('A`)とショボンと仮想現実のようです
1 名前: ◆JHn8bqaJrA :2009/08/24(月) 01:52:04.52 ID:NZ8WZfLK0

(´・ω・`)「やぁ、ドクオ。待っていたよ」

('A`)「よう。いきなり呼んでなんの用だ?」

(´・ω・`)「いやあ、君の願いを叶えてあげようかと思って」

('A`)「俺の願い?」

(´・ω・`)「君、よく言ってたじゃないか。小さいころ虐められてたって」

('A`)「まぁな」

(´・ω・`)「そいつらが憎くて憎くて仕方がないとも」

('A`)「言ってたな。それがどうした?」

(´・ω・`)「復讐したいと思わないかい?そいつらにさ」



2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:54:48.17 ID:NZ8WZfLK0

('A`)「できることならしたいさ。でもできないからな」

(´・ω・`)「そう、できない。普通ではね。
      復讐する限度にもよるけど、君の場合相手のこと殺しちゃうだろ?」

('A`)「それくらい憎かったからな。当然だ」

(´・ω・`)「でもそうしちゃうと犯罪だもんね。犯罪者だもんね」

('A`)「犯罪者になるのは別にいいんだが、カーチャンのことを考えるとな。
    こんな俺でも今まで育ててくれた恩があるし、これ以上迷惑をかけさせたくない」

(´・ω・`)「そういう君のために、僕はある機械を開発したんだ」

('A`)「ふぅん、開発ねぇ」

(´・ω・`)「その名も、仮想現実!!」

('A`)「ネーミングセンスないなお前」



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:57:03.73 ID:NZ8WZfLK0

(´・ω・`)「その名の通り、君の意識を仮想現実にぶち込ませる機械だ。
      そこの世界では君の思うとおりにできる素晴らしい機械さ」

('A`)「人を殺しても?」

(´・ω・`)v「だいじょーぶい!警察なんていない世界を思い描けばいい話さ」

('A`)「なにをしてもいいわけだな?」

(´・ω・`)v「だいじょーぶい!君の邪魔をするものを排除したらいい話さ」

('A`)「ふぅーん。すげぇ機械開発したんだな」

(´・ω・`)「我ながら凄いと思うよ、うん。誉めてあげたいマジ凄い僕」

('A`)「へーへー。すごいこった」

(´・ω・`)「それで君、使ってみたいかい?この機械」



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:59:42.68 ID:NZ8WZfLK0

('A`)「ありがちな質問だけど、そっちいってもこっちの世界に戻ってこれるのか?」

(´・ω・`)「そんな質問ナンセンス!大丈夫に決まってるさ!」

('A`)「じゃあ使ってみよっかな」

(´・ω・`)「そうこなくっちゃ!じゃあこれ装着して」

('A`)「なにこれ?」

(´・ω・`)「君の意識を仮想現実に移すために必要な機械さ。
      その機械は外さないように頼むよ」

('A`)「外すと?」

(´・ω・`)「廃人になっちゃう!!」

('A`)「なんてありがちな展開」



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:02:17.20 ID:NZ8WZfLK0

(´・ω・`)「まぁこの機械での危険性はそれくらいだから安心して」

【('A`)】「つけたぞ。めんどくさいことさせやがって」

(´・ω・`)「そう言わないで。あともうちょっとだから」

【('A`)】「それで次はなにをすればいいんだ?」

(´・ω・`)「あ、そこにあるイスに座って。僕はいまからこのコンピュータいじんなきゃダメだから」


ピポパポ

(´・ω・`)「ほいさほいさ」

ポチピポ


(´・ω・`)「よし、これで準備おーけードクオはほーけー」

【('A`)】「うるせーてめーもだろ」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:04:48.78 ID:NZ8WZfLK0

(´・ω・`)「あとはこのスイッチ押せば仮想現実に行くわけだけど、
      あとでごちゃごちゃ言われるとぶち殺したくなるからもう一度確認させて」

【('A`)】「あん?」

(´・ω・`)「仮想現実にいくこと、後悔しないかい?」

【('A`)】「なんだよ急に」

(´・ω・`)「いいから答えるんだ」

【('A`)】「仮想現実なんかに後悔も糞もねーだろ。しねーよ」

(´・ω・`)「わかった。じゃあ僕は何も言わない」

【('A`)】「前フリなげーんだよ、早くしろしょぼくれ眉毛」

(´・ω・`)「黙れぶち殺すぞ」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:07:31.42 ID:NZ8WZfLK0

(´・ω・`)「よし、じゃあカウントさせてもらうよ。そこの棒に捕まって」

【('A`)】「なんで?」

(´・ω・`)「いちいちうるさいな。意識をどこかに飛ばされないようふんばるためだよ」

【('A`)】「あいあい」

(´・ω・`)「よし、じゃあいくよ」


(´・ω・`)「3」

(´・ω・`)「2」

(´・ω・`)「1」


(´・ω・`)9m「GO!!!!」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:10:21.33 ID:NZ8WZfLK0








      ブォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン………










11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:12:51.60 ID:NZ8WZfLK0

(=A=)「ん……」

('A`)「ここは……」


『やぁ、ドクオ。目が覚めたかい?』

('A`)「しょぼくれ眉毛か。どこから声出してるんだ」

『これは天の声だと思っていいよ。それよりどうだい、この世界は』

('A`)「あぁ、懐かしいぜ。これは俺が中学生の頃のようだな」

『ご名答。コンピュータでは西暦1995年の6月と出てるね』

('A`)「中学二年の時か。まったく嫌な機械だぜ」

『なにがだい?』

('A`)「俺の生涯で一番ひどい虐めを受けてたときなんだよ。この頃は」

『まぁ、そう設定しといたからね。虐められてないころに戻したってつまらないでしょ』

('A`)「まったくだがお前も嫌なやつだな」

『ほめ言葉だと受け取っておくよ』



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:15:48.78 ID:NZ8WZfLK0

『さてと、それはいいとして注意事項を言っておくよ』

('A`)「ん?なんだそれは」

『先にも言ったとおり、この仮想現実のなかでは君は神に値する。
この世界の設定を自分の思う通りにできるんだ』

('A`)「おう、好き放題させてもらうつもりだぜ」

『だけど、君にもできないことがあることを言っておくよ』

('A`)「なんじゃいそりゃ。そういうのは先に言えよカス」

『黙れカス。 ……まぁ、それはおいといて。
それでできないことは、この世界の登場人物の設定を変えることができないんだ』

('A`)「ん?なんだそりゃ」

『ようするに、この世界に生きる人をいなくならせたりできないってことだ。
人為的な行動での殺人なんかは大丈夫だけど、設定自体をいじることはできない』

('A`)「お前さっき警察をいなくさせることができるって言ってたじゃねぇか」

『うん、それはウソだ。仏の顔って言うしね、謝って許して……」

('A`)「いいから話進めろ」



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:19:09.92 ID:NZ8WZfLK0

『つれないなぁ。まあこの機能をつけたのは、つまらなくできなくするための保険さ』

('A`)「どういう意味だ?」

『復讐しようとしてるのに、人間の有無の設定を変えられたらつまらないだろ?』

('A`)「相変わらず姑息なヤローだ」

『でも君がこの世界の神というのは本当だ。お金も増やせるし怪我をしないよう無敵にもなれる』

('A`)「ようするになんでもできるってことだな?」

『あぁ、その通りだ。できるかぎり君の復讐の手助けはしたいからね
僕からの説明は以上だ。質問はあるかい?』

('A`)「ねーよ。とっとと失せろしょぼくれ眉毛」

『おもしろいモノを見せてくれよ。そのために君にこの世界へ誘いだんだから』


プツッ


('A`)「ふん……」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:22:22.48 ID:NZ8WZfLK0

('A`)「さて、と」

('A`)「放り込まれたのはいいが、何処に行けばいいんだか」

('A`)「取り合えず中学校へ行ってみるか」


テクテクテク…


('A`)「しかし懐かしいな。今はもう潰れた駄菓子屋なんかもあるしな」

('A`)「数年しか経ってないはずなのに、時代は移り変わっていくんだ」


('A`)「……と、ついたぜ」

('A`)「俺の中で恐怖の対象でしかなかった中学時代」

('A`)「その頃の思い出を時代を超えて覆すときがきたぜ」

('A`)「仮想現実ですがね」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:26:08.09 ID:NZ8WZfLK0

('A`)「いまの時刻は12時過ぎ。昼休みの時間だ」

('A`)「このままで行けば騒ぎになることは間違いない。あんまり騒ぎになるのもなぁ」

('A`)「無敵になれるとは聞いたが、透明人間とかにはなれるんかね」

('A`)「ステルスドクオモード!!」


ヒュン!


( )「おお!見事になってる!」

( )「しかしこのままで話が進むのもあれだから、読者の方だけ見えるようにするか」

('A`)「よし、完璧」

('A`)「いざ出発だ!!」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:29:46.69 ID:NZ8WZfLK0

('A`)「人や建物とかもすり抜けることができるんだな。こりゃ便利だ」

('A`)「二年生の教室は3階だ。急ごう」

('A`)「ジャンピングドクオモード発動!!おりゃ」


ピョーン


('A`;)「うわわわわわわ!!!」

('A`;)「勢いあまって天井すり抜けてしまった……。次からは加減にも気をつけなきゃな」

('A`)「しかしおかげで3階についたぞ。教室は2年A組だ」

('A`)「ここだな」



('A`)「――――ん?」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:33:36.23 ID:NZ8WZfLK0

ワイワイ

ガヤガヤ


騒がしい教室

お昼ごはんを食べたであろうクラスメイトの端には

弁当をぐちゃぐちゃにされて泣いている幼い俺の姿があった


(;A;)「ウッ……ック…」


せっかくカーチャンが作った色彩豊かな美味しそうな弁当

それを黙々と食べている



ξ゚听)ξ「なにこいつの弁当wwww超うけるwwww」

( ゚∀゚)「お前のカーチャン弁当つくるの下手wwww杉wwww」

( ^Д^)「よくこんなの食えるなお前wwwwお前の弁当プギャーwwww」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:36:42.83 ID:NZ8WZfLK0

( ・∀・)「おい、そんなヤツ放っておいてサッカーしに行こうぜ」

('、`*川「私たちも体育館でバレーしに行きましょ」

(*゚ー゚)「さんせーい!」


トットット…


( ^ω^)「……ドクオ君、大丈夫かお?」

(;A;)「内藤くん……」

( ^ω^)「トイレから戻ってきたからなにがあったかわからないけど……
      もし嫌なことされてたら僕に言ってくれお」

(;A;)「ありがとう……」


「「「おーい、ブーン。はやく来いよー」」」


( ^ω^)「いまから行くおー」


タッタッタ…



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:39:39.19 ID:NZ8WZfLK0

( ^ω^)「ごめんだお、遅くなったおwwww」

( ゚∀゚)「おせーよ!なにしてたんだよ」

( ^ω^)「ドクオのクズが泣いてたから慰めてたんだお。委員長としてwwww」

( ・∀・)「はいはい優等生乙」

( ^ω^)「誰も助けるやつがいなくなったらあいつ不登校になるお。
      おもちゃがいなくなるとお前らも退屈しちゃうだろ?wwww」

( ><)「ドクオがいなくなったらつまらないんです!」

( <●><●>)「ストレスを発散できなることはわかってます」

( ゚∀゚)「まぁいいや。とっとと始めようぜwwww」



('A`)「……」


思い出した 俺の中学時代

口ではこいつらが憎いって言っていたが 露がかかったような感じだった

しかし今やそれも鮮明に思い出した

いまもビデオテープがゆっくりと回り続けている

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:42:03.69 ID:NZ8WZfLK0

いまはゴミ共は遊んでいて 教室には過去の俺しかいない

周りを見渡し 誰もいないことを確認したあと俺は実体に戻る

そして ゆっくりとドアを開けた


('A`)「おい」

(;A;)「おじさん、誰?新しい先生?」

('A`)「俺は先公でもなんでもねぇ。そんなことはどうでもいい」

(;A;)「?」

('A`)「どうして、虐められてるのに黙っていやがる。
   あいつらゴミ共はお前のこと人間だと思っちゃいねぇ。おもちゃ扱いだ」

(;A;)「そんなこと……わかってるよ……」

('A`)「やりかえしたいと思わねぇのか?」

(;A;)「だって怖いもん……。倍にして返されるのが目に見えてるよ……」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:44:35.43 ID:NZ8WZfLK0

そうだ

この頃の俺は 自分に意志なんか持っちゃいなかった

常に誰かに怯え 力のある者に従うことしかできなかった操り人形

それが この頃の俺だ


('A`)「俺は、先公じゃねぇ」

('A`)「だけど、奴らなんかよりもお前の役に立つと思っている」

('A`)「なにしろ、お前は未来の俺だからな」

(;A;)「おじさんが……未来の僕?」

('A`)「そうだ。信じられないかもしれないがな」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:47:36.50 ID:NZ8WZfLK0

('A`)「これからのお前の人生は、屈託したつまらねぇモノだ」

('A`)「中学を卒業したあとの高校でも虐められ、ついには引きこもりになる」

('A`)「家ではカーチャンに心配される毎日。だけどもう日常に戻ることができない」

('A`)「なにしろ物心ついたときから散々虐めれているからな。
    人に対して恐怖心を抱いてまともに暮らすこともできない」

('A`)「そうして意味もない毎日を過ごしていく」

('A`)「それがお前の未来だ」

(;A;)「違う……そんなの僕の人生なんかじゃないもん」

('A`)「これが現実だ。生気もない青白いしけた面に、捻じ曲がった心」

('A`)「そう遠くない未来に、お前もそうなるんだ」



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:50:34.01 ID:NZ8WZfLK0

('A`)「もう、お前の人生に意味なんかない」

('A`)「無駄に生きていても、カーチャンに迷惑をかけるだけだ」

('A`)「死ぬことしか選択肢がないんだ」


過去の俺は 

薄々と俺のことが 未来の自分ということがわかってきたようだ

しかし 認めたくないんだろう

自分の未来を


('A`)(仮想現実だとしても、心が痛むな)

('A`)(だけど俺にだってくだらない意地はある)

('A`)(俺本人がやるよりも、虐められてた過去の俺に……)



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:53:05.57 ID:NZ8WZfLK0

(;A;)「じゃあ…… じゃあ僕はこれからどうしたらいいの?」

('A`)「お前は、あの連中にやられてばかりでいいのか?」

(;A;)「いやだ…… このまま虐められて生きていくのはもう嫌だ!!」

('A`)「なら、俺がお前に力を貸そう。ヤツらに鉄槌を下すんだ」


過去の俺は 小さく頷いたあと 涙をぬぐった

もうすぐ チャイムが鳴る 

昼休みが終わる合図のチャイムが

教室にぞろぞろとくるゴミカス共

ヤツらへの復讐が ついに始まるのだ


('A`)「俺は、これからある能力を使ってこの教室から消える」

('A`)「だが安心しろ。お前が望むことに対してすぐに応じることができる」

('A`)「なにかあったら心のなかで念じろ。それだけで十分だ」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:56:12.81 ID:NZ8WZfLK0

(・A・)「僕は…… これから人を殺すんだよね?」

('A`)「そうだ。それがお前と未来の俺が望んでいることだ」

(・A・)「大丈夫なのかな?」

('A`)「そのへんは安心しろ。全て俺がどうにかしてやる」

(・A・)「未来の僕、任したよ」

('A`)「あぁ、任せろ。そろそろ昼休みが終わる。次会うときは全てが終わってからだ」


塵が舞い散るように この教室から姿を消す

廊下からは 笑い声とともに 足音が聞こえてきた

その笑い声が 数分後にはどう変わるのかと 興奮してくる

自分の忌々しい過去に 決着をつけるのだ



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:59:06.48 ID:NZ8WZfLK0

ξ゚听)ξ「あー超疲れたし!授業だるー」

(*゚ー゚)「ねぇねぇ今日学校終わったらVIPにあるケーキ屋いかない?」

('、`*川「あ、さんせーい!あそこのスイーツ美味しいよね」


( ゚∀゚)「俺得点王wwwwマジパネェ俺wwww」

( ><)「ジョルジュのくせに生意気なんです!」

( <●><●>)「僕のアシストが良かったのはわかってます」

(;・∀・)「今日は調子が悪かったんだ!!だから今日の試合はノーカンだ!」

( ^Д^)「モララープギャーwwww いいわけ乙wwww」


ゴミがぞろぞろと 群がりをなして帰ってきた

運動してきたあとだからか 教室は一段と暑苦しくなった

ヤツらから滴り落ちる汗 気持ち悪い

そんななか 一人の男が 過去の俺に近づいてきた

自分を良く見せようと偽善ぶる 一番たちの悪いヤツだ



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:02:49.76 ID:NZ8WZfLK0

( ^ω^)「ドクオ君、昼休みはなにをして過ごしてたんだお?」

(・A・)「うるさい」

(;^ω^)「お?」

(・A・)「うるさいって言ったんだ。もう僕に近づかないでくれ」

(#゚∀゚)「あ?なんだお前。なに調子乗ってるんだコラ」

( ^Д^)「カスが生意気言ってるんじゃねぇぞ?」

(・A・)「カスって言うのはお前たちのことを言うんだ」

ξ゚听)ξ「あーあーいいのかなー?そんなこと言っちゃって」

('、`*川「ジョルジュ、やっちゃいなよ」


ガラガラ


( ´∀`)「授業始めるもな。席に座るもな」

(#゚∀゚)「っち」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:06:11.88 ID:NZ8WZfLK0

('A`)(これで全員そろったな)

('A`)(復讐の始まりだ)


ガラガラ  ピシャッ!
シャー ピシャン


( ・∀・)「ん?ドアがひとりでにしまったぞ」

(*゚ー゚)「か、カーテンも!!」

(;><)「なにが起きてるのかわからないんです!」

( ;<●><●>)「外に出れないことはわかってます」


ゴミ共が わめく

しかしそんな中 過去の俺だけが動かなかった

冷静に イスに座ってる

不信に思ったのか ジョルジュが近づいてきた



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:08:41.90 ID:NZ8WZfLK0

(#゚∀゚)「おい、なに冷静かましてんだコラ。お前がなんかしたのか?」

(・A・)「そうだよ。僕がやったんだ。君たちを殺すためにね」

(;´∀`)「ドクオ、なにを言ってるんだもな?悪いイタズラはやめるんだもな」

(・A・)「そうだな。最初の餌食はお前だ。能無し先公モナー」


過去の俺が望んでいること

意思を汲み取り その通りにする

欲しがっている物は ナイフ

ゆっくりと胸に刃をあて そして一気に押し込んだ


(;´∀`)「あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


モナーの叫び声とともに ゴミ共の叫び声も響き渡った

なんて素晴らしい光景なんだろう

モナーの胸から出る血飛沫が なんだか美しく見えた



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:11:09.37 ID:NZ8WZfLK0

(;・∀・)「な、なにやってるんだよお前……」

ξ;凵G)ξ「ひひひひ人殺しッ!!」

(・A・)「うるさいなぁもう。ツンちゃん、君みたいな口の悪い女の子は大嫌いだ」


一歩ずつ 確実にツンのもとに歩いていく

ツンは怯え 尻餅をついて動かない

ゴミクズ共も怯えて ツンを助けようとする者はいない


(・A・)「いつもいつも金魚の糞みたいに群れをなしてるくせに……」

(・A・)「所詮、友情なんてこんなものだよね、ツンちゃん」

ξ;凵G)ξ「ゆゆゆるししして……」

(・A・)「僕は何度もその言葉を言った。だけど誰も助けてくれなかった。そう、ちょうど今のようにね」

(・A・)「最後の最後に、やっと僕の気持ちがわかったかい?」


ツンの首が 綺麗にきれた

赤黒い血の噴水が噴き やがて生気は消え失せた


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:14:19.85 ID:NZ8WZfLK0



ああ 俺はなんて光景を見ているんだろう

叫び 騒ぎ 逃げ 怯え 泣き 怒り 

まさに阿鼻叫喚ともいえる この景色

いろんな感情が交じり合い 全てが無になっていく


やがて 一人 二人 と死んでいき

残るゴミも少なくなってきた

さぁ 最後のメインディッシュだ

これで全てを 終わりにしよう



なぁ ジョルジュと内藤よ






48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:17:27.21 ID:NZ8WZfLK0
(;゚∀゚)「い、いかれてやがるぞお前」

( ;ω;)「どどどどドクオ君、ブーンはドクオ君の味方だお!!だから僕は助けてくれお!!」

(;゚∀゚)「っな!きたねぇぞブーン!!」

( ;ω;)「うるさいおうるさいおお前なんか死んじゃえばいいんだおブーンは死にたくないお死にたく       
      ないお死にたくないお死にたくないお死にたくないお死にたくないお死にたくないお死にた   
      くないお死にたくないお死にたくなああああああああああああああああああああああああ 
      あああああああああいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

(・A・)「安心して内藤君。君は僕をいつも助けてくれた。僕の復讐は長岡でお終いだ」

(;゚∀゚)「お願いだ俺も死にたくねぇんだよ今まで悪かったよだから俺も助けてくr「うるさい」(・A・)


長岡の服を握り締め ナイフを振り上げる

鈍く光るナイフの刃

それはやがて長岡の頭へと 一直線に向かった


( ;∀;)「いいいいいいいいいいいいやあああだああああああああ」


ブシュッ




49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:19:50.66 ID:NZ8WZfLK0

( ;ω;)「ドクオ君ありがとうだお僕たちずっと友達だお」

(・A・)「内藤君。僕は君が嫌いだ」

( ;ω;)「お?いまなんて……」

(・A・)「君が嫌いだ。自分の保身のためならなんでもやるその醜い心が。
    君を最後まで残したのは助けたんじゃなくて、最後に殺したかったからなんだ」

( ;ω;)「ぶ、ブーンは自分の保身なんて……っ!」

(・A・)「始めは、僕も君のことを頼りにしていた。だけど教えてくれたんだ」

( ;ω;)「だ、誰だお……ブーンを悪く言うヤツは誰なんだお!」

(・A・)「もう一人の僕さ」


いままで 過去の俺は一刺しで殺してきた

しかし 今回はそんな生易しいことをしない

ナイフで片目を抉るようにして 抜き出した

手の中には ギョロリと内藤の目玉が転がっている


( ;ω‡)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:22:27.35 ID:NZ8WZfLK0

(・A・)「君みたいなヤツは、誰よりもたちが悪い」

(・A・)「信じている人間の心をなんとも思わず、すぐに裏切る」

(・A・)「最後もずっと遊んでいた長岡までも売る始末」


口のなかにナイフをいれ 無造作に動きまわす

やがて内藤の口からは夥しい血が流れ落ちていく

もうまともにしゃべれない状態だ


( ;ω‡)「あうぇdrtfgyふじこpl;@:……」

(・A・)「コレデオシマイ」


心臓に何度も何度もナイフを差し続ける

やがて内藤の首がぐったりと垂れ落ち それを確認した過去の俺は嗤い狂う

血の海の教室の 中心で



それが俺が見た仮想現実世界での最後の光景であった


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:25:04.70 ID:NZ8WZfLK0

【(‐A‐)】「ん…ん……」

(´・ω・`)「ドクオ、起きたかい?」

【('A‐)】「ここは……」

(´・ω・`)「現実世界さ。もうその器具とって大丈夫だよ」

【('A`)】「ああ、わかった」

(´・ω・`)「それでどうだった。仮想現実は?満足したかい?」

('A`)「まぁ、な。過去の出来事――――虐めに決別をできた気がする」

(´・ω・`)「本当かい?」

('A`)「あ?」

(´・ω・`)それは、本心で言ってるのかい?」

('A`)「どうしたんだ?お前」

(´・ω・`)「答えるんだ。ドクオ」



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:27:53.54 ID:NZ8WZfLK0

('A`)「だからできた気がするつってるんじゃねえか」

(´・ω・`)「ウソをつくな」

('A`)「ウソなんてついて」

(´・ω・`)「気がする?当たり前だ。なにしろお前はただの傍観者であり続けたからね」

('A`)「お前、なにが言いたい?」

(´・ω・`)「はッ、笑わせるな。あれのどこが納得だ。お前は結局なにひとつ成し遂げてないじゃない         
      か。ずっとコソコソ隠れ人を殺すのは過去の自分。お前はなにをした?」

('A`)「お、俺は」

(´・ω・`)「答えられないじゃないか。それが答えだ。卑怯者」

(#'A`)「って、てめェ!!」


ッグ


(´・ω・`)「胸倉を掴むのはやめてくれよ、卑怯者」

(#'A`)「俺だってなぁ!!俺だって考えがあったから過去の俺にヤツら殺させたんだ!!」

(´・ω・`)「過去の制裁は過去の君で償う、かい?いっちょまえによく言うよ」


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:31:25.74 ID:NZ8WZfLK0

(#'A`)「なんだとてめェ!!」


ガン


(´ ω `)「フフ、ふ……。それが君の本性だよ、ドクオ」

(#'A`)「なにがだ!!ふざけやがって!!」


ガン
バキッ
ドン


(´ ω `)「ははは、愉快だ。実に愉快だ。ありがとう。君には礼を言うよ」

(´ ω `)「ははははははははははははははははは」




(´゜ω゜`)「アハハハハハハギョハヒャウオウフハイヒアハイオギャハハ!!!」



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:34:07.61 ID:NZ8WZfLK0

(;'A`)「お、お前……」

(´。ω゜`)「実に愉快だっははっははっはははあは!!!」

(´。ω゜`)「ひひひ僕はねェ!!!ひずーっと人じあし間の心のことが知りたかったひんだ!!」

(´。ω゜`)「仮想現実あづあじいしとはいえ、っひひいひひ過去のトラウマないんぢあと向き合ったも   
       あ時、人間ひあんりじあの心はどうぢああおかこ向き合うのか!!!」

(´。ω゜`)「君はじひうふ自分ではにあづなにもしないぢあじさ卑怯者さ!!!」


ヒヒ・・・ヒ・・・・・・・


(´。ω゜`)「君は、仮想現実だけではなくおもしろいことをした」

(´。ω゜`)「ついさっき、僕のことを殴り蹴ったね?虐めてたヤツにはなにもしなかったのに」

(´。ω゜`)「なんでだい?なんでそんなことをしたんだい? ――――簡単さ。
君は僕のことを自分よりも下か同等に思って恐怖を感じていないからさ。」

(´。ω゜`)「仮想現実とは言え過去の幼い君に殺しを任せ、自分は隠れその場をやり過ごす。
       現実ではまったく恨みもなにもない僕に対し暴力をふる」

(´。ω゜`)「だから僕は、君のことを卑怯者だと言ったのさ」



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:36:47.09 ID:NZ8WZfLK0

(´。ω゜`)「ん? どうしたんだい怖い顔をして。また殴るのかい?あははは」

(´。ω゜`)「もう殴るのはやめてくれ。僕は仮想ではなく現実だ。当然痛みがある。
       どうせなら僕を殺してくれよ。君の手で」

(´。ω゜`)「そうだ、それがいい。僕を殺してくれ。ただし武器は使うなよ。自分の手で殺すんだ」

(´。ω゜`)「過去の君が言ってたこと、覚えてるかい?今度は自分の保身を考えずにやるんだぜ」

(´。ω゜`)「そうだ、君の手でだ。僕の生きている温もりを感じながら」

(´。ω゜`)「やがて血の巡りが悪くなり、息ができなく苦しくなっていく感触を得ながら君は僕を殺すんだ」


ッグ


(´。ω゜`)「あは……ハ…」

(´。ω゜`)「あじdふぁお……あじダイニエにあ?」

(´。ω゜`)「おだじ…ジアだ……」




(´ ω `)「………………」



63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:39:13.43 ID:NZ8WZfLK0


ショボンとは チャットで知り合ったときのHNだ

高校でも虐められ 家で引きこもり毎日パソコンをやっていた

そんなとき ふと暇つぶし程度にやったチャットの相手がショボンであった

話していると ショボンも学校にいないと聞いて 不思議と共感した

そのうち毎日チャットに入り浸り ショボンと話す毎日が続いた

やがて会う約束をし それから暇なときはショボンの家で遊んだ

初めて肉親以外にまともに喋る相手ができて 俺は喜んだ

遊んでいるうちに気づいたが どうやらショボンは相当頭がいいようであった

しかしその頭のよさが周りから批判を買い やがて孤立して学校に行かなくなったそうだ

お互い社会から外れた者同士 一緒にいると心地がよかった

最後こそあんなことになったが 俺はショボンのことを今でも友達だと思っている




64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:41:18.75 ID:NZ8WZfLK0


ここは仮想現実ではなく 現実の世界

俺はこの世界で 唯一の友達であるショボンを殺してしまった

まったく嫌いでも恨みもないのにショボンは殺して ゴミ共は殺せなかった

俺は無意識のうちに 自分を防衛していたのかもしれない

それとも 人を殺すのに抵抗があったからだろうか

まぁ それもいまとなってはどうでもいい話だ

人を殺してしまった罪として やがて俺は警察に捕まるだろう

もはや俺の人生に意味などない 次にとる行動は考えてある

カーチャンには 最初から最後まで迷惑をかけてしまった

本当に悪いと思っている




65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:43:04.60 ID:NZ8WZfLK0


なんの因果だろうか ナイフがテーブルの上に置いてあった

俺はそれを手に取り ゆっくりと胸にあてる


物心ついた頃から虐め続けられ 最後はこんな結末

笑いたくっても 笑う気力もなにもない

死ぬときには走馬灯が見えるって聞くけど なにも見えない










あ〜あ、俺の人生ってなんだったんだろ。




おわり




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