナイト「うむ」




389 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 20:46:39 ID:FZZ4Cyb.0

スライム「フサの兄貴は?」

('A`) もう準備してるはずだ。さて、俺の方も準備するか…





Zエリア。


魔界にしか存在しないはずの強力なモンスターや、
ドラゴン族と呼ばれるパワータイプのモンスターが生息している。


地形はシンプルな森だが、木の数はまばらで、闘いづらくはない。
その代わり小細工が利かない場所である。




グレイトドラゴン「また来たか。懲りん奴らだ」


('A`) おう。何度でも来るぜ


グレイトドラゴンはいつもの場所で、金色の体を地面に寝かせ、
余裕そうな表情を浮かべていた。




391 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 20:50:37 ID:FZZ4Cyb.0


 金竜  グレイトドラゴンLv99


かつて魔界で力を振るったドラゴン族の一種。
攻撃力、防御力ともに優れ、全体攻撃系の火力が高い。



グレイトドラゴン「どうした。今日はあのキラーパンサーもいないではないか」

('A`) 昨日のダメージが酷かったんで、今日は欠場だ

グレイトドラゴン「それで俺に勝てると思ってるのか」

('A`) 割と

グレイトドラゴン「愚かな……」




('A`) スライム、スクルトだ!ゴーレムは気合い溜めとけ!
    スライムナイトは俺に続け!


スライム「うん!」

スライムナイト「御意」




392 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 20:55:59 ID:FZZ4Cyb.0


グレイトドラゴン「もうお前らの相手は面倒だ。消し炭にしてくれる!」


 グレイトドラゴンは 灼熱の炎を吐いた!


('A`) ワンパターンだな


ドクオは避けることはせず、飛んでくる炎の中に突っ込み、
開いた口に向かって攻撃を仕掛けた。


しかしグレイトドラゴンは即座に火を噴くのをやめ、
ドクオの攻撃をはじき返す。


ゴーレム「溜まった…行くぞ!」


初撃の交差に、ゴーレムとスライムナイトが続いた。

グレイトドラゴンはスライムナイトの攻撃を受けながら、
ゴーレムの攻撃をガードする。


ダメージは通った、しかしまだ余裕そうだ。




393 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 20:59:05 ID:FZZ4Cyb.0

スライムナイト「ベホマ!」


一旦全員が退くと、スライムナイトがドクオを回復させた。


('A`) やっぱつええ…


グレイトドラゴン「ゴミがいくら集まろうがゴミだ」

スライム「うるさーい!僕らは最強のパーティだ!」

グレイトドラゴン「ニンゲン風情に尻尾を振っている雑魚め。ほざくな」

スライムナイト「俺たちに尻尾なんて無いぞ」

ゴーレム「ナイトの言う通り」

スライム「尻尾あるのお前じゃないか」

グレイトドラゴン「たとえ話だ!」



しばらくの間攻防が続く。




394 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 21:02:11 ID:FZZ4Cyb.0

だが突破口は開けなかった。


(;'A`) ぐっ


その内、ドクオがグレイトドラゴンに掴まる。



グレイトドラゴン「ふん、貴様もダメージが残っていたんじゃないのか。
    今日はいつもより調子が出ていないぞ」

スライムナイト「まずい!」

グレイトドラゴン「この距離ならかわせんだろう!貴様にこの技をくれてやる!」


至近距離で捕らえられたまま、グレイトドラゴンの口が大きく開く。


 グレイトドラゴンは 煉獄の炎を――――


グレイトドラゴン「――――…!?」

('A`) 残念…




395 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 21:04:31 ID:FZZ4Cyb.0

突如、ドクオの顔が溶け出した。



ジェリーマン「俺ー!」

グレイトドラゴン「モシャスか!いつの間に…」

ジェリーマン「最初からだよばーか」



 「うらあああああ!」


(#'A`) 待ってたぜー!

グレイトドラゴン「しまった!」


影で息を潜めていたドクオが、隙だらけになったグレイトドラゴンに一撃を浴びせる。


グレイトドラゴン「俺を舐めるのも…いい加減にしろ!」

(;'A`) うおっ!

しかし体勢を崩したままでも、グレイトドラゴンは反撃を試みた。




396 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 21:07:24 ID:FZZ4Cyb.0

(;'A`) うわー!

グレイトドラゴン「これで終わりだ!」

('A`) …なんちゃって

グレイトドラゴン「!?」




 「グルルルルルルルルルルルルル――――!!!!」




さらに死角から、恐ろしいうなり声を上げながら、
グレイトドラゴンに飛びかかる影がいた。


グレイトドラゴン「罠…!二重の…」


ミ,#゚Д゚彡 ウガアアァァァ――――――!!!


無防備になっているグレイトドラゴンの首元に向かって、
フサが勢いよく噛みつく。




397 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 21:10:00 ID:FZZ4Cyb.0

グレイトドラゴン「グアアァ!グッ…!」


ミ,#゚Д゚彡 ガァァァ―――!


グレイトドラゴン「クソッ…抜かった…」



スライム「兄貴に続け!」

スライムナイト「おう!」

ゴレイム「溜まった!よし!」


('A`) 一気に行くぞ!


やや距離を置いていた三匹のモンスターも集まり、
グレイトドラゴンに一斉に攻撃を仕掛ける。

反撃をしようとするも、首元にフサが噛みついて離れないため、
上手くいかないようだ。




398 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 21:13:10 ID:FZZ4Cyb.0


グレイトドラゴン「……馬鹿な…っ」



勝負は時間の問題だった。


間もなく、グレイトドラゴンは力尽き、その場に崩れ落ちた。
荒い呼吸のまま、ぐったりと地面に横たわる。


('A`) 俺たちの勝ちだな

グレイトドラゴン「…卑怯者が」

スライム「勝てばいいのさ!勝利こそ正義!」

ゴーレム「うむ。お前たまにいいこと言うな」

スライム「いっつも言ってるよ!」


('A`) ナイト。ベホマかけてやれ

スライムナイト「御意」

グレイトドラゴン「やめろ…俺は絶対にニンゲンの仲間などにはならん」




399 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 21:17:17 ID:FZZ4Cyb.0

('A`) いいよ。別に

グレイトドラゴン「む…?」

スライムナイト「ベホマ!」



治療が終わると、グレイトドラゴンはゆっくりと巨体を持ち上げ、
ドクオを見返した。


('A`) お前はこのエリアのボスだろ?

グレイトドラゴン「そうだ」

('A`) でも負けた。今は俺がボスって訳だな!

グレイトドラゴン「どちらかといえば、そこのキラーパンサーに負けた気がするんだが…」

ミ,,゚Д゚彡 よくわかってるな

(;'A`) どっちでもいい!


('A`) いずれにせよ、今度はお前が俺たちに挑んでくるんだろう

グレイトドラゴン「当たり前だ!このまま引き下がれるか!」




400 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 21:19:49 ID:FZZ4Cyb.0

('A`) それでいい。俺たちはいつでも受けて立つぜ


グレイトドラゴン「……………」



('A`) とりあえず…飯だ!

グレイトドラゴン「あ?」

スライム「よっしゃああああああ!木の実集めて来るね!」

スライムナイト「ウサギでも狩るか」

ゴーレム「熊仕留めてくるわ」


ミ,,゚Д゚彡 ドクオ。魚を捕りに行こう

('A`) どっちが多く釣れるか勝負な。お前も行くぞ

グレイトドラゴン「お、俺も!?」

('A`) 当たり前だろ!ボスの命令だったら一度くらい聞いてもいいだろ

グレイトドラゴン「ぐぬぬぬっ!負けたから何も言えん!」




401 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 21:23:31 ID:FZZ4Cyb.0



その夜、モンスターたちは大きな広場に集まり、
大宴会が始まった。


グレイトドラゴン「………………」


森中のモンスターが集まっている広場を見て、グレイトドラゴンは唖然としている。

キャンプファイヤーを囲んで、
踊る宝石とパペットマンが皆に踊りを披露していた。


ガップリン「いいぞパペットマン!」

ホースデビル「踊る宝石もセクシーじゃぞ」

スライムナイト「おい不思議な踊りするのやめろ!さっきからMPが削られてんだよ!」



グレイトドラゴン「これは……」

('A`) 近くのエリアからも集まってんだ。こいつら飲み会好きだから

グレイトドラゴン「の、飲み会!?」




402 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 21:28:23 ID:FZZ4Cyb.0

ばくだんいわ「それでは不肖ながら、一発芸を披露します!」

 ヒュー!  ヒュー!

ばくだんいわ「爆発します!」

 ヤメロー! ハヤマルナー!


キングスライム「さまよう鎧が迷子になったんだけど、知らない?」

ドラゴンマッド「知らん。今こいつとジェンガやってるから話しかけるな」

のろいのマスク「早くしろよー」



グレイトドラゴン「なんたる様…モンスターとしての威厳を忘れてる」

('A`) 威厳とかよくわかんねえけど…楽しいからいいっしょ


スライム「ドクオー!こっち来て飲みなよ!」

ロビン「ガガガガ コレ オイル ジャナイノカ」


('A`) おう、今行くぜー




403 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 21:33:35 ID:FZZ4Cyb.0


グレイトドラゴン「この森には馬鹿しかいなかったのか…?」


ミ,,゚Д゚彡 おい、お前も飲まないのか。アルコールツリーの樹液を薄めた酒だぜ

グレイトドラゴン「お前も…かつて魔界で魔獣として恐れられたものだろう!
     なに馴染んでいるんだ!」

ミ,,゚Д゚彡 堅苦しい奴だな。もっと楽に生きろよ

グレイトドラゴン「おまえらが緩すぎるだけだ。飲み会など…それもニンゲンを交えて」



キャンプファイヤーの傍で、骸骨剣士が剣でジャグリングをしている。
その前で、ドクオがモンスターたちと一緒に、肩を並べて座っていた。


ミ,,゚Д゚彡 ほら、見てみろよ。ドクオもモンスターに馴染んでるだろ

グレイトドラゴン「言われてみれば顔もどことなくモンスターに……見えんわ!」

ミ,,゚Д゚彡 俺は別だが、最初はみんなドクオのこと嫌ってたよ
     でも、いつの間にかあいつの傍にいるようになった。何故だと思う?

グレイトドラゴン「知らん!」




405 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 21:37:48 ID:FZZ4Cyb.0

ミ,,゚Д゚彡 楽しいからだ。単純にな

グレイトドラゴン「……………」




('∀`) 勇者あるあるやりまーす!宝箱を開けたら…

ミミック「残念、俺でしたー!」

 アルアルー!



グレイトドラゴン「はぁ…アレと一緒にいて…」

ミ,,゚Д゚彡 楽しいぜ。中々

グレイトドラゴン「ふん……だが」


グレイトドラゴン「初めて見たかもしれん…こんなに楽しそうに笑うモンスターたちを…」

ミ,,゚Д゚彡 ………飲むか?

グレイトドラゴン「うむ……ぶっ!も、もうちょっと薄めて…」

ミ,;゚Д゚彡 お前、そんなにでけえ図体しておいて…




406 :名も無きAAのようです:2012/10/05(金) 21:43:24 ID:FZZ4Cyb.0

その夜の宴は、朝まで続いた。
幾度となく口にした旅の話を、モンスターたちは並んで聞いていた。

彼らの中に、いつの間にかグレイトドラゴンも混じっていた。


次の日、ドクオの修行は、終わった。



所持金 5408G

 ('A`) レベル88 モンスターマスター
 HP484/484
 MP0

 ζ(゚ー゚*ζ レベル93 賢者
 HP342/342
 MP308/308

続く


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